任期満了に伴う福島県知事選は26日投開票され、
無所属新人で前副知事の内堀雅雄氏(50)が、
元岩手県宮古市長の熊坂義裕氏(62)ら新人5人を抑え初当選した。
(時事通信)
2011年3月の東日本大震災と
それに伴う東京電力福島第1原発事故後初となった今回の知事選では、
自民、民主両党など主要政党が、
県政継続を掲げた内堀氏に事実上相乗りした。
震災の被害が大きかった岩手、宮城、福島3県では、
震災を経ての初の知事交代となる。
投票率は45.85%で、
過去最低だった2010年の前回(42.42%)を3.43ポイント上回ったものの、
前回に続く過去2番目の低さとなった。
内堀氏は有効投票総数の7割近くを獲得、
次点の熊坂氏を36万票余り引き離した。
これまで民主党や連合福島などの支援を受けてきた
佐藤雄平現知事が選挙直前に引退を表明し、内堀氏を後継に指名。
自民党は、7月の滋賀県知事選に続く敗戦や、
それによる11月の沖縄県知事選への影響を懸念し、
一度は元日銀福島支店長を独自候補とした福島県連の決定を
党本部が撤回させ、内堀氏支援に回った。
原発政策は、全候補者が福島第2を含む県内10基の廃炉で一致し、
争点とならなかった。
内堀氏は、自民、公明、民主、社民各党から支援を受け、手堅い組織戦を展開。
原発事故による避難地域の再興、
トップセールスによる風評被害払拭(ふっしょく)を掲げ、
副知事として震災からの復興に取り組んできた経緯も訴えた。
熊坂氏は、「原発被害対策の総見直し」など県政刷新や、
医療・福祉都市に導いたとする3期12年の宮古市長経験をアピール。
県外原発の再稼働反対も主張、
県外については言及を避けた内堀氏との違いを際だたせようとしたが、
及ばなかった。
前双葉町長の井戸川克隆氏(68)ら4人も独自の政策を掲げ、
県政転換を強調したが、浸透しなかった。