なかじー流、BABYMETAL異聞録。 | Honolulu Music Society byなかじー

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出自は日本生まれの日本育ち。
米国籍を取得してハワイに在住する音楽家であり実業家。3児の父。

今までの日本人には発想出来なかった独自の視点と解釈を元に展開されるちょっとだけ凄いブログ。
更新不定期。

Aloha!

最近、ちょっとまたハワイに武漢肺炎が広まってロックダウンか?と囁かれるまで来ましたが、以前ココで僕はそれを匂わせていたのをご記憶の方居ますか?


その辺はまた改めてキチンと書きますが、今日はBABYMETALネタです。




またかよ、


って言われそうですが。




来たる10月10日にBABYMETALさんはその活動に於ける何かしらが大きく変化するのだろう、とあれこれ予測がされています。


しかしながらどの予測や考察も僕の直感に響くものはなく、


それは何故かというと概ねそれらは単なるファン目線での個人的願望でしかないからだ、と気付いたわけです。


悪口を言うつもりは毛頭無いんですが、やはりBABYMETALさんの主要ファン層(メイト)っていうのは基本的に日本のバブル期に青年期を過ごしていた人々であり、


彼らの生きたその時代性として、偏見や意味不明な決め付けに謎の同調圧力が加わって、画一的な在り方に皆で準ずるのが何より美徳であり、かつそれが最も有効な処世術であったのであろうと思われます。


だからかもしれませんが、


メイトの方々の頭の硬さというか、柔軟な思考の無さというか、視野の狭さというのは我々の予想のはるか斜め下あたりを平気で行きます。



実は、僕らがBABYMETALさんという存在を正確に認識する為には幾つかの前提を書き換える必要があって、それは何か?って事なんです。




BABYMETALさんというのは芸能プロダクションであるアミューズさんのプロダクトです。


プロデュースしているのはKOBAMETALこと小林啓氏。


プロデュースって言うと漠然としているように感じるかも知れませんが、




実際のところはBABYMETALの原作者である、と言ってもいいと思っています。



ここの辺りのニュアンスが伝わるかどうかは非常に微妙なんですが、BABYMETALさんっていうのは、実はアーティスト名ではないと認識するとまた見え方が違ってくると思うんです。


BABYMETALという括りの中でのアーティストっていうのは実際のところ、


現況においてはSU-METALという役どころを演じる中元すず香さんであり、


MOAMETALという役どころを演じる菊地最愛さんの2名なわけです。

  Suzuka Nakamoto as SU-METAL

  Moa Kikuchi as MOAMETAL

という事。



つまり、


BABYMETALさんという存在は小林啓さんがKOBAMETALとして、


アミューズ所属のアーティストである中元すず香さんと菊地最愛さん、過去に於いては水野由結さんも含めた3人の女の子の『リアルタイムをモチーフに創作された作品』なんです。




わかりますか?BABYMETALさんという存在自体がもう既に1つの作品、というわけです。



ついて来れてますか?(笑)





ちょっと僕の理解と皆さんの理解の乖離を埋める為に1つの例を挙げてみます。

↑モモタロス、と言います。


このキャラクターは仮面ライダー電王という作品に登場する、いわば『怪人』ポジションのキャラクターのひとりです。


詳しくはWikipediaを参照していただくとして、要は物語の中心に来るキャラクターの1人って事になります。

電王、ひいては仮面ライダーに関心が薄い方からするとコレは単なる『着ぐるみキャラクター』になるわけですが、

それを深く認識する人達からすれば日本のエンタメ業界の中で天才的な才能の塊りのような、とんでもない人材が多数関わる事によってはじめて成立している非常に贅沢なキャラクターなのが分かります。

ざっくり見ただけでも、


プロデュース:白倉伸一郎
脚本家:小林靖子
キャラクターデザイン:韮沢靖
スーツ造形:レインボー造形
スーツアクター:高岩成二
ボイスアクター:関俊彦


各人がどれほど凄い人達、団体であるのかは今回はここではさておき、これだけの才能が結集して作り上げられたキャラクターが人気出ないわけがないです。

モモタロスは出自が『怪人枠』であるにも関わらず、ヘタな仮面ライダーよりも桁違いな人気があるというのが実際のところです。

その存在感の大きさというのはある意味日本の特撮界の常識を塗り替えてしまった異色の存在とも言える。

そろそろ話を戻しましょう。


結論を先に申すなら、

SU-METALというのは『モモタロス』みたいな物なんです。



1点だけ異なるのは、

モモタロスというキャラクター造形、デザインと着ぐるみとしての立体化を韮沢靖さんとレインボー造形さんが担い、

そのプロポーションと動作を超一流スーツアクターである高岩成二さんが担い、声やセリフまわしを超一流声優である関俊彦さんが担って成立させているところを、

SU-METALというキャラクターにおいては中元すず香さんという異能の存在がたった1人で担っているという奇跡。

歌ってよし、踊ってよし、演じてよし、欧米基準で認められ得る美貌とフィギュアや二次元並みの8頭身を超えるプロポーション。



これは菊地最愛さんについても全く同じ事で、日本人のアイドル的なポジションに居る様々な歌手や女優の中でも抜きん出る美貌を持ちながら、

歌ってよし、踊ってよし、演じてよし、欧米基準で認められ得る美貌とチャームを備えて、なおかつステージ上での数々のトラブルシュートを冷静にこなす頭脳の明晰さを持つ。(ちなみに菊地最愛さんは現役慶應大学生)


そんな彼女たちが存在したからこそ『BABYMETAL』という物語は生まれたし、水野由結さんが脱退した後ですら世界中を席巻する勢いで続いて来ている。



そう、BABYMETALさんというのは、単なるバンドやユニットの名称ではなく、

BABYMETALという物語が紡がれた作品そのものの名前と認識する方がわかりやすいんですよ。


だから、

BABYMETALさんにとっての楽曲というのはBABYMETALという作品の中における『演目のひとつ』であり、

それは単純に『新しい曲ができたので聴いて下さい』って事ではなく、

BABYMETALという物語を進めていく中での演目としての楽曲を、その中にある歌唱を聴き、ダンスと表情と舞台演出の全てを複合的に感じ取る総合的な作品なんですよ。

だから舞台に立つ生身の2人に対して観客が舞台に熱を返していき、各々の配役を演じるアーティストがさらにそれを演目に乗せて客席に返して行く、それがBABYMETALのライブ=Legendだった、と。


まだ二十代前半の彼女達はそんな事をかれこれ10年以上続けているわけです。

正直、そのままの2人でも才能に恵まれた人達であるのに弛まぬ努力を積み上げて積み上げて、

芸能人にありがちな低レベルな承認欲求や名誉欲に負ける事もなく、必ずライブでは『前回』を超えてくるっていう異常とも言える結果を作って来た。

それが『BABYMETALが生きている世界』でした。

そりゃね、

ぶっちゃけBABYMETALが世に出たのと同じくらいの時期から音楽系マスメディアが取り上げ始めたガールズバンドの大半が、

とっくの昔に沈没していたり、残ってはいても未だに1,000人も動員が出来ない有り様とか、そりゃ仕方ないですよ。

実はバンドとしてもミュージシャンとしてもそれほど秀でた才能なんかなかったとしても、若い女の子がギターを弾いてる、シャウトしてヘドバンしてるってだけで盛大に高い下駄を履かされていたり、不釣り合いなくらい高い山高帽子を被らされてきたわけですから。



ロックやメタルの世界ってちょっと特殊な風潮があって、なんでも自分達の能力でこなしてセルフプロデュースしなきゃウソだみたいな雰囲気に冒されているきらいがあります。

特に日本はそうですよね。

ところが事実としては海外ではバンドが楽曲を外注したり、レコーディングは別のメンバーやスタジオミュージシャンがこなした作品を代表曲としたり、外部プロデューサーを立てて売りに出されたバンドやアーティストがレジェンドとして崇拝されている例は少なくないわけです。



BABYMETALの在り方だってそれと全く同じ事です。



BABYMETALさんというのは、音楽業界、エンタメ業界の異能の天才達が結集して、コレまた異能の天才である中元すず香さんと菊地最愛さんがそれぞれの配役をキチンと丁寧に演じ続けて成立している。

そこにはレベルの低い承認欲求や自己顕示欲や奢りや昂りもなく、キチンと丁寧にBABYMETALという物語をブレずに紡いで来ている。

他方で、ガールズバンドさんの方々って、インスタとかやって可愛く見えるように自撮りをして見せてファンの方からチヤホヤしてもらったり、

ギターやベースを弾いてるところを動画に撮ってそれをアップして『上手いですね!』って言って貰いたいんだろうなぁ、みたいなのを繰り返している。

それってミュージシャンとかアーティストっていうよりはまるで芸能タレントもどきな『有名人気取り』をSNSでやっているって事じゃないですか。


BABYMETALさんはSNSは一切やらない。


彼女達は低レベルな承認欲求を満たす行為は一切やらずに、ひと目にはつかないところで楽曲を仕上げる事、ダンスを練り上げる事、完璧なステージを仕上げる為の準備にリソースを全振りしている。

いや、敵うわけがありませんよ。

タレント気取りな日本のガールズバンド風情では。

そりゃ音楽シーンの中でも明らかな別格、向かうところ敵なしになるわけです。


だいたい、人間1人に宿っている才能なんてのは限られた物しかないんです。

だから多くの場合、成功者というのは自分の最も得意な分野に於いて特化する事によって自らの才能を大きく開花させる。


『あれも出来ます、コレも出来ます、なんならこんな事も出来ます』という人は大抵の場合器用貧乏なだけで、そのひとつひとつの完成度は低いものです。



セルフプロデュースやってます、

作詞作曲やります、

アレンジも自分達でやります、

楽器も弾きます、

歌います、

なんなら胸の谷間くらい余裕で見せます、



それでいて若い女の子ですっていうのが売りな人が、そんな諸々の才能を高次元になんか結実させられるわけがない。



だいたい、容姿だけでメシが食えるなら容姿だけでメシを食うし、

作曲でメシが食えるならば作曲で、

演奏だけでメシが食えるなら演奏だけでもメシを食っているはずなんです。



でも多くのガールズバンドの皆さんはそうじゃない。

失礼ながら、どれもこれも中途半端なものをいくら組み合わせても、それは誠に失礼ながら、スイスの十特アーミーナイフみたいなもんにしかならないんです。

アーミーナイフでキャンプや野営は出来ても、家を一軒建てられたりはしないじゃないですか。


なんでも出来そうではあるけど一定レベルの作業しか出来ない。


ちゃんとナイフはナイフとして一流、

鋏は鋏として一流、

ノコギリはノコギリとして一流、

その他のツールも高い精度と機能を持つ専用品をキチンと使い分け、適材適所に用いる方がはるかに大きな仕事が出来る。

それがプロ集団の仕事です。


いわゆる嬢メタルに代表されるガールズバンドさん達が、10年やっても相変わらずライブではキャパ1,000人すら超えられず、昨今の時勢にあってメンバーが脱落、交代してどんどん衰退、停滞していく流れと、

YUIMETALを失ったBABYMETALさんが未だに世界的な人気を博している事の違いってまさにそれです。

だからこの武漢肺炎禍に在って、BABYMETALさんだけが武道館ライブを10公演やるなんて偉業、快挙をなんの社会不安や被害をもたらす事もなく成し遂げられたんです。




音楽活動を商業ベースに乗せたいなら妥協せずにいいモノを創らなくてはダメで、

それを全部自分の力でやりますってのはある意味姿勢としては立派ですが、

それをちゃんと名作、傑作と呼べるレベルまで持って行かずに、ただ単に『自分達だけでここまでやりました』ってのはちょっと違う。

まるで『オリンピックは参加する事に意義がある』って、メダルを獲れなかった選手本人の口から聞いてしまったような違和感。

そういうセリフって普通はメダルを獲れなくて気落ちしている選手を慰める為にいう言葉なんで当事者がいうセリフではない。

オリンピックの選手とて、メダルを獲れるかどうかでその先に就ける仕事やその収入に大きな差がある以上、メダルはプロとして通用するかどうかの証になり得る。

つまりオリンピック選手とてやはりメダルの有無はもちろん種類までもが人生を左右する結果としてかなり大事なんであって、そのプロセスでどれだけ個人の資質のみでやれたかどうかなんてどうでもいい事なわけです。

選手を大勢のスタッフがサポートして、チームとして金メダルを獲る事よりも、

誰の力も借りず個人だけの力で参加はしたけどメダルが獲れないって事の方が尊いだなんて価値観はかなり特殊なモノの見方です。





中元すず香さんが非常にチートなのは、やはりあれだけの歌唱力、唯一無二な声質(欧米人の感覚ではそれはを天使の歌声に聴こえるそうです)備えている人が、可愛くて頭身バランスが驚異的で手脚が長くスタイルがいいっていうのは誰も否定出来ないでしょう。

菊地最愛さんが非常にチートなのは、欧米人の目線から見ても明らかに可愛い外見と中元すず香さんとはまた違った美声を持ち、なおかつ頭が良くて努力家っていうのは明白です。

ウチの奥さん目線じゃ橋本環奈さんや広瀬すずさんよりも全然可愛いと言っていますが僕もそう思います。


おまけに歌えて踊れて15歳で既にSonisphereなんていう化け物級のフェスで何万人もの聴衆を相手に不敵な微笑みを浮かべるとか、もうね。

才能の面で日本の芸能人とは全然比較にならないです。


僕なんか15歳の時なんかは、もらったアコギでCDに合わせてパワーコードを耳コピーで弾いてて、それだけでもしかして自分って才能あるんじゃないか?とか思ってましたからね(笑)

まぁなんだかんだとガールズバンドさんの悪口ばかりになってしまいましたけど、

BABYMETALさんはこれまでの歴史の中でイロモノ、紛い物扱いされて来た時期が何年もあって、その間あたかも『本物だ』みたいな扱いを受けていたのが件(くだん)のガールズバンドとか嬢メタルだったわけです。

なぜガールズバンドとか嬢メタルが本物かのような扱いだったのか。

それは先述した通り、曲を作って楽器を弾くから。

でもそれって単に1つのプロセスなんですよね。

音楽的な価値って出来上がった作品の素晴らしさ、結果が全てでいい筈なんです。

日本の音楽シーンはプロセスには大いにこだわるけど結果にはあまりこだわらない。

そうでしょう?

ギターは何を使った、アンプや機材はこれを使って、こういうセッティングで鳴らした、1発録りだった、リフを弾いてみんなでジャムって作曲した、社会的なメッセージを込めたとか、

いくら『ロックっぽい』感じでプロセスを語っても、結果として生まれる楽曲が人の心に響く範囲ってすごく狭いじゃん、と。

日本から先には進んで行かないじゃん、と。

プロセスとしてロックっぽい、メタルっぽい方法論にこだわっても、ロックやメタルを生んだ国の人達から絶大に支持を受けられないならそのプロセスって意味ないじゃん?と。


そこを軽々超越している、

結果で本物である事を証明し続けているのがBABYMETALという『作品』なんです。

そして、その作品の中でのテーマにされて来た楽章であるLegendが封印される。

これが意味するものとは?







以下、なかじーの妄想ですが、

その答えは、

DA DA DANCEの中にある、と睨んでいます。



わかるかなぁ、コレ。

Legend=お伽話、夢物語、夢まぼろし 

と捉えるところにヒントがあるというのがなかじー的視点。

つまり、

BABYMETALが過去10年におけるLegendを封印する、というのはBABYMETALという物語として紡いで来た、

お伽話、

夢物語、

夢まぼろし、

を描く為の演目としてのライブのあり方を止めるという事。

もっと純粋に各々を1つの作品として、『世界観としてのBABYMETAL』から、

新たに中元すず香さんと菊地最愛さんの2人を改めて本格的な主体に据えた『グループ、デュオとしてのBABYMETAL』としてやっていくのだろう、と。


作詞もします、作曲もします、振り付けもやります、衣装のデザインやステージのデザインもやります、楽曲によっては楽器も弾きます。

そうなる日が近づいている、と思えるんですよね。


そこから先は以前言ったようにアミューズからのブランチアウトや海外進出等々言ってますよね僕。

ちょうど菊地最愛さんは今現在、慶應大学を卒業するために卒論を執筆している真っ最中であるはずです。

そしてそこから昨年度の段階で様々な文献や書籍を漁ったりして来たことと武道館への準備を両立させていたであろう事が推測されるわけです。

卒論って書いた事ある方はおわかりでしょうが、正直生半可なもんじゃないです。

それをやりつつの武道館10daysってどれだけすごい事か。

『菊地最愛さんが好きなだけじゃん』

いや、そうですよ。

中元すず香さんはもう充分すぎるくらいに高く評価されていると思いますけど、菊地最愛さんだって凄いんだぜ?ってのは僕はもっと多くの人に正当に評価されていいと思っている。

とにかく、

不肖なかじー。

来る10月10日以降のBABYMETALさんには期待しかありません。

皆さんも刮目してください!

Mahalo!
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