成長し続ける

 

 

   「人間は成長し続けなきゃなぁ」
   相方が、よく口にしていた言葉です。
   
   さらに、成長しようとしても、なかなか出来ない、人間が陥りやすい状況についても、話してくれました。
   
●組織はウソをつく
   組織は、会社や行政、宗教など、官民あらゆる所に、存在します。
   みんなで協力して、物事を前に進め、社会活動を維持・促進するために、必要なものです。ですが、組織が巨大化してくると、弊害も起こります。
   
   その事について、
「組織のトップは嘘をつくのを生業としている。
やっかいなのは、嘘をつくことが国のためだ、組織のためだと疑わない事だ。更にやっかいなことに、それが正義だと信じていること。
だから、国民を裏切ろうが、国民を殺そうが平気なんだ。」

   大げさな言い様ですが、組織がそこに属する人間よりも、組織の規模拡大を目的にすると、こういう事になります。
   
   昨年、問題となった宗教法人も、個人を幸せにするよりも、組織の勢力拡大を目指したために、多くの人の人生を狂わせてしまいました。もちろん、個人の成長や自立など、微塵も考えていないでしょう。
   
   また、近年、ニュースになる会社の不正や疑惑も同様です。
   組織の利益追求が第一となり、小さなウソや不正を積み重ねた結果、あってはならない不祥事となっています。そこには、個人が生き甲斐を持って、働く姿はありません。
   
●権力
   相方は権力とか、偉そうにしている人が大嫌いでした。
   そこに取り込まれたら、成長なんて出来ないと考えたからです。
   
   権力者に仕えるという事は、権力に媚びへつらうことになります。
   
   権力者になると、やはりその権力の維持や拡大を図ろうとします。その結果、個人は蔑ろにされがちです。
   
   今、世界で起こっている戦争や貧富の差は、権力争いの結果、生まれた悲劇と言えるでしょう。
   生きている一人一人の人間の命を大切にするという発想がありません。
   
●謙虚に
   成長しようと頑張っても、少し分かると天狗になったり、「これでいい」と思ったりしてはいけない。そう思った瞬間に、成長が止まると言っていました。
   
   「心の師とはなるとも、心を師とせざれ」
   わかりにくいですが、仏教用語です。
   
   人間は揺れ動く弱い心を持っている。常に正しいとは限らないのに、そんな「自分の心を師」としたら、その感情に囚われて正しい行動が出来なくなる。
   自分のなかの良心を師として、客観的に考え、冷静に判断すること。
   
「これ、忘れるなよ。
自分の能力に溺れて、自分は天才なんだ、神様なんだ、などと自分が傲慢になる事。
自分より優れた奴は、この世にいない、とか、自分は神様だとか言う奴いるよね。
でも、あくまでも、謙虚でなければならない。
傲慢な姿勢からは、成長は生まれないだろ」

   日々、成長し続けることが、自分がこの世に生まれ、今生きている意味であり、それが幸せなことだと、言い続けていきました。
   
   現状で満足していないか、狭い視野で考えていないか、感情で判断していないか、相方の言葉が、常に問いかけています。
   日々、反省する事が多いですが、何とか頑張って、成長する道を歩いていきたいと思います。