記事:狂王ルートヴィヒ2世①
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政治から逃げてお城ばっかり作ってたルートヴィヒ2世。
「ヴェルサイユのトリアノン宮殿を自分でも作りたい!」と作ったリンダーホーフ城。
トリアノン宮殿に自分なりのテイストを加えたリンダーホーフ城。
センスが近代的(リンダーホーフ城の建設は1878年)で、個人的にはヴェルサイユよりこちらの方が好き。
しっとりした緑に包まれた庭はなんだか落ち着く。
ルードヴィッヒ2世は白鳥が好きだったらしく、城の中の様々なモチーフに多用されている。
庭には今も白鳥が飼われている。
頭をなでたら、かまれた。白鳥って意外と凶暴。
庭園内にある「ヴィーナスの洞窟」。
ルキノ・ヴィスコンティの映画「ルートヴィヒ 神々の黄昏」で登場してたこの洞窟に絶対行ってみたかった。
鍾乳洞の中にある神秘的な湖。
白鳥が泳ぎ、ボッティチェリの「ヴィーナスの生誕」を思わせる貝殻のボート(バラで飾られた)に乗ってるルートヴィヒ…
このシーンが撮影された場所。
しかもこの鍾乳洞は、自然のものではなくルートヴィヒが作ったもの。
自分の美学を究めすぎてもはやバカ。好きすぎる。さすがメルヘン王。
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ルードヴィヒが幼少時代を過ごした、ミュンヘンにある「ニンフェンブルク城」に行ってみた。
神話を思わせる神々や天使が白や金で彫刻されたエントランスロビー。
あれ?ノイシュヴァンシュタイン城よりメルヘンしてない?
幼い頃のルートヴィヒは、この城で「ローエングリン」や「ニーベルンゲンの指輪」を耽読したらしい。
先祖代々メルヘンチックだったのか。
余談だけどおじいちゃんのルードヴィヒ1世の囲った愛人たちが不思議ちゃん揃いなのも面白かった。
バラやリボンで飾り立てられた愛妾たち。
みんな目があさっての方向を向いている。
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ちなみにお父さんが作ったお城も結構メルヘンしている。
ノイシュヴァンシュタイン城の近くにある、ホーエンシュヴァンガウ城。
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バイエルン王国の財政を傾けるほどお城作りにはまり、精神を病んで自殺したルートヴィヒ2世。
でも、彼の作ったお城は「世界一美しい城」として世界でも有数の観光地となり
今も地元の経済を潤している。
南ドイツは今もバイエルン王国の旗を掲げているし、
地元の人はみんなルードヴィヒ2世が大好きだ。
情熱と美意識、そして強烈な個性を持ったルードヴィヒ2世はこれからも人々を魅了し続けていくと思う。
(身近にいたら絶対に嫌だけど)
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一年前の今日は、フランス・パリで朝市(マルシェ)に行っていた。
色とりどりの野菜や花、服などあって、さすがにおしゃれ。
でも、こういう雑貨類をいると、中央アジアのバザールにそっくりだなあと思う。
中国製の品物が多いので、ユーラシア大陸はつながっているんだなあと感じる。
こういうの気になっちゃんだよねえ。
オリンピク!
相撲はオリンピックの競技…じゃないよねえ。