新しい記事をアップしてしまいました(笑)。
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新たな医学部奨学金制度に県反発
東奥日報 2007年2月6日
http://www.toonippo.co.jp/news_too/nto2007/20070206144252.asp
医学部定員増の条件として、国が本県などに奨学金設定の条件を設けたことで、関係者に混迷が広がっている。厚労省は「希望者がいれば最大、定員の五割まで奨学金を貸すように」とする要求を提示。県は「五割の理由が不明。負担が大きすぎる。予算措置できない」と反発する。七月末までに調整がつかなければ、定員増が見送りになる最悪のケースも考えられる。そもそも学部生の五割が奨学金を受けることは考えにくく、現実離れした国の見切り発車的な施策が、現場の混乱を招いている形だ。
発端となったのは昨年八月、国が示した「新医師確保総合対策」。二〇〇八年度から最長十年間、医師不足が深刻な本県など十県の医学部定員を最大十人まで増加することを認めた。その条件として、増員後の入学定員の五割相当に奨学金設定を要求。卒後の医師配置計画を策定することを求めた。
医師不足が深刻な各県にとっては朗報とも言えるが、高い奨学金設定条件を見て、各県は、万歳しかけた手を下ろした。県は、トータルの負担額が数十億円に上ると試算。これまで奨学金制度がなかった岐阜県の医療整備課も「相当な支出になる。厳しい財政状況で、県財政当局との話し合いは難しいものになる」と難色を示した。
本県を含め各県は昨年十一月、五割設定の条件緩和を要求。十県の知事からの反発を受けた国は、華々しく打ち上げた施策の枠組みを撤回するわけにもいかず、一月三十日付で、「必ずしも奨学金貸与実績は問わないが、希望者がいる場合、五割まで貸すように確約してほしい。予算は全額計上しなくても良い」と解決策を示してきた。
これに対して、青森県医療薬務課は「そんなばかな話はない。五割枠で奨学金を募集して、実際は三割実施では議会の理解が得られない」と反発。「国の失政による全国の医師不足の解消策を、なぜ地方が負わなければならないのか。不合理だ」と怒る。
県は既に奨学金二十五人枠を持っており、医師確保に最大限努力している。実績や学生の経済事情から医学部生の半数が奨学金を申し込むことは現実的に考えにくい。
厚労省医政局総務課は「あまり形式的なことにこだわらないでほしい。地方にできないことを強いるつもりはない。柔軟に対応したい。せっかくの医師増員の施策がつまずかないようにしたい」と言いながらも、五割枠確保の確約書は出してもらう方向だ。
見切り発車的な施策が混乱を招いたのでは-という指摘に、同課は「国も各県の事情が見えていないところもあった。昨年八月の総合対策はあのタイミングしかなかった」と歯切れが悪い。
〇八年度から医学部増員となれば、弘前大学は〇七年七月末までに医学部増員を文科省に申請しなければならない。それまでに奨学金問題に決着をつけなければ、医学部増員は見送りになる恐れがある。
佐藤敬・弘大医学部長は「増員はぜひ実現したい。問題の経緯を慎重に見守り、医学部にできることは粛々と行う」。三村申吾知事は五日の定例記者会見で「OECD(経済協力開発機構)の中でも、日本は医師の数が少ない。国は抜本的な方向で考えてほしい」と語った
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我々には、この茶番劇は
やっていることが不明ですが(笑)、
分かる範囲で。
地方: 医師が少ないから医学部定員増やせ! ← すでに間違っているが。
↓
国: しょうがないですね。じゃあ、定員一時的に増やしましょう。
↓
地方: やった!
↓
国: でも、医学部定員の「5割」に奨学金出してくださいよ。
↓
地方: ???医学部の定員は大体100名前後。
そこに10人の枠を加えるのに、なんで50-60人分の奨学金枠がいる???
数十億の予算なんて、そんなこと議会にかけられないよ!!
↓
国: ああ、「口約束」でいいですから。
でも、5割確保の確約書は国にだしてね。
出さないと増員は却下ねー。
↓
地方: おまえ、見切り発車で言っているだろ!?
こんなバカなこと、どうやって議会に通すの?
↓
国: …。方針は変えません。
…
だれも、真剣に医療の将来なんか
考えてないって事ですね。
…
地方の根本的なミスは、
医学生が増えても
地方に残らなきゃダメであって、
地方に残らなきゃ、
いくら虎の子の医学生を入れても
穴の開いたお財布です。
ずいぶん前から言われていたことです(1,2,3)。
また、
http://ameblo.jp/med/entry-10025012269.html#c10039213144
にあるように、
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教授の話
初期研修必修化が厚労省から提示されたとき、国立大学病院長の代表たちは、医療が崩壊し現在のようになることを予測し、必修の停止・縮小を強く求めた。しかし厚労省は「大 学病院が自分たちの権利を守るために反対している」として冷笑し、聞く耳は持たない態度だった。むしろ大学病院こそが日本の医療制度を崩壊させる元凶であり、それを取り除 くことが、日本の医療を改善する最良の方法と考えていた。厚労省は現在の状況はまったく予想していなかった。
昨年の国立大病院長会議で、厚労省は「なんとか以前の医局制度に戻す方法はないか,知恵を貸して欲しい」と訴えた。大学側は、覆水盆に返らずというより仕方がなかった。厚 労省は現在の制度は5年は維持する方針で、政策の失敗とは言わない。ただ2年を1年にすることは考えている。とのことでした。
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もう、完全におばかさんな
展開をしています。
自分でぶち壊して、
それは正しかったと言っているんですから。
いまや、国も地方も
医療行政は
行き当たりばったりで、
「医療費抑制」
「ベット数削減」
の方向だけはそのままで
突き進むでしょう。
その先には「医療崩壊」しかないと、
我々はずっと言っているのですけど。
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(1)
「大学病院、終了」を検証する 厚労省 医師臨床研修制度のホームページ
http://ameblo.jp/med/entry-10023637672.html
(2)
弘前大学 4%の魅力
http://ameblo.jp/med/entry-10021470358.html
(3)
考察 島根県 232人の医師不足と医学部定員
http://ameblo.jp/med/entry-10022344153.html
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中間管理職は最近文筆活動が盛んであります。
「もう、ブログ辞めた!!」
と言いながらまた新しい記事をアップしてしまいました(笑)。
何のことはない、
通常業務の間に
光速でブログ記事をアップできる
という、
やや非常識で、
他には何の役にも立たない
特異な機能が付いている自分を
発見してしまいました。
どうする?自分(笑)?