【レビュー】勇者のくせになまいきだ:3D
▼「:3D」は、まんま「すりー」と読むらしい▼
- 勇者のくせになまいきだ:3D/ソニー・コンピュータエンタテインメント
水生生物はドラゴンより強い!
知名度はそこまで高くないもののコアな層のツボにハマり、PSPにてシリーズ累計60万本を突破した、そこそこ人気のシミュレーションゲーム「勇者のくせになまいきだ。」
その第三弾にして最新作に当たるのが今作「勇者のくせになまいきだ:3D」。
ゲームの目的は、穴を掘り、魔王守るための魔物を育て、生態系をはぐくんでいき、勇者を撃退するというもの。
通常との逆転の発想で作られたゲームデザイン。
JRPGを皮肉った内容ではあるものの、単なるネタゲーに終わらない。ゲームバランスは秀逸で、システムは細部まで作り込まれている。
ストーリーは魔王のうっかりミスから始まる。”押すな”と書かれたボタンを押し、新たなマップが覚醒する。
前作をプレイしたこと前提にシナリオが作られていることが多い。前作をプレイしたほうが、よりパリディなどが分かり楽しめるものの、前作未プレイでも十分に楽しめるはず。
そもそもシナリオは、9割9分パロディで内容は無い。
ゲームム全般、”勇なま”らしいギリギリのパロディが散りばめられており、終始ニヤニヤした状態でのプレイが強要される。
前作より増して魔王がオシャベリになっているが、”口先だけ”というキャラクターが定着しており、長文を読まされてもイライラはしない。
なにより面白いのが”ずかん”で、ニヤニヤしてしまうネタだらけ。
グラフィックは、レトロな雰囲気。動きはヌペーっとしていてフレーム数は高く、処理落ちはしない。
新キャラクターを除いて、前作と基本グラフィックは変わっていないものの、設定などから色合いが若干変わっていたりもする。
キャラクターは基本気持ち悪いものの愛嬌があり、慣れると愛しくなってくる。
音楽は感動。
チープなグラフィックに対し、ものすごい重厚な音楽。
耳に残るクセのあるメロディと、小学校の音楽祭のような音色。他のゲームにはない極めて独特な世界観を作り上げている。
音楽だけでも聞く価値はある。
操作性は悪い点がない。
十字ボタンで誰でも簡単にプレイ出来るようになっており、操作は簡単。
メニュー周りもシンプルなウィンドウ形式で分かりやすい。
ロード時間は前作よりも若干短くなっており、ストレスはかからない。
オリジナリティは高い。
そもそも逆転の発想で、勇者を撃退するために魔物の生態系を育てようという奇抜な発想が凄い。
しかし、これで3作目。さすがに目新しさは無くなってきた。前作に比べて核になる部分は全く変わっておらず、ゲームの基本攻略法も変わっていない。
しかし”水”と”知力”という2つの概念がゲームをマンネリの危機から救っている。
水はマップに数か所水が出てくるところがあり、そこを掘ると水が噴き出す。
水のマップは地面と基本独立しており、地面の生物は水には入れない。逆もましかり。水生生物は独自の生態系を持つことになる。
水の中では勇者はスキルを使わなかったり、水を強制的に動かすことによってある程度魔物を任意で動かす事が出来たりと、今までにない戦略性が生まれている。
その水の概念の中で最も重要なのが”レンゲ”で、テクニックを駆使すると水上に花が咲く。この花が咲けば咲くほど、生態系の生物たちに”知力”が宿る。
知力が宿ると、生物たちは今までにない動きを見せる。この知力による新たな動きによって、今まで登場してきたキャラクターも存在価値を大きく変わった。非常に面白い要素だ。
また、今作から加わったツルハシスキルも見逃せない。前作はLRを長押しすると地震が起きるだけだったが、今回はその効果が様々。任意でスキルを変更することで、あらゆる効果が期待できる。
前作から全く核を変えずに、垂直に進化した今作。
”水”と”知力”の出現により、シリーズ経験者は非常に楽しめる内容になっている。個人的には1→2よりも、2→3のほうが、新鮮な気持でプレイ出来ており楽しめているように感じた。
シリーズ未経験者も安心。丁寧なチュートリアルが用意されており、未経験者でも安心してプレイ出来る。なにより難易度設定が可能になったので、シリーズ通しての鬼の難易度から解放される。
また、今作よりマルチプレイにも対応。マルチプレイを前提にして作られたゲームデザインではないため、少々テンポは悪いものの、熱い戦いはできる。
他にも、毎日少しずつプレイ出来る”脳トレ”のようなモードなども用意されており、ボリュームはある。
UMD版が3980円。ダウンロード版が2800円と値段は非常に安く、値段以上の面白さがある。
ライトユーザーは、プレイしないほうが無難かもしれないが、シリーズ経験者はもちろん、未経験者のコアゲーマーにはぜひともプレイしてもらいたい作品。
評価 .
ストーリー:≪9≫
グラフィック:≪9≫
音楽:≪10≫
操作性:≪9≫
オリジナリティ:≪8≫
満足度:≪9≫
+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
総合:≪9≫



















