紅白歌合戦 光と影 | meaw222のブログ

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今日は、紅白歌合戦 光と影という題で書きたいと思います。

 

まず、最初に、1月1日の大地震及び1月2日の羽田空港での航空機事故で犠牲となられた方のご冥福をお祈りすると共に、今なお、避難所等で避難されている方の一刻も早い、普通の生活への復帰をお祈りします。

 

また、年始から救助活動にあたっておられる警察、消防、及び自衛隊の方々に敬意を表したいと思います。

 

 

  2023年紅白歌合戦

紅白歌合戦は、日本人あれば誰もが知っている年末の番組です。

しかしながら、意外とその歴史については、知らない人が多いようです。

 

紅白歌合戦の歴史

紅白歌合戦は、1951年に第24回(1973年)以降の会場であるNHKホール2階上手席にラジオ中継席を設置して、今と同じ男女の歌手が紅白に分かれて競い合う様子を、翌日の元旦にラジオ番組として放送をしたのが始まりであると言われています。

結局、このラジオ中継は、合計3回(第3回紅白歌合戦)まで続きます。

 

1953年にNHKがテレビ局を開局したのに合わせて、ラジオ放送からテレビ放送に切り替えられ第4回紅白歌合戦(1953年)から放送が大晦日の9時に変更され、「1年の締めくくり」の代名詞となります。

なぜ、大晦日に放送することになったかと言うと、大晦日しか出場する有名歌手のスケジュールが開いていなかった為だそうです。意外と簡単な理由ですね。

 

1984年の第20回紅白歌合戦以降は、開始時間が午後7時からとなり、2部制の番組となります。

 

また、放送が延期・中止されたことは1度もなく、2017年12月31日に、「最長寿年度テレビ音楽コンペティション(一国内)」としてギネス世界記録に認定されています。

 

紅白歌合戦の特徴

紅白歌合戦は、その年を飾る歌手による、男女両陣に分かれて争う歌合戦という形態で行われますが、これはあくまで建前であり、番組の進行の上で歌謡番組として番組を構成する要素のひとつであり、決して「対抗」を前面に押し出しているわけではありません。

 

しかし、形式上、歌合戦の形式をとっているために、紅白歌合戦に参加する歌手や司会者は、「紅白歌合戦出演」ではなく、「紅白歌合戦出場」となります。

また、この出場者達には、かん口令が出されており、原則NHK側が発表することとなっています。

 

深夜に及ぶ時間帯の番組でありながら年間視聴率の上位に食い込み、多くの年で通年の最高値を弾き出しており、そのため一般の関心は高く、年の瀬から正月にかけて、新聞・雑誌から競合局である民放局までが紅白に関する話題を取り上げられるのも特徴の一つです。

 

この事から、NHKにとってはこの紅白歌合戦は、特別な番組であり、NHK内では、この番組が他の番組よりも優先されるそうです。結果、制作費も破格であり、一説には僅か4時間の番組で5億円もの金が動くと言われています。

 

また、出場歌手の発表時には、「誰が出場するか」と共に話題となるのが「誰が出場しなかったか」ということも注目されています。

俗にいう「紅白歌合戦辞退組」と呼ばれるミュージシャン達であり、特に、1980年代の若手ミュージシャン系の歌手たちの間に、「辞退することがステータス」「出たら負け」といった風潮が作られ、出場の打診を歌手サイドの意思で断る事例が増えます。

 

例えば、THE ALFEEさん、サザンオールスターズさんなど知名度が出てきたころに数度だけ出場する場合、アリスさんの様にNHKとの不和による場合、小田和正さん、Mr.Childrenさんなど

紅白のコンセプトに賛同しない場合があります。

その他にも、B'zさんは、年末年始は仕事をしないというコンセプトから、30年以上出場していません。

 

紅白歌合戦への出場の有無は、歌手への影響力も大きい為に、いままで貢献していながら選ばれなかった歌手に対しては、NHKは「辞退」したと発表することもあるそうです。

 

因みに、この紅白歌合戦の最期に「蛍の光」を歌うことにも、ある理由があるそうです。

 

この「蛍の光」は、スコットランドの民謡「オールド・ラング・サイン」を原曲としており、1881年(明治14年)、尋常小学校の唱歌として、小学唱歌集初編(小學唱歌集初編)が編纂されたとき、稲垣千頴さんが作詞した今様形式の歌詞が、「蛍」の題名で採用され、第二次世界大戦後に題名を「蛍の光」として歌われるようになります。

ただし、この「蛍の光」は、全部で4番まであるのですが、3番4番が、国威発揚の内容となっていたために、第二次大戦後は1番2番のみ歌われるようになったそうです。

 

では、何故、この「蛍の光」が卒業式の別れのシーンや紅白歌合戦の最期に歌われるようになったかというと、ここには大きな誤解が基になっているそうです。

 

実は、我々が、商業施設等で閉店のBGM等で使用されている(終わりを示す曲)曲は、「蛍の光」ではなく、同じ原曲で作られた「別れのワルツ(Farewell Waltz')」だそうです。

もっとも、この二つの曲は、「別れのワルツ」が3拍子であり、「蛍の光」が4拍子であると言う違いだけです。

 

そして、この「別れのワルツ」が秒業施設等で閉店のBGMとして使用されるキッカケとなったのが、MGM映画の『哀愁』で主役の2人がクラブで踊るシーンにこの「別れのワルツ」が使用されていたためであると言われています。

 

この映画が日本で公開されたのは1949年で、映画とともに音楽も強い印象を与え、最後のシーンが別れを描いていたことから、この映画の日本上映の後に、この曲が閉店(別れ)のテーマ曲へとなっていきます。

そして、原曲が全く同じである「蛍の光」が「別れのワルツ」と間違えられて歌われるようになったそうです。

ある映画のワンシーンが、この様に後年になって大きな影響を与えるようになったことには、本当に驚きます。

 

 

この「哀愁」は、主演がロバート・テイラーとビビアン・リーとなっています。

ビビアン・リーは、MGM映画「風と共に去りぬ」のヒロインとしても有名ですが、この女優さんは、本当にこの「哀愁」といい、悲劇が似合う女優さんです。

 

第74回紅白歌合戦(2023)

では、昨年の年末の紅白歌合戦は、どの様な状況であったのか?

特に、同じ年末に行われるレコード大賞と対比するとハッキリとその明暗が読み取れます。

 

今年最大の歌謡曲の話題と言えば、「yoasobi」の歌う「アイドル」であることは間違いありません。

楽曲「アイドル」は、世界的に見ても「アメリカの楽曲を除くトップチャート」「ユーチューブ再生数」でも何方も世界第1位となっており、言うなれば「異世界」の記録となりました。

 

しかし、その年の最も活躍した歌手に送られるレコード大賞最優秀賞のノミネートにさえ、この曲は選ばれていません。

一説には、レコード大賞では会場で授賞式を行い生ステージを行う事が暗黙の了解であり、これに対してyoasobiは、生ステージで歌うことを承諾しなかったためであるとも言われています。

結果として、レコード大賞は、その権威を更に大きく失墜させることとなります。

 

それに対して、この「yoasobi」の生ステージを、テレビに初登場させるのを成功させたのが、NHKの紅白歌合戦でした。

この為に、昨年末の紅白歌合戦の注目シーンとして、このyoasobiの「アイドル」があげられるようになります。

 

(YOASOBI「アイドル」(Idol) from 『YOASOBI ARENA TOUR 2023 "電光石火"』2023.6.4@さいたまスーパーアリーナ)

 

また、今回の紅白では、急遽出場が決まった韓国のガールズグループである「Newjeanse」が特筆されます。

 

 

昨年のジャニーズ問題により、ジャニーズが紅白から姿を消して、その穴埋めとして韓国アイドルグループが多数出場することとなり、あるマスコミでは、この韓国グループの出場が、視聴率を大きく下げたとも批判されていますが、このNewjeanseについては、NHKの人選の上手さが良く出ています。

 

この「Newjeanse」は、2022年7月に結成されたガールズグループです。

韓国音楽界を独占しているHybeから独立したミン・ヒジンさんがプロデュースした韓国5人組のガールズグループであり、1990年代から2000年代のポップスとR&Bの要素を組み合わせた音楽と、スタイルで知られています。レトロさ、青春のノスタルジーを思わせるコンセプトーメロディとリズムの融合ーに特徴があります。

 

このNewjeanseは、他の雨後の筍ごとく登場する韓国グループとは、一線を画す活躍をしています。

 

2023年には、韓国のミュージックシーン及び賞を総なめします。

その上に、デビュー1年後に発表した「Get up」では、リリース初週に約165万枚を売り上。また、米ビルボードのメインアルバムチャート「Billboard 200」(8月5日付)で1位を獲得します。(K-POPガールズグループではBLACKPINK以来史上2組目)

 

しかし、まだ日本での本格活動(デビュー)前でありながら、日本でも非常に人気のグループとなっています。

日本で本格的に活動を始めたならば、間違いなく過去の有名韓国グループよりも人気になると思われます。(BTS以上に)

 

何故なら、この「Newjeanse」と「yoasobi」の音楽スタイルが非常に似通っており、かつ、生ボーカルを十分に生かしており、本格的なガールズグループが誕生したと実感しています。

 

その他にも、やはり今紅白歌合戦で注目されたのは、トリを務めたMISIAさんと福山雅治さんであったと思います。

MISIAさんは、第70回(2019年)から連続5回、紅組のトリを、福山雅治さんは、第71回(2020年)から連続4回のトリを務めています。

 

また、最近では、紅白と大河ドラマ及び朝の連続テレビ小説がタイアップされていますが、ここでも、光と影を見ることができます。

 

大河ドラマでは、昨年公開された「どうする家康」には、主人公の家康にジャニーズ出身の松本潤さんであった為か、全く触れられず、次回の「光る君」も主人公を演じる吉高由里子さんが審査員として顔を連ねていますが、ほぼスルーされています。

 

一方、連続テレビ小説の昨年度前期の「らんまん」は、司会者の一人が、出演者の浜辺美波さんであったことと「あいみょん」が主題歌である「恋の花」を歌っていたことで大きく取り上げられ、かつ、あいみょんの生歌とバックに「らんまん」の名シーンが流れたことに、浜辺美波さんが、感動して泣いたシーンも放送され非常に注目を浴びました。

 

 

それに対して、今放送されている2023年度後期の連続テレビ小説「ブギウギ」は、主演の趣里さんが、今回の紅白の特集で母親である伊藤蘭さんがキャンディーズメドレーを歌う事が発表されており、親子共演かと騒がれましたが、諸事情の為に親子共演は成らず、「ブギウギ」は一切登場していません。(主演の趣里さんが、「ブギウギ」の視聴率が悪いことに責任を感じて辞退したのではとも言われています。)

 

とにもかくにも、今回の紅白は、紅白史上最低の視聴率とはなっていますが、それなりに注目すべき点はあり、十分楽しめたのではないかと思っています。

 

今、1月7日から始まる「光る君」に関する資料を調べていますが、意外と面白いトピックスがあり、昨年の「どうする家康」と同様にシリーズ化して一年書き続けるか思案中です。

まずは、第1話を見た後に決めたいと思っています。

 

という事で、次回は、この「光る君」の前ふりについて書きたいと思います。

結構面白いブログが書けるのではないかと思っています。