安倍晋三首相は2日、

自民党幹事長に谷垣禎一法相(69)を起用する意向を固めた。

首相は3日、

第2次政権発足後初めてとなる内閣改造・自民党役員人事を断行する。

総裁経験者の幹事長起用は前例がなく、

首相は重厚な布陣により挙党態勢の強化を目指す。(時事通信)


 谷垣氏は当選11回。自民党が野党に転落した2009年、総裁に就任。

消費税率の引き上げに関しては野田佳彦前首相に協力したが、

民主党政権への対決姿勢を貫き、政権復帰に貢献した。

ただ、首相が勝利した12年の党総裁選では、最終的に出馬を断念した。

 谷垣氏はリベラル色が強く、保守的な首相と思想的には距離がある。

日中関係の改善なども課題となる中、

党の結束を重視し、谷垣氏起用に踏み切ったとみられる。


 改造人事では、

経済産業相に小渕優子元少子化担当相(40)、

総務相に高市早苗政調会長(53)、

厚生労働相に塩崎恭久元官房長官(63)、

復興相に竹下亘衆院議員(67)が

それぞれ内定した。

農林水産相には西川公也衆院議員(71)が起用される。


 新設する地方創生担当相には石破茂幹事長(57)、

同じく新設する安全保障法制担当相には

防衛相との兼務で江渡聡徳前防衛副大臣(58)が

それぞれ就く。

山谷えり子参院政審会長(63)は拉致問題担当相、

松島みどり衆院議員(58)は法相で初入閣。

有村治子参院議員(43)の入閣も固まり、

女性閣僚は過去最多に並ぶ5人となる。

山口俊一衆院議員(64)も入閣する。


 また、当初は文部科学相が兼務する五輪担当相を切り離し、

遠藤利明衆院議員を充てる方向だったが、

当面は下村博文文科相(60)が兼務することとなり、

遠藤氏の今回の入閣は見送られた。

政府内では、秋の臨時国会で閣僚枠を拡大する法改正を行った上で、

同氏を五輪担当相とする案が出ている。


 政権の中枢を担う麻生太郎副総理兼財務相(73)、

甘利明経済再生担当相(65)、菅義偉官房長官(65)は留任。

岸田文雄外相(57)、太田昭宏国土交通相(68)も続投させる。

 党人事ではこのほか、

政調会長に稲田朋美行政改革担当相(55)、

総務会長に二階俊博衆院予算委員長(75)を起用する。

高村正彦副総裁(72)、細田博之幹事長代行(70)は続投。

選対委員長は河村建夫氏(71)再任の方向だったが、

茂木敏充経済産業相(58)を充てる。


 首相は3日午前に党三役を決定。

午後に菅官房長官が新たな閣僚名簿を発表する。

皇居での認証式を経て、同日夕に第2次安倍改造内閣が発足する。