第152回芥川賞・直木賞(日本文学振興会主催)の選考会が
15日夜、東京・築地の新喜楽で開かれ、
芥川賞に小野正嗣(まさつぐ)さん(44)の「九年前の祈り」(群像9月号)、
直木賞に西加奈子(かなこ)さん(37)の「サラバ!」(小学館)が決まった。
副賞各100万円。贈呈式は、2月中旬に行われる。(読売新聞)
小野さんは、2001年にデビュー。
02年、「にぎやかな湾に背負われた船」で三島由紀夫賞を受賞。
4回目の候補で芥川賞を射止めた。
芥川賞の小川洋子選考委員は、
「(発達に)困難を抱えた少年を丸ごと受けとめる土地の力をうまく小説にした」
と評価した。
西さんはテヘラン生まれ。
小学生の4年間をカイロで過ごした後、26歳まで大阪で暮らした。
2004年、「あおい」でデビュー。13年、「ふくわらい」で河合隼雄物語賞。
直木賞は2度目の候補での受賞。
受賞作は、
自身の生い立ちと似た幼少期を過ごした男性が、
姉の奇行と距離を置き、自意識と折り合いをつけながら
成長していく姿をつづる長編小説。
直木賞の林真理子選考委員は、
「あふれでるような才能を評価した。信じるものに向かって進むメッセージを感じた。
多くの若い人に読んでほしい」と語った。