漢方は日本育ち
漢方薬 (かんぽうやく)は、日本で独自に発展した、漢方医学の
理論に基づいて処方される医薬品の総称。
古代中国大陸においては、複数の生薬を組み合わせることにより、
ある薬理作用は強く倍増する一方で、ある薬理作用は減衰すること
(指向性の強化)が発見された。
その優れた生薬の組み合わせに対し、「葛根湯」などと漢方薬
(方剤)命名が行われ、後世に伝えられた。
漢方医学の特徴は、伝統中国医学と同様に体全体を診るところにあり、
「証」という概念を持っている。
証は主に体質を表す。この点で西洋医学とは大きく異なる。
漢方診療は「証に随って治療する(随証治療)」が原則であり、
体全体の調子を整えることで結果的に病気を治していく。このため、
症状だけを見るのでなく体質を診断し、重んじる(ホーリズム)。
西洋医学が解剖学的見地に立脚し、臓器や組織に病気の原因を求めるのとは
対照的である。
同様に、漢方薬も「証」に基づき、患者一人ひとりの体質を見ながら
調合される。
西洋医薬は体の状態が正常でも異常でも一定の作用を示すが、
漢方薬は病理状態で初めて作用を示す。
◆証(東洋医学)
中国医学-漢方医学-韓医学/高麗医学/東洋医学
◆理論
陰陽・五行・経絡・経穴・気血水・五臓六腑
◆古典
黄帝内経・神農本草経・傷寒論・難経
大同類聚方(日本)・東医宝鑑(朝鮮半島)
◆証
寒熱・虚実・疾病の一覧
内治法・漢方薬(日本)・薬膳
証(しょう、あかし)は中医学・漢方医学の治療指針となるべくもので、
西洋医学で言うところの病名(診断名)に相当するものである。
一般的に、証は弁証といわれる、脈診、問診、触診などから導き出され、
病の状態を現す。中医学・漢方医学では、この方法によって導き出された
証に基づき、鍼灸・漢方の治療方針を決定する。
様々な流派があり、それぞれにおいて弁証方法は若干異なる。
現在、日本漢方界においては「病名(診断名)=処方」「1症状=処方」が
一般的な病院において普及しているが、弁証を重視する流派からは、
これは中医学・漢方医学の本来の治療指針からは大きな誤りであり、
誤治の起こる危険性を懸念する声も高く、また誤治を起こすと副作用として
処理することに対し、遺憾であるとの声も根強い。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
◆引用・参考
『フリー百科事典:ウィキペディア』
株式会社 ツムラ
※アメリカ合衆国の漢方薬事情は、不定期に続きます。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆