岡山大学の西堀正洋教授や伊達勲教授らは、交通事故などで傷ついた脳の症状を、特定のたんぱく質の働きを抑える抗体を使って改善することにマウスの実験で成功した。6時間後に投与すると脳のはれを6割ほど減らせることを確かめた。これまでにない有効な治療法の実現につながる成果だという。
 脳を強く打ちつけて脳が傷つくと、脳がはれて後遺症が現れる。症状が重いと、死亡原因となるが、有効な治療法は見つかっていない。
 研究チームは傷ついた脳の内部に現れるたんぱく質「HMGB1」に注目した。通常は細胞内にあるが、細胞が損傷すると外に放出されて炎症反応を促す。
 HMGB1の働きを抑える抗体を作製。ラットの脳に衝撃を加えて脳がはれるなどの症状が出るようにしたうえで、抗体を与えた。衝撃を加えた5分後に投与すると、血管からのたんぱく質などの流出が約85%抑えられた。
 この抗体はくも膜下出血などの治療にも効果があることを研究チームは確認している。さらに動物実験を進めて、製薬会社などと協力して臨床応用を目指す。(4/19 日経産業新聞より)












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