この夏、明治~昭和を描いた本を

何冊か読みました。


その中の1冊が、

城山三郎の『落日燃ゆ』です


A級戦犯、そして唯一の文官として絞首刑となった

元首相 広田弘毅の生涯を描いています


この小説には、明治から昭和にかけての史実と、

それに関わったたくさんの政治家・官僚が登場します


教科書の中で、

時系列に学んだ事件、条約、そして人物が

この本を読んだことで

面になり、厚みをもって

わたしの前に浮き上がってきました


名前と実績は知っていても

その人柄などあまり考えたことなかったから

広田弘毅を始め、

その周りの歴史的に有名な人たち、

たとえば近衛文麿や吉田茂、松岡洋右が

どんな発言をしてどんなふうに動いたのか

そういう視点が自分にとって新鮮でした


城山三郎は、広田弘毅を

あの時代の中で必死に、そして現実的に

軍部の暴走を抑えようとし、

それができなかった悲劇の政治家ととらえています


一方で彼は、軍部の暴走を黙認し、

何も手を打たなかった政治家と

評されることもあります


東京裁判の判決も、

有罪無罪が拮抗していたように

広田の歴史的評価は

今も意見が分かれるのでしょう


膨大な文献をもとに、

一見淡々と記述されていますが

やはり城山三郎は、

広田弘毅に惚れこんでいたんだろうなぁと

感じます。


ふたりとも湘南に住み、

家族を大切していたこともあって

城山三郎は彼

どこか親近感を抱いていたのかもしれません


今も世界のいたるところで争いが起きています

複雑で様々な事情があるのでしょうけど

どうか早く皆が

安心して過ごせる日が来ますように


坂道を転がるように戦争にむかって

もう止められなくなってしまった、

そういう時代がもう二度と

日本に訪れませんように。


夏休みの終わりに

「宿題できたのっ?!」

なんてお小言がいえるって

平和なんだなぁ。