そもそも何故発酵に興味を持ったのか?
起業に憧れながらも、起業するなら情熱が持てるものがいいと思い始めたのは大学生の頃。しかし、そのような対象を見つけることが出来ず、まずは就職をすることにした。資本主義のあり方や会社経営がどうしたら成り立つのだろうかと数々の疑問を抱いての社会人生活のスタート。一方、仕事には恵まれ、尊敬する人とグローバルに働く機会を得た。日本だけでなくフランス、中国に駐在し、さらに見聞は広がった。
仕事をしながら、自分の情熱を注げること、ライフワークになることは何だろうか?と考えて続けていた。
あれは2007年。パリ駐在1年目。アンニュイという言葉がしっくり来る秋の気候。色々な緊張が重なって内向的になっていた自分は三島由紀夫にハマっていた。ただでさえ内向的なのに、さらに内向的になって自分を見つめていた。
アイデンティティって何だろう?私って何者?
ある日、思ったのは、自分にとって大切な食べるという行為。食べ物に固執しがちな私を掘り下げて行くと”発酵”というキーワードが浮かんだ。
考えてみれば、中学生から味噌汁作りを毎朝していたり、高校時代はレーズンから天然酵母を作り1週間かけてパンを焼いたりしていた。また、日本、フランス、中国で楽しい時間を過ごす時は必ず発酵食に囲まれていた。発酵という言葉が霧の中にモヤモヤと浮かんできたので、意識して人との会話に使うようにした。そこで気づいたのは、発酵は老若男女に通じる話題であること、国籍を問わず発酵というコンセプトが通じること、またその話題を出すたびに新しい発見や自分の知らないことがあること。これは面白いと”発酵”という切り口で物事を考え出したのが2008年だった。
