明けましておめでとうございます



昨年は、どんな年だったのかな・・
そして、今年は・・・



新年2日から4日(昨日)まで
昨年に引き続き、院内助産システムで運営されている
岩手県の県立釜石病院で日直・当直をして過ごしました



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釜石市のある、岩手県の南部沿岸地域
(釜石市、大船渡市、遠野市、陸前高田市、住田町、大槌町)は
出産数こそ、年間1000くらいですが
大阪府の1.2倍もの面積がある広い地域です。
でも、出産のできる施設は、県立大船渡病院と
釜石病院の2か所だけしかありません



2007年4月に、その1つの大船渡病院の医師2名が突然の辞職をし
この広い地域に産婦人科医が4名だけとなってしまいました



岩手県では著しく産婦人科医不足が進行しているため
医師の補充は期待できず
大船渡の産婦人科がたちゆかなくなったとき



地域でとれる選択は
釜石病院の医師2名を、大船渡に移すことしかありませんでした
大船渡病院は小児科医、NICUのある地域周産期センター
病院が1つとなれば地域としてはセンターを残す以外に
とる道はなかったからです

「まさか自分たちの病院が・・・」

自分たちの病院、自分たちの町に
お産ができる施設がなくなってしまう・・・
集約化が発表されたとき
釜石病院のスタッフ、助産師たちのなかには
無念の涙を流したものもいたそうです



そこまでの危機感がなかったと言われれば
そうなのかもしれません



救いであったのは、以前から、
当時の副院長で、私の友人でもある産婦人科医 小笠原敏浩医師を中心として
院内助産の検討がなされていたことでした
ただそれまでは、新たな体制への戸惑い、何かあったときの責任への不安
などの理由から院内助産を推進してゆく気運は
なかなか盛り上がってこなかったそうです

集約化の事態に直面し
釜石病院が生き延びる道は、院内助産システムしかありませんでした



こうして、2007年9月には正式にシステムは立ち上がりました
1年をすぎて、現在月に20~30の出産を取り扱っています



新聞にはよく
「正常分娩は助産師で」
「もっと助産師を活用を!」
「院内助産院・助産師外来を!」などと書かれていますよね



確かに正論だし
助産師が妊娠・出産を見てゆくことで、
安全性に劣るなんで根拠はどこにもないのに
実際はそう簡単なことではありません

・ お産を見てゆく方向が医師と助産師、そして看護師では違うから
・ 助産師が、自立して妊娠、出産、産褥を見てゆくように育成されてこなかったから
ほか、いくつかの構造的な理由もあるのですが

安全性は実質世界一といってもいい日本なのに
重箱の隅をつつくような、女性の不安をあおる報道で
医療(者)を叩き続けるメディアやマスコミ

もう50年以上も、病院で医師のもとでの出産が当たり前に行われている日本



決して医療(者)を信頼しているわけではないけでと
そうといって、自分の体の方がもっと信用できない
そうして、産む女性と、家族には、
結局は「医師がいなくて大丈夫なの?」の意識が強くなってしまった、
医療(者)への依存度が極めて高くなってしまったのもその大きな理由です



院内助産院とは、実は、未だに絵に描いた餅で
これだけ話題になってはいるのに
まったくをもって発展途上で、
院内助産を謳っている施設のほとんどが形式だけにすぎません

私も、全国を歩いていますが
うまく機能しているところなど、ほとんどないのです



それでも、やらなくてはいけないという状況に陥ったとき
気持ちさえあれば、覚悟さえ決めれば、なんとかなるんだということを
釜石が示してくれたことはすごく大きいことだし、
全国に希望を与えてくれたと、私は思います



3日間、スタッフといろいろな話ができました
帰京の日、4日には、2つのお産もありました

少しはお役に立てたかな?
2年続けて来させてもらったおかげで
ちょっとは仲間にも入れてもらえたかなみたいな・・

そんなほんわか気分で家路につきました



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本来は、何事も、たちゆかなくなる前に、
状況をかんがみて、改善していかなくてはならないはずです
でも、歴史を振り返ってみても、今を見渡してみても
私もふくめて、この国の人は、
どうやらそれが、すごく苦手みたい

足もとまで水が流れてこなければ、洪水がくることに
なかなか気づけないし、動けない、動かない人たちなんです

でも、もう水って、膝上くらいまで、来てるんじゃない・・・





今年も、全体を俯瞰しながらも
自分の足元を深く掘り下げ、自分の軸をしっかりとつくりながら
ブレずに動いてゆければな・・・

思いを、次の世代に、そして、またその次の世代・・・へとつなげてゆければ・・



本年もよろしくです



                        1月5日 竹内 正人