中津川市は26日、4年前に起きた市民病院での医療ミスで、恵那市内の50代女性に損害賠償金181万3600円を支払うことで和解が成立したと発表した。

 中津川市によると、女性は07年10月19日に「腰椎脊柱管狭窄症」のために男性医師から椎体固定術を受けた。翌月9日に退院したが同15日、腰痛を訴えて外来受診。別の男性医師が診察したものの腰痛は改善せず、4日後に再び入院した。その後、女性が手術後に感染による敗血症にかかっていたが外来診療で見落とす医療ミスがあったと分かった。女性は08年3月に退院したが、3級の身体障害となり、現在も通院しているという。
40代女性の遺族と 肺血栓と気づかず

 神奈川県小田原市立病院は25日、40歳代の女性が子宮全摘出手術を受けた後に、肺血栓塞栓症を起こして死亡したと発表した。「手術後に十分な対応が取れなかった」として、5720万円を支払うことで遺族側と和解したという。

 同病院によると、女性は子宮腺筋症で、手術は昨年8月中旬に行われた。午後2時15分に手術が終わり、女性は病室に戻ったが、深夜に「息苦しい」と訴え、血液中の酸素の濃度が低下する症状がみられた。酸素を投与しながら経過観察したが、翌午前8時30分頃、容体が急変し、2時間後に死亡した。

 病理解剖の結果、死因は肺血栓塞栓症とわかった。

 記者会見した安野憲一副院長は「痛みなどは術後にみられる症状と判断し、肺血栓塞栓症に思い至らなかったようだ」と説明。「深夜の段階では、血栓が出ていたとしても小さいもので、急変した時に大きい血栓が肺に飛んだと考えられる」と述べた。

 中島麓院長は「十分な対応が取れず、重大な結果となり、心からおわびする」としたうえで、「医療ミスではない」と強調した。肺血栓塞栓症は、突然発症して短時間で重大な結果になることがあるためという。
 堺市は25日までに、市立堺病院で女性患者(45)への子宮摘出手術でミスがあったとして、患者に600万円の賠償金を支払った。

 病院によると、07年3月に市内の女性が同病院で子宮内膜症による子宮摘出手術を受けた。その際、医師が女性の体内に一時的に残すガーゼについて、残す場所を誤った。このため、人工肛門を一時的に付けたり、別の手術を行わなければならなくなった。

 女性は昨年6月、病院に損害賠償を請求。先月、示談がまとまった。同病院は「単純なミスで申し訳ない。再発防止に努めたい」としている。