こんにちは。メディアージュニキビ専門クリニック医師の河合です。

 

10月ももうすぐ終わりハロウィン

最近は連日のように雨が降ったりして個人的にはテンションも上がらない日々が続いていますが、皆様はいかがお過ごしでしょうか?

 

世の中的には毎日のように色々な事件や発見等がニュースとして流れていますが、そんな中医療の分野でも新しい研究発表がされました。

 

 

光を当ててがん細胞を破壊する新たながん治療法について、米ラッシュ大などが米国内で実施した最初の治験の結果がまとまり、頭頸(とうけい)部がんの患者8人中7人でがんが縮小したことが分かった。欧州臨床腫瘍学会で発表した。これらの結果を踏まえ、日本で2017年中の治験開始を目指す。

この治療法は、米国立衛生研究所(NIH)の小林久隆・主任研究員らが開発した。がん細胞だけが持つたんぱく質に結びつく性質がある「抗体」に、近赤外光を当てると化学反応を起こす化学物質を付けた薬剤を患者に注射する。その後、体外からや内視鏡を使って近赤外光を患部に当てると、薬剤が結びついたがん細胞の細胞膜が破壊される。

最初の治験は安全性確認が主な目的で、手術や放射線治療、抗がん剤などで治らなかった舌がん、咽頭(いんとう)がんなど頭頸部がん患者を対象とした。薬剤量を絞り、光も1回だけ当てる治療を実施した。

9人の患者が参加。途中でやめた1人を除く8人について1カ月間、経過観察した。その結果、3人はがんがなくなり、治療後1年以上たった現在も生存している。残りの4人はがんが小さくなり、1人はがんの大きさに変化がなく、1カ月半~半年後にいずれも亡くなった。治療自体による重い副作用はなかった。

日本での治験を準備しているアスピリアン・ジャパン社(東京都港区)によると、頭頸部がん患者を対象にした治験の年内開始を目指し、関係機関が調整を進めている。他の部位のがんについても、実施に向けた検討をしているという。

 

 

 

ここまで読んだ方で勘の良い方なら、ここで出てきた光治療なるものが、当院でニキビの根本治療として行っているPDTと酷似していることに気付いたかもしれません。

そうなんです。この記事の新たながん治療法というのもまさにPDTの一種なのです。

PDTとは日本語にすると光線力学的療法と呼ばれるもので、別にニキビだけの治療をする方法ではありません。

元々は身体の様々な部位の腫瘍組織を選択的に死滅させる治療法として研究されてきました。

皮膚科的にはニキビの治療だけではなく、表在性皮膚悪性腫瘍の日光角化症、Bowen病、表在型基底細胞癌の治療にはかなり効果的ですし、その他脂腺増殖症やサルコイドーシス、尋常性乾癬等の治療にも有効と言われています。

 

問題はニキビに対してのPDTと同様、日本では皮膚疾患に対しては保険診療として認可されていないため自費治療になってしまうというところですショボーン

ただ、このような研究がこれからも進めばいつか重症ニキビの治療にはPDTが第一選択という未来が来るかもしれませんね・・・

 

 

 

 

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