ここの店は前から気になっていたんだけど、前は希望が丘という辺鄙なところにあって、次に引っ越したのも新子安。もしかして、ここの駅に降りたのは、生まれて初めて?
話には聞いていたけれど、看板もなにもない。ここかな?と見当をつけて行ったマンションの三階には、障子が張られた窓が見えたけれど、行ってみるまでは、自信がなかった。エレベーターもなかったような気がするけど?!
カウンターに10人くらい座れるほどのお店。なんでも、大将は、納得したものしか仕入れないので、品数は少ないとか。
最初に挨拶されて、料金の説明があったので、びっくり。もちろん、お任せを頼む。
私の周りは、みんな鮨好きのオタクっぽい男性一人客ばかり。えびすビールを頼んで、出てきたおつまみは、皿に盛られた赤身のスライス4切れ、赤貝の肝、小柱。銚子産の赤身は、身がギュッとつまった感じの美味しいもの。次に出てきたのが、ウニとあわび。ウニはちょっと明礬がまさっている感じ。あわびは、ちょっと小ぶりだけれど、今までに食べたことのない味。なんとなく、ピータンを思わせる感触と味。
芋焼酎をいただきながら、握り。お客さんは、医者らしき2人と合コンの相手か病院関係?の女性二人、それにカップル、あとは、オタク軍団で満席。
握りの最初は、巨大なトリガイを二つに切って、2カンに。コハダ2カン、私には、ちょっと酢が強すぎというか、漬かりすぎという気がするけど、シャリの方は赤酢だから、ちょっとマイルド。シャリには、ヨコ井の赤酢、あと2種類を混合して使っているそう。ミツカンもネタの処理用には、使っているのだとか。長崎の車エビ、そろそろお終いのミル貝、アワビ、穴子2カン、それを炙っている間に漬けておいたヅケ2カン、中トロ3カン。ウニの軍艦は、刺身と違って臭みが少なかった。そこで新ショウガが呈される。〆は、エビが入っているものの、薄くてフワフワ感の少ない卵シャリ付とカンピョウ巻き。カンピョウ巻きは、伝説の絶対食べなきゃいけない物だったんだけど、期待が大きすぎたか普通って感じがした。
とにかく、大将は、いい人って感じ。どうしてこんなところに?と聞いたら、予算がなかったのだとか。看板がない訳は、看板を作ってくれる人と意見が合わないうちにお店をあけてしまったのだとか。
基本的には、お任せでも一人一万3千円と考えればいいみたい。それから、飲み代。どんなに長居をしても気にしないそう。とってもいい人なので、もっとお客さんが入ればいいと思うものの、常連客の邪魔になるので、紹介もしたくないという矛盾した気持ちで店を出たのでした。