A step in the right direction〜Greco篇 | Honolulu Music Society byなかじー

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出自は日本生まれの日本育ち。
米国籍を取得してハワイに在住する音楽家であり実業家。3児の父。

今までの日本人には発想出来なかった独自の視点と解釈を元に展開されるちょっとだけ凄いブログ。
更新不定期。


Aloha!

「実はもうGrecoはあんまりやりたくないんですよねぇ…(苦笑)」




いや、僕が言ったんじゃありませんよ?




実は以前、まだ日本に居た時に当時のGrecoのラインナップについて知りたい事があって神田商会さんに問い合わせをさせていただいた事があります。
その折にご対応いただいた担当者の方から直接聞いた言葉です。



ンまぁ、それはそうでしょうー。


売れるかどうか確信が持てない物を手探りで一生懸命に作って、でもやっぱり売れなくて…

挙げ句の果てには『そうじゃない』とGrecoマニアからは叱られて…

なんてのをループしてばっかりいたらそれ普通のサラリーマンならばイヤにもなりますって。


なにせ神田商会さんも既に有名な海外ブランドのインポートを数多く手掛けて手堅く利益を上げてますから、わざわざ無理してGrecoをやるよりも名のあるインポート商品を右から左に動かす方がいい。


正しい。サラリーマン的な基準ではそれが当たり前です。

しかしながら、やはり神田商会さんがGrecoを捨てきれないっていう気持ちもまたわかるんです。



『どこかでケジメをつけたい』

そんな風に思う気持ちが企画担当者の方にあってもおかしくはないし、

仮にやがてGrecoが無くなるにしても『やれる事はやって終わりにしたい』と思ってても不思議ではないのではないでしょうか。





過去にはあれほど人気だったGreco。


いま、Grecoといえばネットオークションや中古品の販売店やサイトで少々割高な値段で取り引きされてる意外に売れてるような話はあまり聞きません。


そう、Grecoってマニアックなファンは沢山いるはずなのに彼らは新品を買ってくれないんです。

なぜ新品を買わないか?といえば、答えは簡単。






必要がないからですね。




そもそもGrecoのマニアックなファンの方々は楽器を買ってるんじゃないんです。



手に入れそびれた『夢のカケラ』を買っている。




「いつかはプロになりてぇな」

「カッコいいギタリストになりてぇな」


って夢見たギター少年だった頃に憧れたGrecoをいま買い集めてるわけです。

少年の頃に見た夢が叶わないまま大人になった人はたくさん居ます。

ある説によれば、叶わなかった夢はある種の呪いのようなモノだとか。

だからそれは叶わなかった夢という呪いに一生囚われて、苦しみ、それを癒すようにギターを買い集めるっていう、そんな終わらない旅路のようなものなんでしょう。

だから『あの頃』のモノとは別物なリイシューモデルに何十万も掛ける必要がない。


神田商会さんに限らないんですが、往年の人気機種をリイシューする会社の人はとんでもない勘違いをしているんですね。


各社が何十万もするリイシューモデルを売ろうとしている相手、狙っている顧客層ってのは、ずっと昔からアマチュアのギタリストだった人達なんです。



もう一度言います。



神田商会さんが何十万もするGrecoを買わせようとしている相手というのは、

過去にも現在にも将来にも殆ど間違いなくアマチュアのギタリストでありつづける人達なんですよー⁉︎





って事です。



だってそうじゃないですか?

最も売れていた時代ですら、プロのギタリストはGrecoを自腹を切って買っていたのか?という事ですよね。



いーや、プロのギタリストはGrecoは買いません。


『なに言ってんだ?プロだって大勢使ってるんだぞ?海外のアーティストだって本家じゃなくてGrecoの方が良いって喜んで使ったんだぞ!』




そんな憤りの声が聞こえて来そうです。




でもそれは神田商会さんがプロのギタリストに差し上げたり貸与したものなんであって、

プロのギタリストやベーシストは今も昔も自腹を切ってGrecoを買ったわけではありません。






あんまり言い過ぎは良くないかな(笑)





でもね、もし仮に神田商会さんがもう一度Grecoをなんとかしたいと思うなら、自社ブランドに纏わる間違えた前提条件は一旦白紙に戻さなくちゃいけない。


過去の栄光を含んだ間違った前提は全部白紙に戻して、プロのギタリストが思わず欲しくなるようなカッコいいギターを作るべきなんですよ。

そして、もしもホントにプロのギタリストが自腹でGrecoを買ってくれるようになったらそれってGreco史上初の快挙じゃないですか?

現在、神田商会さんの商品企画をされてる方には是非それを頑張っていただきたいです。


そろそろ本題に入りましょう。









ズバリ、言います!


Grecoがやるべきなのは、
ミラージュの新シリーズ発売です!


「いや、それリイシューとは違うのかよ?さっき高いリイシュー出してもアマチュアに売れないよって言ったじゃんかよ?」


ですね。

だから、リイシューではない。

あくまで、新シリーズなんです。

『なぜミラージュ?』


世界に通用するデザインだからですよ。


『Grecoと言えば?』となると、

GOだったり、GOIIIだったり、MRだったり、人によってはBrawlerだったりBoogieだったりするんだろうと思うんですよね。


上記の名前出して判る人はわかりますけど、あんまりわからない人が大半じゃないですかね?


仮に名前を知らなくても、そのデザインが印象に残ってる、或いは知っているって人がどれだけいるか。

本来なら楽器ですから、モデル名を聞いた時に『どんな音の楽器か?』が浮かばない事は最大の問題なわけですが、ここでは敢えてそこは掘りません。



話をもどします。客観的によく見るとGrecoが今までリイシューで儲けようとしていたのって相当狭い隙間を縫ったマーケティングだったんじゃないか?って判ると思います。

しかも想い出補正を除いて見て心の底から『カッコいい!』って思ってもらえるデザインと言えますか?(僕個人は好きですが)

 

左から、 GOIII 、BG、BW、ミラージュ。


Grecoは今まで何回も何回もミラージュのリイシューはやってますでしょう?




でも多分、どれもことごとく評価は低いと思うんですね。






なぜか?

Ibanez Iceman PS-10 

Paul Stanleyのシグネチャーモデルである、Ibanez Icemanのイメージに擦り寄せてリイシューして来たからでしょう。




Grecoのファンは50代以上がメインなんだろうな。
その人達ってかつてKISSに夢中になった世代だよな
ならミラージュはウケる筈だしPS-10に寄せりゃ売れるだろう


コレはダメです。

悪手中の大悪手。

昔、PS-10が欲しかった人はPS-10のリイシューや当時物を買います。当たり前です。

 


さて、ならばどういう方向性が正しいのか。


⑴ ミラージュJr を作る

⑵ミラージュの7弦モデルを作る

⑶ミラージュのセミオーダーを実施する


ズバリ、この3つ。コレを同時、若しくは段階的にリリースする。

尚、スケールは全て25inchに統一する。


⑴のミラージュJr について。

スペック的にはマホガニーボディにマホガニーネックをボルトオンジョイント。

ピックアップはP-90タイプかハムバッカーのどちらかをリアに1発。

コントロールは1V1Tでシンプルに。その代わりペグやナットにはある程度のコストは割く。

要は初心者に『ギターを弾く為の動作を体得する』事のみに必要なエッセンスを詰め込むイメージ。

価格は3万5千円。アメリカでは$298

外観のイメージはあくまでもLes paul JR的なイナタさを出すようにfadedフィニッシュ系に寄せるのもいい。

イメージの狙いとしては『プロのギタリストが洒落で買ってみたら意外と使えるので思わずステージで使いたくなっちゃった』ようなギター。


⑵ のミラージュ7弦モデルについて

アッシュボディにメイプルネックのボルトオンジョイント仕様。ヘッドストック形状はアシンメトリーなので、7弦仕様には親和性がかなり高い。

コレについてはハードテイル仕様とFloyd Rose仕様をラインナップし、ピックアップはどちらもアクティブタイプを載せる。

コントロールは1Vでトグルスイッチとkillスイッチを搭載。

モデルの差別化として、Floyd仕様はピックアップがダンカンでメイプル指板、ハードテイル仕様はピックアップがEMGでローズ指板にするなども面白がってもらえるだろう。

価格は7万円。アメリカで$666

カラーリングはとにかくビビッドな色使いを旨とし、よくある『白、黒、もしくはガンメタ』みたいなのは絶対に避ける。

狙いとしては、ソリッド系、シースルー系問わずにピンク、コバルトブルー、パープル、エメラルドグリーン辺りをラインナップする。『女の子のギタリストにもウケるし、女の子にウケたいギタリストにもウケる』をイメージ。 

ある程度ギターが弾けるようになった人が、人前で演奏するのが楽しく、嬉しくなるような弾いててステージが楽しいギターをイメージ。

なので貧乏くさい、辛気臭い、古臭いカラーリングは絶対にNG。

バインディング不要、ガキ臭いインレイもピックガードも不要。

アメリカ価格に関しては、やはり物議を醸してナンボですからね(笑)




⑶ のセミオーダーミラージュについて。

30周年記念モデルは限定だった為かそこそこは捌けたのかもしれないが、とにかくマニアが所蔵している以外に行き場がないらしく、それを人前で弾いてるって人を見た事がない。

人前で弾く用途の無いエレキギターに何十万というお金を使うのは、よほど可処分所得の高い人以外はあまり正当化出来る行為には思えない。

ある程度の年齢に達したギターが趣味のお父さん、旦那さんを持つ家族にとって、似たようなギターが部屋に何本もあるとか、弾かないギターがたくさんあるとか、人前で弾いてる勇姿を見てないなんていうのは『あるある』だろうと思う。

仮に、ギターを何十本も持ってる人が『要らないギターは全部売るから、自分にとっての究極の1本をセミオーダーで注文させてくれ』

って家族に言ったとしたら、おそらく誰も反対はしにくいだろうし、そうとなったら自分も家族も『どんなギターが出来上がるんだろう?』とワクワク出来る時間が家族で共有出来るかもしれない。

例えば、ギターを30本持ってるお父さんが本当に必要なのを除いて1本あたり1万5千円前後で25本ほど手放したら37万位にはなる。

コレを楽器店と提携して『下取り』として顧客のギターを中古商材として仕入れてもらい、セミオーダーミラージュの代金に充当してもらう仕組みを作ればいい。

例えば、中古を積極的に扱う某楽器店なら、中古の買い取りならば50万を超えない買い取りには稟議が要らない。

要はミラージュのセミオーダーをしてくださるお客様に限り、中古ギターの買い取り額の枠を設定してその枠で下取りシステムを付けさせればいいんです。

つまり、まとまった貯金を直ぐに崩せない人もセミオーダーの内金をすぐに調達できるわけです。

店の側からしてもまとまった中古商材を仕入れられて、さらに高額な商品を新たに買って貰えるという今までに無かったビジネスモデルが作れるわけですね。

なぜ、楽器業界の人がこういう発想をしないのか僕なんかは不思議でならない。


もっと突っ込んだ細かなプラン、神田商会さんの方で知りたいという事なら内緒で教えるのでご連絡ください。

無料で相談に乗ります(笑)


《まとめ》

・初心者には、『初心者に使わせておくだけじゃもったいない!』とプロのギタリストが思うようなプリミティブなギターを与えよ!

・若い子にヘヴィなジャンルで楽しく暴れて貰えるような派手なギターを作ってシーンを盛り上げよう!

・高いギターを売るなら買い手が気持ちよく買えて、家族もハッピーになれて、販売店も美味しいっていう新たなビジネスモデルを構築しよう!


コレ、3つやったら神田商会さん「Grecoやってて本当によかった!」ってくらいの勢いを取り戻すと確信します。


長くなりましたが、今回はこんな感じ!

Mahalo!

往年のミラージュ。

M600



M700
M800
M1000

やっぱミラージュカッコいいよね!画像ことごとく借り物でごめんなさい!



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