- スポーツジャーナリストで成功する法/小林 信也
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僕はスポーツジャーナリストを志望しているわけではないですが、たまたまこの本を手にして、食い入るように読んでしまった。
ライター、特にフリーランスは厳しい。
その上、スポーツライターとなると、ジャンルが水物だけに競争が激しい。
生活も厳しい。
物書きならば、たしかに安定を得られる仕事は選べば存在する。
それでもスポーツライターとして選手や監督、コーチを追いかけて伝えるのか。
新聞、特にスポーツ新聞はスポーツをドラマに喩える。
毎日新聞の以前のスポーツ面のタイトルは「スポーツ 人間ドラマ」だった、まさにスポーツ≒ドラマということを表すタイトルであった。
しかし、スポーツというのは月9に登場できるような華やかではない。
そこには勝ち負けという現実があるのみ。
一般の人々やメディアが伝えない隠されたもの、そこに核心をおいて伝える仕事人、それがスポーツライターだ。
スポーツライターは、雑草のような仕事だ、というのが僕がこれを読んで思った第一印象だ。
いや、そんなちんけな比喩表現で済まされる話ではないし、第一それを職業としている人に対して失礼にあたるかもしれないが、
自分を追い込んでこそ素晴らしい記事が書ける、というのはプロスポーツ選手にも通じることだ。
身分、選手との関係、報酬、すべてが微妙な立ち位置の中で、スポーツ界に切り込めるこの仕事は、その火を消してはならないだろう。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
この本の第九章に「挑戦者たちへの助言」として、スポーツライターを目指す人たちへのアドバイスを載せています。
いわゆる文章法のようなハウツー、というよりはちょっとした助言に近いですが、なかなか考えさせる言葉だったので引用してみます。
(1)熱が伝わる言葉、伝わらない言葉
(2)ドラマを描写しよう
(3)方向性はスポーツ表現の基本
(4)文章は半分以下にできる
(5)書くテーマにふさわしい抑制で
(6)取材対象とも距離感を大切に
(2)は結構大事だな、と思いました。
事実を臨場感を持って伝えることが本質ですが、それをインパクトを持って伝えるのは、やはりドラマなのです。
本や記事を読んで、読者に想像をつかせたらその時点で勝利そのもの。
この感覚が大事だと思ったのは、とあるスポーツノンフィクションを読んだ時のことです。
- ピンポンさん/城島 充
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これは萩村伊知朗という元卓球世界チャンピオンの話なのですが、
城島氏が描く、萩村氏が卓球に打ち込む風景に酔いしれたのです。
僕はこの本を読んでいるとき、いつのまにか古めかしい卓球場にいました。
カーン、キュッ、キュッ、カーン…
狭いコートを駆け巡って相手コートへ打ち込む若き萩原氏。
僕は彼の生きざまの目撃者となっているようでした。
この感覚を読者に与えれば究極的なもの。
まさにテレビで観るドラマが体現されたわけです。
この感覚で書けるようになるまでは、とにかく書いていかないといかんですねぇ。。ライターへの道は厳しい…
かといって、むやみに感情的に、ナルシストのような書き手になってもいけない。それが(3)と(5)。
思うままに書いても、読者にとっては意味不明であるケースがある。
ドラマとはいえ、実は最も伝えたいことを1つに集約して、それに向けて組み立てているものです。
のめり込むように、かつ冷静に、矛盾した書き方ですが、それを目指して精進していくしかないですね。
ブログももう少しまともな文章にしたいなぁ、うむ。