英国で7日に行われた下院総選挙(定数650)では、

続投を目指すキャメロン首相率いる与党保守党が予想外に善戦し、

第1党を維持する見通しとなった。

一方でスコットランド民族党(SNP)が躍進し、

英国からの独立を再び目指すとの見方も出ている。

 最大野党の労働党は議席を伸ばすことができず、

ミリバンド党首は敗北を認めた。

 保守党党首のキャメロン首相は、

数日以内に新たな内閣を発足させる考えを明らかにした。(ロイター・ビジネス)

 75%近く開票された時点で、保守党の獲得議席は203議席。

出口調査では316議席の獲得が見込まれている。

 英国放送協会(BBC)は保守党が325議席を獲得し、

事実上過半数を制するとの予測を示した。

4議席の北アイルランドのシンフェイン党が採決不参加を続ける場合、

323議席で実質的に過半数となる。

 かつて労働党の牙城だったスコットランドでは、

SNPが59議席中すでに55議席を獲得、

スコットランド独立をめぐる住民投票を求める機運が再び高まる可能性がある。

 オズボーン英財務相はBBCラジオのインタビューで

「われわれは今回の総選挙におけるスコットランドの結果を尊重し、

スコットランドの人々が力強い英国の一部であると感じられるために

何ができるのか考える必要がある」と述べた。

 また、保守党の勝利により、

欧州連合(EU)加盟継続の是非を問う国民投票が

2年以内に実施される可能性が高まった。

 出口調査によると労働党の獲得議席は239で、

約30年ぶりの惨敗を喫する見通しだ。

 キャメロン首相は政権発足にあたり、

自由民主党あるいは北アイルランド同盟党との2党連立、

あるいは両党との3党連立という複数の選択肢が考えられるほか、

保守党単独での政権運営も可能だ。

 保守党と連立政権を組んでいた中道左派の自由民主党が10議席にとどまり、

反EUを掲げる英国独立党(UKIP)は2議席を獲得する見通し。