OECDのインターンが始まって、3日目になりました。昨日から、私の所属する貿易局、さらに環境局が合同でTrade and Environmentというトピックに関するワークショップを開催しています。OECDに常駐する加盟各国政府の代表者、NGOらが参加して、様々なテーマが議論されています。
このワークショップでは、主に世界で締結されている自由貿易協定(FTA)あるいは経済連携協定(EPA)において、環境というテーマをどのように定義して、それがどのように実施されているのか、議論されてきました。本日、最も議論になったのは、“地域自由貿易協定(RTA)は、Green Growthを促進するか”、という問いです。ECLAC(国連ラテンアメリカ・カリブ経済委員会)のスピーカーは、単純に貿易は輸送を増やすから(=温室効果ガスの排出を増やすから)、Green Growthに貢献しない、とコメントしていました。その他、WTOのドーハラウンドは環境分野を含んでいるが、ここでは各国の通商担当が交渉しており、彼らは各国の環境省とは異なるスタンスを取っていることも指摘されていました。さらにWTOでの議論と二国間、複数国間のFTA/EPAは並行して発展してゆき、上手く使い分けることも考えるべきでは、等など、色々な意見がでました。私は意見を言う立場にはありませんが、次のように思いました。
1. 今回のワークショップで取り上げられた地域貿易協定(RTA)のほぼすべてが市場アクセス以外の分野を含めた、より包括的な内容である協定である(日本で“経済連携協定(EPA)”と呼ぶ形式のもの)。これを明確に認識すべきではないか。
2. これらはFree Tradeを求める協定ではなく、経済連携を通じて、締結国同士の経済関係をより深いレベルにするための包括的な協定である。
3. この点を踏まえると、RTAはEnvironment and Tradeと言われるトピックの“Trade”のレベルは超えているのではないか。
4. またRTAが経済連携を深める、より包括的な協定であるならば、貿易に限らず、様々なツールを使って、Green Growthに貢献することがより可能になるのではないか。例えば、環境分野の人材育成に協力することなど。
今回のワークショップのスピーカー、チェアマンは、非常に詳しい専門家の方達ばかりでした。おもしろいことに、多くがFTA/EPA交渉担当官であることです。FTA/EPAに精通している方々が、環境というテーマについて、今後どのような発展が考えられるのか、議論していたことです。日本のことを批判するつまりは全くありませんが、日本では、ここまで通商関係者の間で環境のテーマが広まっていないような印象を受けました。従って、このような顔ぶれは非常に新鮮でした。特にニュージーランド、カナダ、チリ、米国、ペルーのスピーカーは、各国とのFTA交渉の経験を持ち、環境分野にも見識の深い方々でした。そして、中でもニュージーランドのスピーカーは、Tradeの世界では有名な人物だそうで、今回のワークショップの盛り上げ役でした。余談ですが、この方は英語、スペイン語、フランス語、ロシア語、ギリシア語を話し、米国(ハーバード)とロシアで修士号をとったそうです。こういう人に会えるのが、インターンの楽しみでもあります。日本からは東京大学の山口光常先生が参加されており、チェアマンとして手際良くスピーカーの方々をさばいていらっしゃいました。