こんにちわ!!
久しぶりの更新になります。。。
本日は“トピックス”として興味深い論文を紹介いたします!!
整形外科では骨折時には手術において髄内釘(いわゆるボルトです!)やプレート、Kirschner鋼線(いわゆるK-ワイヤー)にて骨を固定します。また、人工関節置換術、スクリューなど様々な金属が使用されます。
これがK-ワイヤーです。
向かって右側が髄内釘です。そして向かって左側がスクリューです。
この画像は股関節の人工関節です。
この画像は膝関節の人工関節です。
私の勤務するクリニックでも前十字靱帯再建術後や人工関節置換術後の患者さんがおられます。
これらの患者さんが症状も良くなり旅行に出かける時、多くの方に言われることがあります。
それは、、、『飛行機に乗るときに金属でなりませんか?』という質問です。
今回はその質問に対して科学的に証明されている論文を紹介します。
論文名は、、、
『Detection of Orthopaedic Implants in Vivo by Enhanced-Sensitivity,Walk-Through Metal Detectors』
日本語訳-『通り抜け式高感度金属探知機による生体内整形外科インプラントの検出』という論文です。
この論文は2007年の論文です。
掲載先ジャーナルは The Journal of Bone and Joint Surgery です。アメリカの医学雑誌です。
このジャーナルはJBJS(ジェー・ビー・ジェー・エス)と言われており信頼性が高いジャーナルとして有名です。
さて、早速内容にうつりたいと思います!!
◆研究の方法◆
計149個のインプラントが生体内に埋め込まれたボランティア患者129名に対して金属探知機を通っていただいた。
149個のうち84個(56%)は髄内釘、プレート、スクリュー、Kirschner鋼線などの外傷(骨折)処置用の金属材料であった。
65個(44%)は関節形成術用のインプラントであった。(いわゆる人工関節です)
金属探知機の感度は低感度と高感度の2段階を設定した。
低感度は、米国運輸保安局の通常警戒態勢に相当する感度である。
高感度は、高度警戒態勢に相当する感度である。
◆研究結果◆
149個のインプラントのうち77個(52%)が低感度もしくは高感度の金属探知機に検出された。
多変量解析という統計学的手法によって、、、
インプラントの種類(p<0.001)、材質(p<0.001)、位置(p<0.001)が検出を予測する独立因子であることが分かった。
分かりやすく言うと、、、金属探知機に反応する原因はインプラントの種類と材質、生体内に存在する位置であることが判明したということです。
検出率は人工関節全置換術が88%、プレートが32%であった。検出尤度は人工関節のほうが15倍高かった。
人工股関節全置換術と人工膝関節全置換術の90%が低感度の金属探知機で検出された。
髄内釘、Kirschner鋼線は検出されなかった。
全検出率は下肢インプラントで67%、上肢インプラントで17%、脊椎で14%であった。
下肢インプラントの検出率は、上肢インプラントの10倍であり、脊椎インプラントの11倍であった。
こちらが腰椎のインプラントです。
◆結論◆
全人工関節で金属探知機が作動することは日常的である。
髄内釘、プレート、スクリュー、鋼線が検出されることは稀である。
コバルトクロムやチタンのインプラントはステンレススチームのインプラントよりも検出されやすい。
以上が論文の内容です。非常に興味深い内容ですよね!!
人工関節を使用されている患者さんは飛行機を利用する際にはあらかじめX-線写真(レントゲン写真)のコピーをあらかじめ持っていると検査の際スムーズですね!
金属探知機に検出された際はコピーを提示すればいいですよね!!
今後はこのようなトピックスも紹介したいと思います。
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