チャットGPT

 

 

   この話題が、新聞やニュースで連日取り上げられ、特集が組まれるほどだ。
   このチャットGPTは、私たちの暮らしにどのような影響を与えるのだろうか?
   
●何でも即答
   チャットGPTは、マイクロソフトが出資する米オープンAIの「対話型AI」のサービスだ。昨年秋に一般公開されて以降、利用者が急増している。
   
   質問を入力すると、人間との会話のように自然な回答を返してくる。
   しかも、その回答にかかる時間は数秒。
   
   研究の最先端分野からファッションや、人生相談まで、どんな質問でも、とにかく回答する。
   また、入力した文章の添削や翻訳、修正や要約もしてくれる。
   
   その圧倒的なスピードと、分野を問わないオールマイティーな「知識」の幅に、多くの人が関心を抱き、急速に利用が進んでいる。
   
●大学
   各大学では、その利用方法について、悩みながら、模索中だ。
   
   今まで学生に課してきたリポートや課題に、AIはほとんど満点で答えられる。
   リポートも学生が提出したものとAIが作成したものとの判別が、現段階では出来ない。そのため、各大学とも、今のところ、リポートに関しては使用を認めない方向だ。
   
   一方で、チャットGPTの使用禁止ではなく、活用を期待する声もある。
   とくに情報の収集や整理など、従来、膨大な時間がかかった調べ物の時間が短縮でき、より深い学びができる可能性がある。
   
   「これからは『何を学んだか』ではなく、『いかに学んだか』が問われる」と専門家。

 

  信州大学・学長の言葉が、言い得て妙だ。

「簡単に得たものは、またたく間に失われる」

   
●就職活動
   チャットGPTは学生の就職活動にも影響を与えている。
   
   チャットGPTを活用して、エントリーシートに書く志望動機などのたたき台の作成や添削をしてくれる新たなサービスを開始した会社がある。
   「自分にはない視点からのアドバイスがもらえた」など、学生の反応も良く、登録者が増えている。
   
   一方、採用企業側にもチャットGPTを使用する動きがある。
   エントリーシート添削などを自動化して、業務を大幅に省力化できるという。
   
   実際、学生とAI、どちらが書いたのか見抜くのは難しいので、最終的には面接などの対面で採用担当者が、AIで表現できない部分を確認して、「人物」を見極めていく必要があるとの事だ。
   
●国会、自治体
   民間企業では、すでにかなりの企業が、チャットGPTを活用しているという。
   
   政府も、西村経済担当相が、国会答弁でのチャットGPT検討を提案。
   自治体でも、横須賀市が4月から試験的導入を開始。
   
   他の自治体でも、業務の効率化やアイディアのたたき台として、積極的に活用したいという声が出ている。
   
   ビジネスや国・自治体では、業務の省力化や人手不足への対応策として、今後チャットGPTの採用は爆発的に拡がるだろう。その流れは、飛躍的に大きくなるだろう。
   
●考えることは楽しい
   相方がいたら、チャットGPTについてどんな事を言っただろう。
   
   とにかく、四六時中、考えることをやめない人だった。考えることが習慣化していた。
   自分が少しでも疑問に思ったり、何故だ、と思う事があると、とことん考え続ける。
   
   それは、ニュースで見聞きする政治・経済・社会の事象についてはもちろん、人が発した言葉にも、少しでも、自分のなかで納得がいかないと、考える。
   
「違和感があったり、疑問があると、頭が勝手に動き出すんだよ」
   そして、結論が出るまで、考え続ける。
   
   だから、疑問点がたくさんある時は、同時並行的に二つも三つも考えている事がある。
   ぶつぶつ独り言を言ったり、突然、予想もしない話題を振られたりで驚くこともしばしばだった。だが、相方にとっては、全部、現在進行形で頭の中にある事だった。
   
「でもさぁ、考えるって楽しいじゃないか。そう思わない?」
   にこにこしながら、本当に嬉しそうだった。
   
   「人間の頭の細胞なんて、少ししか使ってないんだ。考えたって、すり減るなんて事ないよ。むしろ、活性化して、体が喜ぶよ」

「人間が考えることをやめたら、お終いだよ」
   
   今、その言葉を思い出しながら、世の中の効率化の点では、チャットGPTのお世話になるかもしれない。だが、自分でデータを調べて、いろいろと考える事は、やはり楽しいとつくづく思った。
   
   ささやかな楽しみをチャットGPTに取って変わられないように、考えることを大切にしていこうと、あらためて思った。