台風一過

 

 

   先週の土曜日(1日)、大型で勢力の強い台風16号が関東付近を通過していきました。
   1日中、強い風が吹き荒れ、雨も夕方くらいまで猛烈に降りましたが、幸い、それほどの被害もなく、通りすぎてくれました。
   
   翌日、2日は、台風一過。ピンカーンの快晴でした。
   久しぶりの快晴で気持ちの良い日でした。
   
   外に出ると、キンモクセイの香りがしました。
   今年は、例年より早く、9月中旬くらいにキンモクセイの香りをかぎました。
   ところが、その後、2~3日で香りはなくなってしまい、今年はこれでキンモクセイは終わりかと、淋しい気がしていました。
   
   ところが、今になって、再びキンモクセイとは? 木についていた花粉が、台風の風で一気に飛び散ったせいでしょうか? それとも、残っていた花の開花が、進んだのでしょうか?
   よくわかりませんが、諦めていたキンモクセイの香りをまた、楽しめて、良かったです。
   
●台風の爪痕
   好天の中、散歩に出掛けると、台風の強風にやられた木の葉っぱがそこら中に散らばっていました。落葉のシーズンでもないのに、こんなに木の葉が地面に落ちているのは、めったにありません。
   
   近くの団地の散歩道も、公園のベンチの前も、木の葉で埋めつくされていました。
   こういう光景を見ると、やはり昨日の台風の風は、相当なものだったのだとわかります。
   
   さらに、遊歩道に4列に植えられていたヒマワリとコキアが、かなり斜めに傾いていました。完全に倒れてはいませんが、背の高いヒマワリはかなり傾いています。
   コキアは、少し色づいてきて、真っ赤に紅葉するのを楽しみにしていたのですが、斜めになってしまいました。
   
   根っこはやられていないようなので、このままきれいに紅葉してくれるといいのですが……。見場は少し悪くなってしまいますが、それでも、コキアの紅葉は楽しみです。
   
   背丈のないマリーゴールドやベゴニアは、全く被害がなかったようで、良かったです。
   
   我が家のベランダ菜園も、被害が全くなかったと、安心していたのですが、よく点検したら、定植したブロッコリー10株のうち、1株が、根だけ残して、地上部分をすべて風でもぎ取られていました。
   
   被害があるかもと、覚悟はしていましたが、残念です。
   しかも、定植した中で、一番大きな苗が、やられてしまいました。葉っぱが大きかった分、風の抵抗も受けやすかったのかもしれません。
   
   残りの株はなんとか踏ん張ってくれましたし、まだ定植していない苗もあるので、なんとかなりそうです。

 


 

   
 

●天網
   中国の警察が全国に張りめぐらせる監視カメラネットワークの名前が「中国天網」と聞いて、驚いた。
   
   相方と話していると、よく次の言葉を言う。
「天網(てんもう)恢恢(かいかい)疎(そ)にして漏(も)らさず」

   中国・老子の言葉で、天の張る網は、広くて一見目が粗いようであるが、悪人を網の目から漏らすことはない。 悪事を行えば必ず捕らえられ、天罰をこうむるという意味だ。
   平たく言えば、「お天道様は見ているよ」と言うことだろうか。
   
   「中国天網」は、数秒間で20億人を識別することが可能だという。
   中国全土に存在するカメラは、天網以外も含めると、約2億台。
   
   町中の防犯カメラはもちろんのこと、パトロールや警備にあたる警察官が、カメラつきの眼鏡をかけているケースもある。
   こうした全国に張りめぐらされた監視網で、窃盗犯などはもちろん、反体制的な言動の人間もすぐに検挙できる。
   
   習近平国家主席は、今年1月、治安維持のために、システムを強化すると述べた。
「治安コントロールシステムを刷新して完全に情報化し、人民大衆の安全感を高めなければならない」

   今年4月、香港のコンサート会場では、聴衆一人一人の顔を監視カメラが撮影。警察が持つ逃亡犯の顔写真データとAIが照合を重ねた。そして、開演直後、観覧席から逃亡中だったとされる男を警察官が連行した。
   
   また、中国の地方都市で開催された同じアーティストのコンサート。地方に潜伏している逃亡犯が懐かしさから、コンサートに駆けつけたが、監視カメラとAIで一網打尽。
   
   中国の場合、逃亡犯といっても、強盗や殺人などによるものだけでなく、思想的に中国政府が認められない人物も対象となる。
   
   これらを含めて、中国は治安維持と称しているのだが、その威力の凄さに、怖さも感じる。
   
   日本でも、今や、あらゆる所に防犯カメラがある。ビルの入り口、エレベーター、幹線道路や商店街、店舗、そして、車にはたいていドライブレコーダーが搭載されている。
   
   これらの映像が、犯人検挙や不審人物の特定だけに使用されるのならよいが、プライバシーの侵害にあたるようなことに利用されないか、危惧される。
   
   顔認証のシステムは、マンションの出入りや、秘匿物を扱う建物(部署)への出入りだけでなく、スマホの起動にも使われている。
   私たちは便利さと引き換えに、誰でもどこでも個人情報を晒される危険の中に生きている。
   
   権力者が独占して監視システムを使用するような、そんな危険でつまらない国にだけはなって欲しくないと、切実に思う。