メディアージュ皮膚科二キビ専門クリニック医師の大島です。

先日の西日本豪雨では各地で大きな被害がありました。
私も当日は名古屋で仕事だったので新幹線が大幅に遅れたりと影響を受けたのですが、まさかここまで全国的に大きな被害が生じるとは思っていませんでした。
特に私の地元の広島では多数の犠牲者が出ました。
幸い私の実家は無事でしたが、今も沢山の方が避難生活を送っています。
元通りの生活を取り戻すまではかなりの時間がかかると思いますが、少しでも早く落ち着いた生活が出来るよう願っております。

ところでニキビで悩んでいても皮膚科に行くのは億劫だし、まずはドラッグストアやインターネットで販売している市販薬や化粧品を試してみようかな、という人もいると思います。

実際市販薬や化粧品を使ったけど治らなかったので当院を受診する方も多いです。

やはり定番はなんといってもプロアクティブですね!
ただし角質剥離作用のある成分が配合されているため、むしろ肌が荒れてしまう人も結構います。

特に乾燥肌の人には不向きです。

(ちなみに日本と海外では配合成分が違い、海外版プロアクティブにはベピオゲルと同じ過酸化ベンゾイルが配合されています)

ときどきオロナインを使っている方もいます。
確かに効能にニキビって書いてあります。

こちらは特に使っても問題は起こりくいですが、毒にも薬にもならないので・・・治りません。

このようにニキビ用の市販薬や化粧品は色んなメーカーが製造販売しており、効果があるかどうかは別にして、自分の肌に合ったものをきちんと注意しながら使えばそれほど問題ないと思います。

 

しかし、

 

テラ・コートリル、テメーはダメだ!



テラコートリルは抗生物質・副腎皮質ホルモン配合剤です。

副腎皮質ホルモン=ステロイドなので免疫を抑制する→細菌が繁殖しやすくなりニキビが悪化することになります。
抗生物質も配合されているので一応殺菌効果はありますが、オマケみたいなもんです。
つまり、ニキビには絶対使ってはダメなやつです。

百歩譲って湿疹に使用するのはまだマシです。

ですがステロイドにも様々なランク(=強さ)がありますし、症状や体の部位によっても使い分けます。
そもそも明らかな湿疹であれば抗生物質が配合されている意味も無いですし、中には帯状疱疹などの湿疹と間違えやすい、そしてステロイドで余計に悪化する疾患の可能性もあります。(時には皮膚科医でも判別が困難なこともあります)

 

つまりテラ・コートリルは素人が安易に手出しするような薬ではないということです。

少し話は逸れますが、似たような話で最近気になるのが時々CMで見かける、葛根湯と総合感冒薬の配合剤でダブルの効果!を謳ったカゼ薬です。

そもそも葛根湯は体温を上げる作用ですし、総合感冒薬に含まれる解熱剤は体温を下げる作用なので、配合すると効果が相殺します。
本来は感冒初期に葛根湯、発熱時や症状緩和に総合感冒薬とそれぞれの目的によって使い分けるべきなのです。

 

例えるならリンスインシャンプーみたいなもんです。

頭皮の洗浄力は中途半端、髪も結局ギシギシのまま。

一時流行しましたが、最近は見かけなくなったのには理由があるのです。

 

テラ・コートリルもいつか淘汰され、店頭から見かけなくなることを切に願います。

ニキビに限らず皮膚症状が出たら自己判断で市販薬を使用せず、必ず皮膚科を受診して正しい診断の上、適切な薬を処方してもらってください。

 

メディアージュ皮膚科二キビ専門クリニック医師 大島玄

 

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