海外のクマ対策

 

 

 

   今日は昨晩雨が降ったせいか、まだ地面が濡れて空もどんよりとしたお天気です。午後になって日差しも射してきましたが、やはり空気は冷たくて12月らしい寒さになってきました。
   ベランダ菜園で育てているブロッコリーの成長が遅れ気味で心配していましたが、ようやく頂花蕾がついてきたので一安心です。来年の収穫を楽しみにしながら見守っていきたいと思います。

 


   散歩道にはピンクの菊が綺麗に咲いていました。花の少ない時期に明るい色の花が楽しめるのは嬉しいです。

 バンジーの黄色い花も植えつけられいて、花の少ない時期に明るい気持ちになります。

 

 

   
●クマ被害海外でも。
   カナダでは生活圏に現れるグリズリーという大きな熊がいます。
   10月、モンタナ州でクマ対策会議が開かれ、20の国・地域から300人以上の専門家らがクマ対策を話し合いました。
   
   世界には8種類のクマがいますが、近年インドでは「ナマケグマ」に人が襲われるケースが増加しています。
   また、イタリアでは事実上絶滅したヒグマを1990年代初頭、隣国から10頭のヒグマを連れてきましたが、それから想定の10倍以上の120頭に増加しました。
   
   会議に日本から参加した大西勝博さんは、東京の民間企業でクマや鹿の捕獲作業にかかわっています。
「人身被害の防止と住民の安全確保に最優先で取り組まなければならない」

   日本でクマが多く出ている現状を報告した大西さん。
「北海道ではモンタナの4分の1ほどの面積に、推計で1万2000頭のヒグマが生息している」と報告するとその生息密度の高さには参加者から驚きの声が上がりました。

   ワイオミング州の専門家は
「日本で起きていることはとにかく数字が桁外れだ」

   世界の専門家との対話で話題に上がったのがクマ対策の仕組みです。
   ワイオミング州では「事故があったときに誰が対応するのかアメリカと全く違う」と言います。

●日本のクマ駆除
   日本では猟友会などの民間ハンターが担い、多くが自ら猟銃免許を取得し、本業を別に抱えています。
   クマが出没した際には、自治体の求めに応じて駆除を行います。報酬は1頭あたり数千~数万円です。高齢化や担い手不足が課題です。
   
●米国は専従
   一方、野生動物管理の先進国といわれるアメリカでは仕組みが違います。
   ジャスティン・ヴァレリエールさんはベア・スペシャリストというモンタナ州政府の職員です。ベア・スペシャリストは日本の民間ハンターと異なり、公務として被害の予防・捕獲・緊急時の駆除を担当し、毎月給与が払われます。
   
「年に1度、銃の認証を受け、射撃訓練も数多く行っています」
   電話番号はネットで公開。住民から直接連絡を受ける現場にかけつけます。
   
「クマにはスケジュールがないので私にもない」と言います。
   この日の通報は地元のレストランからで、店の外で保管していた廃油の缶がグリズリーに荒らされたのです。
   
「クマは人の生活圏で食べ物を見つけると、繰り返し訪れる習性がある。生活圏出没の初期段階に電気柵や電気マットを使い痛みを覚えさせることが被害を広げない鍵です。

●住民への啓発
   ヴァレリエールさんが重視しているのは住民への啓発です。
   昨年移り住んだ男性はクマが自宅近くに現れ、家畜が襲われました。
   
   クマの行動はエスカレートし、建物の中を伺うような仕種もしています。
   とくにヴァレリエールさんが注目したのはゴミが荒らされていたことです。そこで、生ゴミの管理徹底を指導し、電気柵を設置した結果、被害は激減しました。
   
   ヴァレリエールさんは「私の仕事の9割は“人の管理”とも言えます。クマは単純。人間が問題」
   
   アメリカのクマ対策を経験した大西勝博さんは
「専門家が日本では数少ない。地域ごとに専門家を配備することがまず大事」と指摘します。

●海外の知見生かした対策
   今の日本の状況はアメリカの専門家が見ても驚きという事でしたけれど、常駐でしかも専門的なスペシャリストがいるというのは安心感につながります。
   日本でも一部の地域でガバメントハンターの活用が検討されていますが、こうした海外の知見も生かして体制の構築を急いでもらいたいと思います。