【スポーツ心臓ってなに?】
心臓の筋肉が大きくなって(肥大:ひだい)、かつ、心臓内にプールできる血液の量(左室容量)が増える機能が備わったものをスポーツ心臓といいます。その結果、脈を1回うつごとに、心臓から出す血液の量を増やすことができるようになります。
サッカーやマラソン選手など、持久走を続けている選手は、副交感神経が優位になります。
副交感神経とは、リラックスした時などに作用する神経です。
そのため、普段活動しているときより休んでいるときの方が、心拍数(しんぱくすう)は少ないですよね。
そのため、持久走をしている選手は、普段の心拍数が、普通の人に比べて少ないのです。
脈拍数60回/分未満の脈を徐脈(じょみゃく)といいます。この徐脈を洞性徐脈といいます。
サッカー選手やマラソン選手などは徐脈の選手が多いです。
脈拍数は40~50代が多い気がしますが、報告によれば25回/分の選手もいるようです。
60秒間に25回しか脈が打たないとは驚きですね。
〔スポーツによる心臓の形の変化〕
しんぞうの四分割(よんぶんかつ)した図を下に示します。
心臓は4つの部屋に分かれています。それぞれ、頭側のお部屋を「心房(しんぼう)」といいます。足側のお部屋を「心室(しんしつ)」といいます。
スポーツ選手は、この心臓の壁がだんだんと厚くなってくる、かつ、心臓のお部屋の広さが広くなる変化が、長距離を走る選手では起こります。
ウエイトリフター選手と長距離を走る選手を比べた研究があります。
ウエイトリフターは、ご存じの通り、バーべルをどれだけ挙げれるかを競う選手です。
ウエイトリフターは長距離を走らないため、サッカー選手などと比べて、心臓に変化はあまりないのでしょか?
下の図を見てください。
心臓の筋肉の壁の厚さ:ウエイトリフター>サッカー選手>健常人
心臓の内腔の長さ:サッカー選手>ウエイトリフター>健常人
という報告がありました。
図ではわかりにくいですが、ウエイトリフターは、通常の方よりも少しではありますが、心臓の広さも増えていました。
ウエイトリフターは、瞬発的なスポーツなので、持久性は必要としないため、心臓の筋肉の厚さが増えることが強調されたのだと思います。
このようにスポーツしている方々は、心臓に変化が出てくるのですね。
自分の心臓の状態を知りながら、日々のトレーニングに励んでください。
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