同級生のキーワードは「コスパ」である。皆さんご存知の通り、コスパとはコストパフォーマンスの略語であり、費用対効果の意味で使用される。言い換えれば、効率性のことである。でも、「コスパ」と「効率性」はニュアンスが違う気がしてならない。そして、多くの人は知ってか、知らずか、それらを使い分けている。「コスパ」というと物事をただこなすという感じ、ギリギリでのクリアを目指す。一方で「効率的」とは物事を無駄なく仕上げていく感じ、何度も何度も繰り返して一つのことを究めるという意味合いに近いと思う。

  医学部の学生間で多用されるのは「コスパ」の方である。例をあげると、「コスパを考えて定期テスト対策しようぜ」となる(60点を及第点とすると、60点でも70点でも試験には合格である。試験に合格すれば評価は同じだとすると、ギリギリの点数で合格する方が労力は少なく済む)。

  ではなぜ、「効率的」ではなく「コスパ」なのか?


 

つづく。

今日は完治というゴールに向かって患者さんと共に歩くことの難しさについてお話をしたいと思います。

 

医学部では5年生から臨床実習が始まります。これは病院内のそれぞれの科(例えば、内科、産婦人科など)で医師の指導のもと臨床現場で使われている身体診察、治療や手技などを勉強する実習です。ずっと講義室の中で机やモニターに向かっていた4年生までと違い、医師の先生方と距離が近く、教科書では学べないような様々なことを教えていただけます。今回の記事でもそちらに関してお伝えしますね。

 

タイトルにある外科のO先生とはあることをキッカケにとても仲良くさせていただきました。そのため、つきっきりで手術現場や内視鏡での治療を見学させてもらい、これまで教科書で学んできたことの知識がさらに一段と深く理解できました。その学生想いの先生との会話で印象に残るものがありました。

 

先生「〇〇くん、いま受け持っている患者さんは△△という病気だけども、行うべき治療はどんなものだと思う?」

ぼく「ガイドラインで推奨されている治療がいいと思います。」

先生「そうだね。推奨されているということはそれだけエビデンスがあるってことだもんね。でも、患者さんにはそれぞれ疾患背景、家族背景があるよ。例えば、認知症を患っていたり一人暮らしの場合。我々医師は患者さんの背景をしっかりと理解した上で、退院後やその先の生活を想像しながら今の治療を行なっていかないといけないんだ。だから、△△さんの治療はガイドラインではこうなっているけども、優先すべき治療はこれではないんだよ。」

 

正直、目からウロコでした。医療のイメージはガイドラインなどの基準に則ったシステマティックなものであると思っていたので。実際の現場では医師の裁量が大きく、かなり泥臭そうなものであることに驚きました。

 

そんな患者さん想いの先生がポロッと漏らした言葉がこのブログを書くキッカケになりました。

先生「昨日、手術した患者さんとさっき会ってきたよ。手術は大成功だったんだけどね。しなければよかったと言われてしまったよ。よっぽど手術後が辛かったんだろうね。けど、あのまま放っておいたら大変なことになっていたから。これからの治療成績で示していくしかないね。」

 

患者さんのことを第一に考えてる先生でも患者さんに寄り添うのはこんなに難しいのかと。医師と患者さんの心の距離。医療が発展すればするほど、患者さんには全く理解できなくなる。こんな知識や心の空白を埋めるための情報発信をしていければなと思います。

今日は身の上話をしようと思います。

 

なぜ、医学部に再入学したか?

 

それは以前の仕事よりも夢を達成するのに近そうな場所を見つけてしまったから。

夢とは「医療の世界で次の世代に遺るようなものをつくること」

 

大学生の頃からつくることにこだわって、研究してきました。今思えば、この頃はつくることの楽しさにハマってましたね。何を作っていたかといえば、有機分子です。薬のタネと思ってもらえばいいです。朝から晩までどう作るか?ばかりを考えてました。自分がイメージしたことがフラスコの中で実現できたときの快感はなんともいえなかったです。きっと脳内麻薬出てたんでしょうね。そんなこんなでもちろん、就職先は製薬会社となりました。朝から晩まで薬のタネを創れるそんな仕事。趣味が仕事になるって最高だと思いましたよ。それも上手くいけば、夢が達成できる。

 

しかし、そんなに甘くはありませんでした。会社の方針と自分のやりたいことが合致しない。そりゃそうですよね。だって、会社に入るということは会社が成長するための1ピースになるということ。会社の成長のために会社の示す通りに動く。その報酬としてお金をもらう。それが社会です。

 

振り返ってみれば、就活に際し、自己分析ができてなかったのかなと思います。性格的には他人に縛られず、自由にやりたいタイプ。裁量権をある程度もらせてもらうことを望むタイプだったんですね。1ピースとして会社のために頑張りますってそんな性格じゃない。会社に身を任せて夢が必ず達成できるのか?そんな保証なんてないじゃないですか。だったら、自分の夢は自分で掴みにいきたい。少しでも夢の成功角度をあげるためにはどうすべきか。

 

考えました。

 

つくるものは医療の世界で次の世代に遺るもの。

まず、何をつくるかを考えないとですよね。そうなると、誰かが必要としてるけど、それがないからつくるわけです。誰かって、医療の世界と言ってるから、そりゃ患者さんです。患者さんが必要としてるもの。それは患者さんと密接に付き合う立場の人じゃないと分からないなと。患者さんの伴走者は誰か?医者だと思いました。

 

それじゃあ、医学部にいこう!!(この時はその後の大変さなど想像だにせずです。。w)

 

ということで仕事をしながら必死に勉強し直し、医学部に再入学となったわけです。