『横浜リボン』-3 | メドさんのマニアックな日々

『横浜リボン』-3

◆第7試合 ペンタゴンリボン イリミネーションマッチ 20分勝負
○新田 猫子 (5:33 カサドーニャ) ×成宮 真希


退場順
4人 (OTR)×さくら えみ
○成宮 真希 (要返し) ×内藤 メアリ
○成宮 真希 (断崖式ギロチンドロップ) ×長野 ドラミ


5人なのでスタート時にどうなるかと思ったら、最後に登場した猫子が鈴 (?)をリングに投げ入れ、それを取った

さくらが中央で、その周囲を4人が取り囲む形となりゴング。
予想通り、4人がさくらを襲撃。
コーナーに叩き付けると、猫子のドロップキック,メアリのエルボー,成宮のローリングチョップ,ドラミのボディ

アタックとトレイン攻撃。
逆襲に出るさくらですが、多勢に無勢で再度捕まりトレイン攻撃を食います。
4人で「同期4人組」のポーズを決めた後、さくらがクロスボディを狙いますが4人で抱えると、そのまま

持ち上げてトップロープ越しに場外へ落とし、さくら退場。


*セコンド不在で、マットも半分しか無い所へ落としたらしく、さくらが大きなダメージを受けていました。
「日頃の恨み」は有ったかもしれませんが、アクシデントにもつながりかねない危険さでした。


4人になると、まずドラミがプロレス教室出身の3人「Nキューブ」に捕まり、メアリのネックブリーカーから成宮の

ギロチン,猫子のセントーン (ニャントーン?)を食いますが、カウントはツー。
メアリは、猫子,成宮にもネックブリーカーを決めますが、成宮が脳天チョップで反撃。
猫子のニャントーンから成宮の要返しでフォールされ、二人目の退場となりました。
ドラミが二人をタックルで倒してボディプレス。
更にコーナーに詰めてドラドラアタックを決めますが、成宮がキックで反撃。
猫子のドロップキックから、コーナー上の成宮が断崖式ギロチンドロップを決めてドラミを退場させます。
二人抜きを見せた成宮に対し猫子が丸め込みを仕掛け、最後はカサドーニャでスリーカウントを奪い

勝利しました。


さくらが短時間で退場し、後は新人4人が残りましたが、成宮の勢いと猫子の上手さが光りました。
とは言え、各自の良さが発揮出来る試合形式では有りませんので、顔見世的になるのは仕方ないところです。


◆第8試合 トーナメント決勝戦 インターナショナルリボンタッグ選手権試合 時間無制限1本勝負
豊田 真奈美 (フリー) & ×つくし (11:03 ホルモンスプラッシュ→片エビ固め)

○DASH・チサコ & 仙台 幸子 (共にセンダイガールズ)


決勝に上がったアイス選手はつくしだけで、この2チームによってアイス純血チームは総て敗れ去りました。


リングアナがリングに上がってコールしましたが、前述のミスで豊田やチサコに突っ込まれ、無難にコールを

終えると観客から拍手が起こりました。


奇襲を掛けたのは十文字で、豊田を場外に落とすとつくしにダブルドロップキック。
その後もグラウンドから、チサコのドロップキック,幸子のブレーンバスター2連発とつくしを捕えます。
コルバタで幸子を投げたつくしがタッチしようとしますが、チサコがカット。
合体クローズラインを狙いますが、そこへ上手くタッチした豊田が二人にミサイルキック。
豊田は幸子にミサイルキックからムーンサルト。
つくしが張付け式ドロップキックを放ち、飛び込んできたチサコも捕えると二人同時の鎌固め。
豊田が幸子をキャメルクラッチに捕えると、その顔面につくしがドロップキック。
この一撃で口の中を切った幸子ですがDDTを返し、チサコに交代。
チサコのドロップキックに対し、つくしは丸め込みの連発。
豊田の二人でブレーンバスターを決めますが、チサコも二人にドロップキック。
豊田がクロスボディでチサコを倒し、つくしとダブルミサイルキック。
豊田はつくしを肩の上に乗せると、ファンタスティックフリップ。
つくしはチサコにドロップキック5連発から、ミサイルキック。
変形弓矢固めも極めますが、タイガースープレックスは失敗。
ハルカゼ狙いも失敗しますが、チサコに張り手を連発して2度目のトライで成功もカウントはツー。
飛び込んだ幸子がエルボーでつくしを倒し、チサコの不知火から幸子がスイングDDT。
幸子が豊田にジャーマンを決めて足止めし、チサコがホルモンスプラッシュでつくしからスリーカウントを奪い、

トーナメント優勝を飾ると共に、第二十代のリボンタッグ王者となりました。


*共に激闘を二試合勝ち上がっての試合で、中でも動き回って攻撃も多く受けていたつくしと幸子のダメージは

試合前から大きかったです。
その中優勝に賭けた十文字が、ここまで比較的ダメージの少なかったチサコが前面に出て闘ったのに対し、

母娘はあくまでつくしを前面に出した結果が勝敗につながったと思います。
この厳しい中で全力を出し切った事は、つくしに取って貴重な体験になり、更に成長を見せてくれる事と

思います。
一方、ベルトを巻いた十文字姉妹の嬉しそうな様子が予想以上で、少し驚きました。
姉妹でタッグタイトルを獲ったのは初めての筈ですのでそれも一因でしょうが、それだけこのタイトルに全力で

来てくれた事には感謝の気持ちも有ります。
アウェイで声援も少ない中、激しい闘いを勝ち上がった姿に、私は大きな拍手を送りました。


試合後マイクを取ったチサコは「アイスリボンのタッグベルト、獲っちゃいました。
10月27日後楽園大会のトーナメントに向けて、自分達も負けられなかった。
準備万端で掛かって来い!」


二人が退場した後マイクを取ったつくしは涙ながらに「悔しい・・・ 豊田さん、もう一度組んで狙いたいです。

お願いします」
しかし豊田は「私は、今見たいタッグチームが有る。藤本とつくしで組んで挑戦しろ。」
これに対し、リングに上がったつっかとつくしは揃って「嫌です」
そのまま二人が小競り合いを始めると、さくらがリングに上がり二人に張り手。
二人に「組みなさい」と言うと、二人はさくらをロープに振り綺麗なダブルドロップキック。
それを見た豊田が再度「組みなさい」と言うと、二人はやはり拒否して小競り合いに。
再びさくらがリングに上がりますが、同じ様に二人はダブルドロップキック。
ここで豊田が二人を強引に握手させ、さくらが「初防衛戦の相手は、この二人に決定」
つっかとつくしもきちんと握手を交わし、タイトル挑戦が決定しました。


*現在のアイスでは最強と言える二人のタッグチームでの挑戦となりましたが、個人的にはこのチームは

二人のファイトスタイルが似過ぎていて、あまり好きでは有りません。
らぶりーぶっちゃーずもそうなのですが、二人のスタイルが似ているとコンビネーションが作り易く成長は

早いですが、壁にぶつかるのも早く、打ち破るのに苦労するという印象が有ります。
つっかがタッグ巧者ですので、きちんとつくしをコントロールして上手く二人の役割分担が出来れば面白いの

ですが、お互いが我を通すと1+1が2にしかならない怖さも感じます。


最後に選手が円陣を組み、つくしの音頭で『「プロレスでハッピー!」と言ったら「アイスリボン!」と言って下さい』となると

ころだったのですが、つくしに悔しさが甦ったのか何度も『「アイスリボン」と言ったら』と間違え、遂にその場に突っ伏して泣

き出してしまいました。
それを見た豊田が「つくし、一回負けたくらいで泣くな。今日は私が〆ます」とマイクを取り「プロレスで

ハッピー!」「アイスリボン!」で〆ましたが、考えてみればこれもなかなか凄い場面でした。


◆その他


アンケートは有りませんでしたが、ベストバウトは文句無しに第五試合。
良かった選手は、アイス内ではつくしですが、それに拘らなければ幸子を上げます。


さくらがツイッターで印象に残った場面を訊いていたのですが、私が書いたのは試合終了後の売店での

つくしです。
激闘3試合を戦い抜いて、疲れ切っていて、体中が傷だらけで精神的にも悔しさで一杯の筈なのに、観客には

にこやかに対応していました。
また休憩時間には、くるみが顔に受けたドロップキックで足跡を残したまま、痛そうな顔をしながらもしっかりと

売店に立っていました。
こういう場面を見ているだけで、何か嬉しくなってしまいます。


逆に悪い方で印象に残ってしまったのがリングアナで、コールミスの件を第六試合の所で書きましたが、

その他にも数点ミスが有りました。
それを別にしても、聞き取り易いアナウンスでは有りませんでしたし、こうやって話題になるだけでもリングアナと

しては失格です。
どういう経緯で採用されたリングアナか分かりませんが、興行の大きな役割を果たす人間だけに選ぶ側も

選ばれる側も大事に考えてほしいです。


◆感想
 
全8試合とボリュームも有り、それぞれの試合内容も充実した今年の中ではトップクラスの大会でした。
タッグタイトルは残念ながら他団体へ流出してしまいましたが、それを奪い返すという明確な目標がアイス

選手に生まれたのは悪い事では有りません。
新チャンピオンとなった十文字姉妹は、姉妹での初タイトルで愛着も持っていそうですし、個々の力もコンビ

ネーションも有る強敵ですが、決してアイス選手が勝てない相手だとは思いません。
本文でも書きましたがドロップキッカーズの挑戦を期に、タッグチームを再編成して、もしドロップキッカーズが

奪回に失敗しても二の矢,三の矢を送り込める態勢を作り、団体内を活性化してほしいです。