すっかりブログの更新を怠ってしまったが、今年最初の記事は歴史の重要性について書きたい。
「それでも、日本人は「戦争」を選んだ」(加藤陽子著、朝日出版社)は、日清戦争(1894-1895年)から太平洋戦争(1941-1945年)における日本の政治、外交を解説している、とてもおもしろい本であった。これまで高校の日本史、世界史では勉強しなかった内容や、見方がたくさんでている。様々な書物や研究者の引用を積み上げて解説されているため、筆者自身の見方だけではなく、より複眼的な視点で各時代が描かれている。正直なところ、私はこれまで日本史にはあまり関心を持っていなかったが、この本は、私のような人間でも興味深く読める本である。
この本を読もうと思ったことには、きっかけがある。昨年、韓国人の同級生と夜ご飯を食べに行ったことがある。彼が、日本の韓国に対する歴史問題について話出したのである。「日本が第2次世界大戦中に行ったことを、知っているのか?」「ドイツのナチスがユダヤ人に対して行ったことと同じことを、日本は韓国人に行った。これについて、知っているのか?」という質問があったのだ。この質問に関して、どのように答えたら良いものか、私は正直困ってしまった。その場では、わからないという回答はできなかったが、それ以来、日本、韓国、中国の近現代史について、気になっていた。東京大学文学部教授である加藤先生の本は、私の気になっていたことを解決するのに、大きな足掛かりとなった。とはいえ、本1冊を読んだところで、歴史に対する知識が十分に深まったとは言えない。現在の日本に至った過去の歴史、経緯は、これからも勉強したいと思った。
他方、「歴史」の重要性について、偶然耳にする機会が重なった。1人は国際協力機構(JICA)の理事長を務めている緒方貞子さん、そしてもう1人は外交問題評議会(CFR)のVisitingフェローを務めているバーガーソン氏である(CFRは、日本ではForeign Affairs(フォーリン・アフェアーズ)という雑誌を刊行していることで知られているかもしれない)。緒方さんが博士を取得したカリフォルニア大学のテレビ番組
に出演した時、歴史を知っていることが、自分の仕事を続けている上で大きな糧になると話しておられた。また、先日NYにある外交問題評議会(CFR)を訪ねた時、私の学校の卒業生であるバーガーソンさんから話を聞く機会があったのですが、その際にも、まず学生にとって重要なことは歴史を知ることだと指摘されていた。しかしながら歴史を知っている人は多くないとのこと。
歴史を知ることは、自分を含めた将来の方向性、物事に対する見方、perspectiveを養う上で、重要だと私自身も実感している。大学院は、専門的な知識を詰め込むことに傾きがちであるが、歴史のように大局的な物の見方を養うことにも時間を費やしたいと思った。