岡山大学の西堀正洋教授や伊達勲教授らは、交通事故などで傷ついた脳の症状を、特定のたんぱく質の働きを抑える抗体を使って改善することにマウスの実験で成功した。6時間後に投与すると脳のはれを6割ほど減らせることを確かめた。これまでにない有効な治療法の実現につながる成果だという。
 脳を強く打ちつけて脳が傷つくと、脳がはれて後遺症が現れる。症状が重いと、死亡原因となるが、有効な治療法は見つかっていない。
 研究チームは傷ついた脳の内部に現れるたんぱく質「HMGB1」に注目した。通常は細胞内にあるが、細胞が損傷すると外に放出されて炎症反応を促す。
 HMGB1の働きを抑える抗体を作製。ラットの脳に衝撃を加えて脳がはれるなどの症状が出るようにしたうえで、抗体を与えた。衝撃を加えた5分後に投与すると、血管からのたんぱく質などの流出が約85%抑えられた。
 この抗体はくも膜下出血などの治療にも効果があることを研究チームは確認している。さらに動物実験を進めて、製薬会社などと協力して臨床応用を目指す。(4/19 日経産業新聞より)












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大阪府立成人病センターは9日、胃がんから腹部の腹膜に転移した微小ながんを光らせ、がんの有無を見つけられる新しい診断法を開発したと発表した。がん再発の早期発見に役立つという。新技術で、非常に早い段階で転移を見つけられれば、抗がん剤治療の効果も出やすく、手術を組み合わせれば治癒できる可能性がある。
 高度医療での実用化を目指し、年内にも臨床試験を申請する。成果は千葉市で開かれる日本外科学会で14日発表される。
 胃がんの手術後に再発した患者は腹膜に転移している場合が多い。しかし、転移した病巣は非常に小さかったり腹膜に隠れていたりするため、手術時や検査で早期に見つけるのは難しかった。
 新しい診断法ではまず、「アミノレブリン酸」という人間の体内にもあるアミノ酸の一種を飲む。この物質は体内で別の物質に変わってがん細胞だけに蓄積する性質があり、青色の光を当てると赤く光る。4時間後、腹腔(ふくくう)鏡で胃の外側や腹膜に青色光を当てると、がんの有無がわかる。(4/10 日経朝刊より)









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患者「精算待ち」不要に
 メディカル・クレジット・サービス(MCS、東京・千代田、江連毅社長)は患者負担分の治療費を立て替えて医療機関に支払うサービスを全国のがん拠点病院を対象に提供する。立て替え手数料は立て替え額にかかわらず1回105円。患者は治療費の精算で長い時間待たずに帰ることができる。通院しながらがん治療を受ける患者の増加に対応する。
 患者は、MCSと契約を結んだ医療機関でこのサービスを受けられる。サービスを受ける旨を医療機関の精算窓口の担当者に告げれば患者はそのまま帰宅できる。サービスを受けるか受けないかは窓口での支払いごとに患者自身が決められる。医療機関はMCSに患者負担分の医療費を請求し、MCSは月末締めでその額を病院に支払う。
 医療機関への支払い後、MCSは患者の銀行口座から立て替えた医療費とサービス利用回数分の手数料に振替手数料82円を加えて引き落とす。
 MCSと契約を結んだ医療機関の負担は専用端末のレンタル料金として月額5250円かかり、そのほかの初期費用などはかからない。
 放射線治療や抗がん剤の点滴投与を受けると、治療後にだるさや気分の悪さが残る場合が多い。外来でがん治療を受ける患者は増えており、外来でこれらの治療を受け、一刻も早く帰宅したいがん患者向けに利用拡大を目指す。まずがん拠点病院での導入を働き掛けることにした。
 MCSは全国のがん拠点病院での導入に向けて営業人員を増やすほか、ポスターを掲示して知名度向上につなげる。同サービスを利用した患者を通じた「紹介キャンペーン」なども展開する。
(3/8日経産業新聞より)












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◎マラリアなどの疾病を正確に診断できる携帯型の波長可変レーザー装置を開発
 マラリアなどの病気は波長可変レーザーによる分光分析で正確に診断できるが、装置が巨大かつ高価で発展途上国の病院は購入が困難だ。ハリー・コールズ教授が率いる英ケンブリッジ大工学部の研究班「Cosmos Lasers」は、液晶を利用して近紫外線から赤外線までのどんな波長領域にも調節可能な小型で安価なレーザー=写真=を開発した。装置を携帯型とし、検査も簡単にできるようにする。液晶が自己組織的に形成するらせん構造の締まり具合を調整し、どんな色・波長のレーザー光でも作り出せる。従来の装置は高額なうえ、操作も複雑で場所を取ったり、発がん性のある液体染料を用いたり、電力を大量消費するなどの短所がある。本技術を商用化するためのベンチャーを設立する計画だ。
 Prof.Harry Coles,Cambridge University Engineering Department,Trumpington Street,Cambridge,CB2 1PZ,UK
 Tel. 44 1223 748 344
 Email hjc37@cam.ac.uk
 ホームページ www.eng.cam.ac.uk

(3/1 日経産業新聞より)













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お茶の水女子大学の今井正幸教授と佐久間由香博士研究員は、抗がん剤などを患部に効率良く運ぶための微小な球状カプセルを開発した。脂質の二重膜でできており、温度を下げるとカプセルが変形し、内部の薬物などを放出する。カプセルを患部に届けた後に冷やせば、高い治療効果が期待できる。今後は製薬企業と連携し、薬剤送達システム(DDS)として実用化を目指す。
 開発したのは直径が最大60マイクロ(マイクロは100万分の1)メートルの球状カプセル。油脂の膜が二重になった構造で、水になじむ性質を持つ部分が、抗がん剤などを内包する内側と、外側の両方に出て、カプセルになっている。
 膜には水に溶けにくい性質を持つ部分(疎水基)もあり、この部分は形や融点が異なる2種類の油脂をもとに作った。各油脂の融点はセ氏40度と、同マイナス45度。
 40度超の高温下では、この2つの油脂の疎水基はいずれも溶けた状態にあり、二重膜はカプセルの形を保つ。40度以下にすると、融点が高い油脂は固まるが、融点が低い油脂は円筒状に集まり変形し、カプセルに穴が開く仕組みだ。
 油脂の分子構造を変えれば、穴が開く温度を自由に変えられる。カプセル内部に抗がん剤を入れ、血管に注射した後にがんの患部を外部から冷やせば、患部の近くでカプセルが変形して口が開き、抗がん剤などの薬を放出できる。患部に抗がん剤が集中するので、別の部位で副作用が起こるのを抑えられる。
 細い流路を使い、油脂の二重膜を大量生産する技術は既に開発されている。今回の技術と組み合わせれば、DDS用の微小なカプセルを大量生産できる。カプセルの素材となる油脂は人体内にも存在し、毒性がなく使いやすいという。
 研究チームは抗がん剤以外にも、メラニンの発生を抑える美白化粧品などにも使えるとみている。カプセルの中に蛍光物質を入れて使えば、微小な細胞などの温度を測れる。少量の農薬で植物の病気を抑えられる技術の開発も期待できるという。(2/28 日経産業新聞より)











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