CBニュースによると、昨年倒産した老人福祉事業所の倒産件数が、過去最高の一昨年とほぼ同様水準だったと帝国データバンク調査で明らかになったと記事が掲載されていた。


http://www.cabrain.net/news/article/newsId/44697.html


本記事は、その要因として「長期的ビジョンがないまま参入してきたこと」だとしていた。


実際に、ボクに新規開業の相談をしてくる人の中にも、「何とか世の中のために貢献したい」と社会貢献ビジョンによって介護事業に参入しようとしている人がいるが、いつも「それじゃ、うまくいかない」とはっきりと言っている。


簡単に言えば、「気持ちじゃ食っていけない」ということだ。そこで、必ず、「介護政策ならびに介護報酬制度をきちんと勉強してから参入してください」とアドバイスをしている。


すでに、住宅ローンや子育てが終わり、その上で、従業員として「お金じゃないんで」と介護の仕事をするのは自由だが、経営となると、さまざまな責任が発生してくる。


特に、「従業員を食わしていかなあかん」「どんな手使っても、従業員を幸せにせなあかんのや」と今日の朝ドラで堤真一演じる、鴨井欣次郎が言っていたが、まさにその通り。この鴨井金次郎は、サントリー創業者の鳥居信二郎がモデルだが、「やってみなはれ経営」で有名だ。


しかし、この鳥居信二郎は社長と言う立場で、従業員に言っていた言葉であり、なんでもかんでも「やってみなはれ」ということではない。これは、あくまでも開拓者精神のための言葉であり、「やってみなはれ」の後に壮絶な努力と学習が必要だ。


今回の介護報酬改定は、9年ぶりのマイナス改定なため、もしかすると、さらに倒産件数は増加する可能性もある。