<全国高校野球選手権宇部鴻城7-3宇和島東>◇12日◇2回戦

 宇部鴻城(山口)が宇和島東(愛媛)に快勝。

初出場だった12年大会同様、夏の甲子園で初戦を突破した。(日刊スポーツ)

【写真】力投する宇部鴻城の先発・岡田佑斗

 投手で1番打者の岡田佑斗(3年)がチームをけん引。

2-0の4回に右越え2点本塁打、6回にも二塁打を放ち、6点目のホームを踏んだ。

投げてはスピンの効いた130キロ台の直球などで12三振を奪い3失点完投した。

 宇和島東は7番兵頭仁内野手(3年)が5回にソロ本塁打を放つなどしたが、

上位打線の不振が響いた。

 

 

 宇部鴻城(山口)の「二刀流」、背番号8の岡田佑斗投手(3年)が、

投打にわたる活躍でチームの初戦突破に貢献した。

【写真】2回表宇部鴻城2死一、二塁、河村は左翼へ2点適時二塁打を放つ

 投げては先発3失点完投。

13安打を打たれながらも147球を投げて13三振を奪った。

打っては1番打者として、公式戦2本目の2ランを含む5打数3安打2打点。

あと三塁打が出ればサイクル安打という大活躍。

「打つのも投げるのも両方好き。チームが勝ててうれしい」とお立ち台で言葉を弾ませた。

 マウンドでは常に優位に立った。

「相手のリズムにさせないよう、自分が優位に立ちたいから」とテンポよくポンポン投げ込み、

球審から「打者が構えてから投げなさい」と注意されるほどで、

打者に考える暇も、ゆっくり構える余裕も与えなかった。

1回に3者三振を奪ってリズムに乗ると、相手打線の1番から3番までで9三振を奪った。

中学からバドミントンを始め

「肘をうまく使わないと打てないのは投球につながる」とキレのいい球につなげた。

「昨年、金足農の吉田投手(現日本ハム)の投げ方も参考にしました」

と130キロ台ながらキレのいい球で三振の山を築いた。

 ポンポン投げるのは走者がいない時だけで、

ピンチになると「少し考える間合いをつくって自分のペースで投げた」と

6回2死満塁のピンチでは、球審にうながされるまでセンターを向いてしゃがんでいた。

「下半身を意識するようなイメージでした」。

次打者の1球目で遊飛に仕留めてピンチを切り抜けた。

 打っては投手としての利点を生かした。

2-0とリードした4回。

1点を追加した後の1死一塁で、カウント2ボール後の3球目の直球を右翼席へ運んだ。

「絶対に直球でストライクを取りに来ると思った」と胸を張った。

 投手として入学したが、昨年秋に腰を痛め、いったん投手をあきらめ打者に専念した。

今年5月に尾崎公彦監督(49)に投手をすすめられたが「打者に専念したい」と断った。

しかし「センターから見てて、また投げたくなった」と監督に直訴。

「自分が投げられれば県大会でエースを助けられる」。

チームを思い1番打者ながら投手という逆境をあえて選択した。

「1番投手はもう慣れました。自分で勢いつけていけますから」。

運動量は半端ない。

この日、三塁ゴロでも打者走者の前を横切り、一塁ベースカバーに走るほどだった。

 3回戦は優勝候補の明石商が相手。

「120%の力を出すつもりで、挑戦者の気持ちでいきます」。

打ってよし、走ってよし、投げてよしの岡田が、強豪に立ち向かう。【浦田由紀夫】

 

 

 宇和島東(愛媛)にとって、11年ぶりの夏の甲子園1勝はならなかった。

7番兵頭仁(3年)が今夏チーム初の本塁打を放つなど13安打したが、得点は3点。

1番阿部颯稀主将(3年)、3番森田武尊(3年)ら上位打線がブレーキとなり、

チームで12三振を奪われるなど、宇部鴻城の右腕岡田佑斗(3年)を打ち崩せなかった。

【写真】7回、岡田のけん制で二走舩田がタッチアウト

 それでも、長瀧剛監督(40)は、敗戦よりも9年ぶりの“夏”で得た経験を重視した。

4月に赴任、指揮を執るようになってまだ5カ月弱。

「素直に悔しい思いはありますが、選手は思った以上にノビノビ、

楽しく、すばらしい時間を過ごしてくれました。

今回は甲子園に出ることが目標でした。

次は勝つための意識を変えていかないといけません」。

阿部主将は「僕たちは“力のないチーム”と言われてきて、

悔しかったですが、明るく笑顔でやってきた。

今日もみんなで“暗い顔をしちゃダメ”と声を掛け合ってやりました」という。

 この日、投げた舩田清志、和田真虎の両右腕は2年生。新チームにつながる経験は多い。

上甲正典監督が率いて“牛鬼打線”と呼ばれた強打の伝統は、これから取り戻す。