和歌山県紀の川市の市立名手(なて)小5年、

森田都史(とし)君(11)が刺殺された事件で、

県警岩出署捜査本部は7日未明、

近所に住む中村桜洲(なかむら・おうしゅう)容疑者(22)を

殺人の疑いで逮捕した。

 中村容疑者の自宅は、

殺害現場の空き地から北西に70メートル、

森田君の自宅からも110メートルほどしか離れていなかった。

(産経新聞)

 事件は5日午後4時20分ごろ発生した。

和歌山県紀の川市後田(しれだ)の空き地で、

森田君があおむけで血を流して倒れているのが見つかった。

 司法解剖の結果、死因は心臓を刺されたことによる失血死で、

傷は右胸から斜めに入り、心臓を貫通していた。

ほぼ即死だったとみられる。

頭頂部のやや右には筋状の傷が並行するように2本あり、

頭の骨が割れていた。

両腕にも複数の傷があり、全体の傷の数は約10カ所に上った。

傷の状況から凶器は複数で、

おのやなたのような鋭利で重い刃物が使われたとみられる。

 捜査本部は6日夕、

自宅にいた中村容疑者に任意同行を求め、調べを続けてきた。

また、6日午後11時すぎから中村容疑者の自宅の家宅捜索を行った。

 森田君は5日午後2時半ごろに下校した。

自宅にランドセルをおいて外出した後で、事件に巻き込まれたとみられる。

 周辺では3カ月ほど前に不審者情報があり、

紀の川市職員らがパトロールしていたという。

また、今月1日、空き地付近をうろつく不審な20~30代の男が、

森田君の自宅をのぞき込んでいたことから、

捜査本部が不審人物の洗い出しを進めていた。

 現場はJR和歌山線名手駅南西約800メートルの民家や田畑が混在した住宅地。