暖かな2月?

 

 

 

   2月は一年で一番寒い月と、例年は身構えるのですが、今年は拍子抜けするくらい、春のような暖かさで始まりました。
   ですが、今日は日射しがなく8度とまた寒くなり、週明けには雪予報も。
   全体的に暖かいとはいえ、寒暖差の激しい月になりそうです。体調管理には気をつけていきたいです。
   
   能登半島地震から1ヶ月。
   甚大な被害がありましたが、その全容は未だ不明。インフラの整備も遅れ、厳冬のなかで、今も多くの方が不自由な避難生活をされています。復旧作業にあたる方々もご苦労が多いと思います。
   被災された方々が、1日も早く平穏な日常が取り戻せるよう願います。
   
●手袋
   今年は暖かかったので、あまり手袋を使う機会がありませんでした。
   手袋というと、相方のことを思い出します。
   
   冬、散歩に出た時
「今日は寒いから手袋はいた方がいいぞ」
「えっ! はく?」
   初めて聞いたときは、びっくり。理由を訊いても、
「俺は小さい時から、手袋は『はく』だったぞ」

   北海道は寒いから、手袋が当たり前で、靴と同じように「はく」なのだ、と私なりに勝手に解釈していました。
   でも、相方がその言い方をする度に、何だか可笑しくて笑っていました。
   
   その理由(らしきこと)が、最近のウェザーニュースでわかりました。
   
   まず、手袋を装着する時の呼び方をアンケート調査したところ(2022年実施)
    する   50%
    はめる  29%
    つける  14%
    はく    7%
    
   靴のイメージである「はく」は、全体では7%と少数派です。ところが、これを都道府県別に見てみると、
    北海道   74%
    青森    63%
    徳島    40%
    香川    39%
    
   北海道や青森で「はく」が圧倒的に高くなっています。一方、温暖な地域の徳島や香川もそれなりの比率です。
   
   なぜなのでしょう? その理由を香川県の手袋製造の老舗店主の方が考察していました。
   
●手靴
   今のグローブのような形の手袋が日本に入ってきたのは江戸時代の1640年頃。
   本格的に作られるようになったのは、明治時代だそうです。
   
   それまでは、防寒よりも、職人さんが機械に袖を巻き込んだり、刃物で切創事故を起こしたりするのを予防することが主な目的だったようです。剣道の『籠手(こて)』も同様です。
   
   実は香川は手袋生産発祥の地。現在でも、日本で製造される手袋の9割のシェアを握っている手袋生産県です。
   
   初めてのグローブの日本語訳は、当時舶来の高級品とされた靴にちなみ、『手靴(てぐつ)』からつけたとされています。


   靴なので、使う時は同じように『はく』と呼びました。
   その手靴の言い方が手袋に変わった後でも、香川では『はく』が方言のような形で残ったのではないかとの考察です。
   
●香川から北海道へ
   明治以降の開拓時代。
   香川から青森で集合したのち、北海道へ渡った人が多かったようです。
   
   香川からの開拓者が使った『手袋をはく』という言い方が、手袋の広がりとともに北海道や青森などの人たちにも定着したのかもしれないとの事です。
   
   「はく」は寒い地方独特の言い方だと思っていましたが、意外な所から意外な理由で、伝わっていた事がわかり、驚きでした。
   相方の言い回し。不思議だと思っていましたが、その理由が、今になってわかり、新たな発見をしたようです。
   
   みなさんの地域では、何と言いますか?