The court of the Crimson King / King Crimson
ロックアルバム紹介シリーズは今回からKing Crimsonで、まずはデビューアルバムの
"The court of the Crimson King=クリムゾンキングの宮殿" を。
A-1 21st century schizoid man
A-2 I talk to the wind
A-3 Epitaph
B-1 Moonchild
B-2 The court of the Crimson King
「無名バンドの1stアルバムが、あのアビー・ロードを一位から落とした」という売り文句と、あまりにインパクトの
有るジャケットでお馴染みです。
メンバーは
ロバート・フリップ:ギター
イアン・マクドナルド:キーボード,メロトロン,管楽器他
グレッグ・レイク:ベース,ヴォーカル
マイケル・ジャイルス:ドラム
ピート・シンフィールド:歌詞他
原型となったバンドは「ジャイルス,ジャイルス&フリップ」で、本来ロバートはグレッグをヴォーカルのみで
考えていたのですが、ベーシストのピーター・ジャイルスが一身上の理由でレコーディングに参加出来ず、
グレッグにベースも任せた様です。
全体的には曲作りも含め、ロバートよりもイアンがメインになっている印象も有ります。
A-1は彼等のテーマソングとも言うべきナンバーで、音と歌詞で「狂気」を見事に描いています。
本来ソフトなグレッグのヴォーカルを歪ませる事でも迫力を高めています。
40年近く経った今でもその迫力は衰えておらず、カバーも有りますがそのどれよりも圧倒的迫力を持って
います。
ロック史上に残る名曲の一曲では無いでしょうか。
邦題は「21世紀の精神異常者」の方が、今でもしっくりきます。
A-2は一転イアンのフルートが印象的な、アコースティックな雰囲気の優しい曲調のバラード曲。
A-3もバラードですが、こちらはメロトロンを効果的に使ったスケールの大きさを感じさせるナンバーで、
「人間の哀しみ」を表していると感じます。ロック・バラードの名曲として、歴史に残る曲だと思います。
グレッグも気に入っているのか、後年のELPのコンサートでもこの曲の一節を歌っていました。
ちなみにEpitaphとは「墓銘碑」の意味です。
A-4は後期Crimsonにも通じるフリー・フォームな部分を多く持った曲ですが、ちょっと長過ぎて冗長になった
かも。
A-5は彼等の総ての要素を併せ持った壮大なスケールのナンバーです。クリムゾンの魅力を一曲で紹介する
なら、これがベストかもしれません。
と言っても、これをシングルカット(Part-1と2)するのはどうかと思いますが。
実質4人のメンバーと '69年 (40年前!)という時期を考えると、歌詞,演奏,曲構成,アルバム構成等々
信じられない位完成度の高いアルバムです。
このアルバムから「ブリティッシュ・プログレッシブ・ロック」が始まったと言っても良いのではないでしょうか。
当時のプログレ・ファンのマストアイテムの一枚でした。
ちなみに最初に書いたアビーロードうんぬんに関しては、そういう事実は無いという説が一般的になっています。(笑)