【J1プロサッカー選手の足関節捻挫の発生状況】 | サッカー育成年代応援ドクター

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【J1プロサッカー選手の足関節捻挫の発生状況】

 

足関節を捻挫したら、その後なかなか治らず不安定になってしまう割合は、約15-60%と言われています。捻挫後にしっかり治らなければ、競技能力の低下につながってしまいます。

2009~2011年の3年間にサッカーJ1に所属するチームに在籍したプ ロサッカー選手50名を対象に足関節の捻挫の発生状況を調べた文献がありました。

 

復帰までの日数は「傷害発生日からサッ カーのすべての練習および試合に参加することが できた日までの日数」と定義しました。(症度は復帰までの日数が1~3日のものをminimal,4~7日を mild,8~28日をmoderate,29日以上をsevere に分類しました)

 

試合と練習の合わせて、45件捻挫が発症しました。試合時が20件、練習時は25件でした。

足関節捻挫の受傷日から復帰までの日数は16.3±13.5日程度という結果でした。長い選手で1ヶ月はかかっていますね。

 

続いて、重症度の比較です。

足関節捻挫の「重症度」はmoderateが22件 (48.9%)で最も多く、次いでsevereが9件 (20%)、minimalとmildが各々7件(15.6%)という結果でした。

最も多いのが、8-28日かかる捻挫という訳ですね。

 

試合時は、接触による捻挫が多く(18件vs2件;contact vs non-contact)、練習時は接触はしない状態で捻挫することが多い(8件vs17件;contact vs non-contact)ようです。

 

「試合+練習時」を合わせた場合の足関節捻挫は,内がえし捻挫と外がえし捻挫がほぼ同じ割合で発生しいるとのことです(23件vs20件;内がえし捻挫vs外がえし捻挫)。しかも、その捻挫が生じるのは、接触時に起こることが圧倒的に多いようです(25件vs18 件;contact vs non-contact)。

また、試合時のみ抽出してみても、内がえし捻挫と外がえし捻挫がほぼ同じ割合で発生しており(10件vs9件;内がえし捻挫 vs外がえし捻挫)、contactによる受傷が有意に多かったという結果でした(17件vs2件;contact vs non-contact)。

練習時のみ抽出してみたら、内がえし捻挫と外がえし捻挫がほぼ同じ割合で発生していますが(13件vs11件;内がえし捻挫vs外がえし捻挫)、試合時とは異なりnon-contactによる受傷の方が多かったとのことです(8件vs16件;contact vs non-contact)。

 

捻挫には気をつけてくださいね。