近年、本を読む人が減ったせいか、町の本屋が減っていますよね
くにたちに引っ越してきた10年前、
国立駅の前には<東西書房>、
矢川駅の前には<よむよむ>という本屋がありました。
まあまあお客さんは入っていたのに、数年後に次々閉店、
後に入ったのはドラッグストアと自転車屋でがっかりしました
どちらの本屋もチェーン店の一つだったので、採算が合わなければ簡単に撤退の憂き目にあったのでしょう
その後、駅ビルにnonowaができた時に、PAPER WALLという本屋がオープンしましたが、
こちらはリブロという大手書店のチェーン店、
エキナカで売り場面積が限られているため雑誌やベストセラー本が主流です
但し絵本コーナーが充実しているのとカフェが併設されているためか、くにたち駅を利用する学生や子供連れには人気です
今現在、いわゆる町の本屋として生き残っているのは、大学通りに面した増田書店のみ
増田書店は昭和23年創業だそうで、大学のあるこの町とのかかわりもきっと深いのでしょうね。
一階はどこにでもある本屋と同じですが、地下一階に専門的な本が並べられ、品揃えも充実
唯一の個人商店として頑張ってるなあ~と思っていたら、
最近、よく耳にするいわゆる<小さな本屋>というのがここくにたちにもあることを人づてに聞きました。
その名も<ほんのみせコトノハ>
駅から富士見通りを歩いて5,6分だというので、あら、近いんじゃない?と思い探してみたのですが、見つからない
というのも入り口は富士見通りには面しておらず、裏から入るのだそうで、スギ薬局の角に戻り裏通りを少し行くと左側に目印となる青い扉が見えました
あった、あった、と喜んだのも束の間、売り場は二階!?
狭い階段を上がってやっとのことで辿り着くと、木調のフロアの真ん中に大きなテーブルが置かれ、周囲の壁面ラックにずらっと本が並んでいました。
窓際にはカウンターがありカフェや軽食もいただける。
たっぷり時間をかけて本を選べそうな、静かでCOZYな雰囲気です
早速本棚をあさると、本の書き方の本、出版業界や翻訳家のエッセイ、小説家や書店員が出てくる小説や漫画・・・
などかなりマニアック
というのも、いわゆるベストセラー本は店の売り上げに応じて取次店から回されてくるため小さい店には割り当てが少ない
しかも本屋の利益って、なんと1000円の本でたったの200円
など本屋を経営するには色々裏事情があるようで
小さい本屋は店独自の特徴を持たせることでリピーターを増やさなくっちゃ生き残れない。
つまりそこにしかない本を売る、というのが商売上の戦略のようです
こちらの店主は元書店でアルバイトをしていて自分の店を持ちたいと思いついた若い女性、
本屋の開き方、問屋との関係、運営資金の計算、店の場所選び、などなど研究に研究を重ね苦労の末に?オープンにこぎつけた、と店のブログに書いてありました
その体験を通して店のテーマを(本屋の本)に絞った訳ですね
大きな本屋に入ると、さてどんな本を買ったらよいかわからなくなることもありますが、
ここでは、アンケート(年齢や仕事、好きな小説、座右の銘、最近嬉しかったこと、悲しかったこと、購入の予算など)に応えるとその人に合った本を選んで下さる、
という選書のサービスもあり、思わぬ本が読めたりして面白そうです
私の場合は、幸い、ファンタジー作家上橋菜穂子さんのエッセイと翻訳関係の本、という自分好みの本がすぐ見つかり、
この小さな本屋さんを少しは応援できたかな
頑張ってね、町の小さな本屋さん