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週刊東洋経済では、春に「新聞・テレビ 断末魔」と題して特集がされましたが、それから経つまもなく、今度はiPadなどの電子書籍やそのプラットフォームに関連してメディアビジネスが特集されています。
ちなみに、春に出たのはこちら↓
- 週刊 東洋経済 2010年 2/20号 [雑誌]/著者不明
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「新聞・テレビ 断末魔」では、広告収入や購読者数の激減による、新聞社やテレビ局の実態の悲惨さとともに、番組制作会社のコストカットによる重い負担について取り上げられていました。
ある意味経営的な立場から取り上げられていましたが、
今週の号は、どちらかというとデジタルコンテンツに関する各社の戦略について取り上げられていました。
この記事では、新聞についての取り上げられていた記事についての軽いまとめと考えを述べてみたいと思います。
デジタルコンテンツにかける新聞社の思いは強いです。
各社の最近のデジタル戦略と動きについてまとめてみました(原則として記事の中の掲載順)
毎日新聞・西日本新聞・スポーツニッポン・・・iPad向けサービス「ビューン」にニュース配信。しかしうまくいっても収入は100万円程度でメインビジネスにはなりづらい
日本経済新聞・・・3月から日本経済新聞電子版を創刊。会員数は伸びるも、電子版のみ会員になって紙の購読をやめる購読者が増えた。また、日経テレコン21でプラットフォームを拡大
産経新聞・・・PC、iPad、iPhone向けに産経新聞紙面を配信するサービスを開始。PCは月315円、iPhoneは無料、iPadは1500円という料金形態の振れ幅の大きさが気になる
毎日新聞・・・毎日jpでよく読まれた記事をピックアップして、Twitterでの反応とともに掲載する毎日RTを首都圏をターゲットに創刊
読売新聞・・・宅配強化に重点。ネットでは医療情報サービス「ヨミドクター」を一部有料化
朝日新聞・・・ウェブ新書「エーススタンド」を有料販売。さらに、言論サイト「ウェブロンザ」を開設し、有料コーナーで課金
読売は紙に影響しない程度のデジタル戦略を徹底していますが、
その他の新聞はデジタルで本格的に経営をなんとかしよう、という戦略を立てています。
日経は、本格的に紙を捨てる、という覚悟ができているのでしょう。料金体系として、紙とウェブがセットだとお得、という感を出していますが、
実際読むとなると紙よりも明らかに電子版が使いやすい。
記事配信だけでなく紙面ビューアが特に中年層に人気だそうです。
やはり経済紙だとウェブでもこのモデルで食べていけそうな気がします。
一方、一般紙だとまだまだ難しいところで、
日経のように「経済情報があるから社会人や投資家には必須」というようなニーズの必然性がないところがネックになります。
読売の戦略はアナログな気がしますが、下手に赤字路線を出すよりも無難な戦略なのかなぁ、という気がしま
す。
産経は正直言って自殺行為としか思えない、iPhoneへの無料配信。ウェブファースト、ビューアの格安配信に加えて、新聞は最安値。これでよく経営が持っているな、と逆に関心します。フジテレビに飲み込まれるのも時間の問題な気がします。
毎日新聞は、疑問符ばかりつくデジタル戦略。ネットニュース配信の多さは産経以上ですが、これは収益として微々たるもの。
毎日RTを創刊したものの、デジタルに慣れ親しんでいるツイッターユーザーからは「なぜ改めて紙なのだ」という疑問の声も挙がっています。
月1回発行にして、1つのテーマでその意見のつぶやきを時系列に並べて、事の経緯とその反応を示す、というのならばまだわかりますが、
週6回も出して、しかも紙にして、果たして売れるのでしょうか。
僕も1度購入しましたが、
記事の中身が薄くて、これで100円ならば産経新聞やサンケイエクスプレスを買ったほうがマシだな(ツイッターの反応なんてツイッター上で調べれば十分)、という気がしました。
朝日は、勝負の有料配信。
ウェブ新書は、媒体の問題もあります。
PC閲覧のとどまらず、スマートフォンや電子書籍へ柔軟に対応していくことで、まずは読者を獲得することが求められるでしょう。
その中で、多く読まれている新書を紙にして改めて出版する、というように競争原理を働かせてみても面白いです。
一方、ウェブロンザは序盤から苦しい展開でしょう。
ライブドアが言論ブログ「アゴラ」を立ち上げていて、多くの著名人が参加しています。
そこに有料の朝日新聞が参入して、太刀打ちできるかというと、ネットユーザーの信頼を多く獲得している論者の多いライブドアが有利なのではないか、という気がします。
また、執筆者の原稿料に対してもイザコザがあるようです。
佐々木俊尚氏によると、執筆は1本1万円で、月の上限が2万円とのこと。
これでは積極的に論ずるインセンティブを失うのではないのでしょうか。
プラットフォームというのは、そこにユーザーが集まれば勝ったも同然なのですが、
それをつくるまでがなかなか大変です。
一般紙は特に、何かしらのブランドというものをひきつけないと、特にネットでは勝ち残れないと思います。
僕としては、一日でも早くこの現場に立ちたいところですが、ステップとしてはまず記者を踏まなければならない、ということが頭でわかっていても何かもどかしいものを感じています。
