漠然とした危機感の中で、


医療崩壊が進んでいます。







こんなとき、大災害が


起こったらどうなるのでしょう?




余力が全くない日本医療が


焼け野原になる引き金が、


もし仮に


大地震だったら


一体どうなるんでしょう?






今回は災害医療について。


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東南海・南海地震の同時発生想定し、政府が支援計画

(2007年3月21日 読売新聞)
http://osaka.yomiuri.co.jp/news/20070321p101.htm


 政府の中央防災会議(会長・安倍首相)は20日、東南海・南海地震が同時に起きた場合の警察、消防、自衛隊の応援人員などをまとめた支援計画を策定した。救援活動に当たる人員は最大時には、約12万2000人と試算。地震が発生すると、静岡県から宮崎県まで広域にわたって甚大な被害が予想されており、各機関はこの計画に基づき発生後、直ちに活動を開始する。

 昨年4月にまとめた基本指針「東南海・南海地震応急対策活動要領」に基づいて策定した。

 同会議は、東南海・南海地震が冬の午前5時に発生した場合、約36万棟が全壊、死者約1万8000人、重傷者約2万人、避難所生活者は500万人とみている。計画は、この「最悪のケース」を念頭に〈1〉救援活動のための部隊の派遣数〈2〉広域医療搬送〈3〉物資調達――に分け関係機関が行うべき対応などを定めた。

 このうち、各機関が派遣する人員は警察、消防、自衛隊を合わせて、高知県には1万3770人、和歌山県1万1290人、徳島県4390人など計12万1950人必要と算出。これらの部隊は救助、消火、交通規制、避難所生活支援などに従事する。津波による漂流者の救助活動などに海上保安庁や自衛隊の艦船287隻があたる。

 一方、静岡・愛知・三重・和歌山・徳島・高知の6県では早急に手当てが必要なクラッシュ症候群など多数の重傷者が出るため被災地外の医療施設への収容が必要になり、自衛隊機などで3日以内に584人を搬送する目標を立てた。「DMAT」と呼ばれる災害医療派遣チームは217チーム(1085人)必要としているが、現状で派遣可能なのは109チーム(545人)で、救助活動の充実が課題とされた。

 物資調達では、87万5300人の避難者が出るとされる大阪府に1110万食、三重県770万食、高知県460万食、和歌山県410万食、徳島県280万食など計約7090万食を支援する。

■各県の受け止め方は様々■

 応援部隊が中四国近畿で最も多い高知県。県外からの受け入れルートは、高速道路が中心となるが、山間部の崩壊などは想定できず、県危機管理課は「実際に応援部隊が高知入りできるか課題は多い」という。復旧がスムーズに行える計画の立案など、独自の取り組みも進めている。

 和歌山県も道路被害が心配だ。県の予測では被害は950か所にのぼる。このため、緊急輸送道路の耐震整備を進め、2013年度末までに247か所の橋で耐震化を図り、112か所で落石防止策に取り組む。 一方、地元で多くをまかなえるとして、応援部隊が少ない自治体もある。

 神戸市は「被害は阪神大震災の10分の1程度。外部からの大規模な応援は必要ないと考える」と分析。大阪府は、応援部隊は200人だが、87万5300人と愛知県に次いで避難者数が多く、1週間分の食料1110万食を支援するとされた。府危機管理室は「大量の物資をどこに受け入れ、市町村にどう円滑に配分するか態勢を整えなければならない」という。

 想定死者数ゼロ、避難者数4万6100人で、応援部隊は最大100人とされた香川県。県独自の被害想定死者数は188人。中央防災会議の数字と開きがあり、国とも議論してきた。応援の100人も県内の自衛隊から派遣を受ける。「予測手法の違いもあり、結局は臨機応変に対応することになった。現状、香川県には応援は来ない立場で対策を立てている」(県危機管理課)とする。

 応援部隊100人の広島県は、「他県に応援に出さない代わりに応援も来ない。自己完結が求められている」(県危機管理室)。愛媛県消防防災安全課は「今回の計画の実行力を高めるには、関係機関の努力と想定外の事態にも応じられる柔軟性が必要」と話している。

東南海・南海地震

 東海地方から紀伊半島、四国沖にかけての海底を走っているプレート(岩板)境界「南海トラフ」近くで起きる地震。強い揺れと津波による被害が予想される。東海地震と同時に起きるケースもあり、江戸中期の1707年(宝永4年)には同時発生したとされる。

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災害医療活動における


基本的な対応は、


3Tsと呼ばれています。



Treatment


Triage


Transportation





この中で、


Treatment(あえて処置と訳してみます)や


Transportation(輸送)は


イメージがつきやすいと思います。





(しかし、Triageの概念を一般の被災者は


受け入れられるでしょうか?)




トリアージとそのまま呼ばれていますが、


フランス語のtrier(コーヒー豆やブドウを選り抜く)を語源としています。





通常の医療では、


医療機関のキャパシティー>負傷者数、重症患者


ですが、


(通常段階で、もうすでにキャパシティーを超えている


という突っ込みはなしで(苦笑))



集団災害発生時には、


医療機関のキャパシティー<<負傷者数、重症患者


となります。





その場合、より生存の可能性が高い


負傷者を優先して治療しなくてはいけません。


トリアージでは、患者さんを色分けしていくわけです。



 死亡または明らかに生存の可能性のないもの

 生命の危機的状況

 2-3時間処置を遅らせても悪化しない程度

 軽症

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NBC兵器あるいは以前、ABC兵器といわれていた


放射性物質 Atomic or Nuclear

細菌・ウイルス Biological

化学剤 Chemical


によるNBC災害においては、


さらにゾーニングや防護、除染が必要になります。


ゾーニングとは、ゾーン(区域)を指定することにより、汚染の拡大を防ぎ、2次災害を防止します。


ホットゾーン 高度汚染が考えられる危険区域

ウォームゾーン 準危険区域

コールドゾーン 立ち入り制限区域

クリーンゾーン 一般立ち入りが可能な区域




忘れてならないのは、


(というか一般の医師には全く知られておりませんが)


1995年3月のオウム真理教の地下鉄サリン事件


では、5500人が暴露、1000人が入院、


12人が死亡、


そして医療従事者への2次汚染は132人に上っております。




抄読会のまとめのようですが、

阪神・淡路大震災、地下鉄サリン事件から10年/地下鉄サリン事件の経験から(奥村徹、石松伸一:ER Magazine 1: 354-358, 2004)

http://plaza.umin.ac.jp/~GHDNet/circle/04/oc24gaku.html

もご参照下さい。





地下鉄サリン事件は、


このように医療機関の問題点も突きつけていますが、


残念ながら、多くの知識は、共有されてはいません。






場合によっては、


医療関係者の犠牲者が


多数上る可能性すらあるのです。


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1995年の阪神淡路大震災では


多くの病院自体がライフライン(水道、電気など)


の障害を受け、病院機能を大きく低下した中での


救命活動が行われました。



阪神・淡路大震災を契機とした災害医療体制のあり方に関する研究会

http://web.kyoto-inet.or.jp/org/kanpo/3W/houki/saigai.html



災害医療は新しい医療分野で、


日本ではこの阪神淡路大震災以降始まった


状況にあります。







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読売新聞トップ記事 「勤務医不足深刻、5年で430病院が救急指定返上 」

http://ameblo.jp/med/entry-10028450230.html


をあわせて考えると、


緊急災害時に日本の医療が機能しない可能性が


非常に大きいのではないでしょうか?





実際に現場にいると、


毎日が「大災害」のような気にすらなります。


万が一の大災害のとき、


これ以上の業務をやれ、というのは


可能なのでしょうか?








すでに、


医療機関自体のトリアージは

(生命の危機的状況 ただちに処置が必要)


になっている気がします。