映画「仁義なき戦い」シリーズや
テレビドラマ「人形佐七捕物帳」などで知られる
俳優の松方弘樹
(まつかた・ひろき、本名目黒浩樹=めぐろ・こうじゅ)さんが
21日、脳リンパ腫のため死去した。(時事通信)

〔写真特集〕俳優・松方弘樹さん

 74歳だった。東京都出身。

 時代劇俳優だった故近衛十四郎さんの長男として生まれ、
高校3年のときに東映に入社。
1960年に「十七歳の逆襲・暴力をぶっ潰せ」でデビューし、
甘さと精悍(せいかん)さを兼ね備えた若手俳優として
青春物から時代劇まで幅広いジャンルの作品で活躍した。
デビュー当初は正統派の二枚目役も多かったが、
「893愚連隊」の小悪党役などで演技の幅を広げ、
深作欣二監督の「仁義なき戦い」シリーズの人間くさいやくざ役で
新境地を開拓。
悪役やかたき役も演じられる性格俳優として数々の作品に出演した。

 テレビドラマにも進出し、
大河ドラマ「勝海舟」のほか、「大江戸捜査網」
「名奉行 遠山の金さん」などの人気作に主演。
ドラマ以外にも、
バラエティー「天才・たけしの元気が出るテレビ!! 」や
趣味の釣りを生かした番組など多彩なジャンルに出演し、
飾らない三枚目的なキャラクターがお茶の間でも親しまれた。

 このほかの代表作に映画「赤穂浪士」「昭和残侠伝」
「恐喝こそわが人生」「北陸代理戦争」
「柳生一族の陰謀」「修羅の群れ」、
大河ドラマ「天地人」「八重の桜」など。

 弟は俳優の目黒祐樹さん。
元妻で女優の仁科亜季子さんとの間に、
タレントの仁科克基さんと仁科仁美さんをもうけた。
松方さんは昨年3月に脳リンパ腫を患っていることが判明。
その後はドラマ出演などの予定は全てキャンセルし、
復帰を目指して治療に専念していた。