娘が日本語の授業でオノマトペを習ってきた。
元々は古代ギリシャ語から古典ラテン 語を経て、フランス語に入った語らしい。
英語では“オノマトピア”。
振り返ると
日本からオーストラリアに移住が決まったのは、娘が1歳の終わり頃。
3歳以下の頃に娘と日本語と英語で遊んだ中で、実際に良かったと思う事は
色々ある。
1つはリトミック教室。
2歳になる前からリトミック教室に通っていた娘は、毎回とても楽しみにしていた。
公民館のホールの様な場所だったと思う。週に2回かな。
個人でリトミック教室をされていた先生と、アシスタント先生が2人。
10組前後の親子が毎回参加。
基本的に、体を動かしながら、何か別のことをする。
例えば、
⚫︎親子が向かい合って足を広げて座って、季節の歌(ex.真っ赤な秋 )を歌いながら、
歌詞のフレーズが切れるところで、両掌サイズのボールを相手に転がしたり。
⚫︎シフォンの色とりどりなスカーフを、新体操リボンの様にふわふわ、くるくると動かしながら
ホールを走り回ったり。
⚫︎皆で円を作って座り、身体の前で、右手は円を、左手は床を叩くのを同時に行ったり。
等々。
興味を引く遊びばかりで、集中が全く途切れない娘。
バリエーション豊かにクラスは進み、途中必ず、先生は絵本を読んでくれる。
毎回、違う絵本を持ってきてくれる上、
大抵の場合、娘は知らない絵本だった(図書館の絵本は網羅するほどの勢いだった娘)。
絵本を読む間、アシスタント先生がBGMとしてピアノやバイオリンを弾く場合もあれば、
変わった楽器を使って演奏してくれる事もあった。
⚫︎アフリカの民族楽器のレインスティックや、マラカスや、ジャンベ。
⚫︎中南米の民族楽器のウッドギロや、いろいろな形のベル。
⚫︎オーストラリア民族楽器のディジリデュや、バオバブの実で作られたシェイカー。
等々。
ただ弾いたり叩いたりするだけで無く、絵本の内容に合わせて楽器を使ってくれた事が
今も印象深く残っている。
例えば、『あめがふるひに。。。』という韓国の絵本を読みながら
レインスティックをザザーッザザーッ。
旦那さんが、家にレインスティックを持っていたので、すぐに同じ絵本を購入して、
家でも真似て読み聞かせによく使ったな。
他にも、教室で娘が面白がった楽器を探したり、似たような物を作って遊ばせていた。
思えば、娘が楽器に興味を持ったのは、このクラス(もしくは、家で真似した事)からかもしれない。
3歳以下といえば、
日本語も英語も、言葉を吸収する大事な時期。
日本特有の表現や感覚が、ネイティブになれるかどうかに関係する気がした当時の私は、
リトミックの先生にも勧められたこともあって、
生活の中で意識して“オノマトぺ”を使うようにしていた。
同時に英語の“オノマトペ”も、調べて、使った。
少ないけれど、動物の鳴き声“Oink Oink(豚のブーブー)”や“pitter-patte(足音がパタパタ)”のように言い換えられるものもあれば、
“Splash(水のパシャッ)”や、“Sizzle(焼く時のジュージュー)”のように、一つの言葉として表現する場合もある。
お皿で言うと、ひびが入ったり、欠けたり、割れたり、いくつかの破片になったり、粉々になったり。
細かくそれぞれを表す英語の言葉がある。
言わずもがな、言葉の数は圧倒的に多い英語。
日本語のようにオノマトペが多い言語は他に無く、
ヨーロッパや英語圏の文化から見ると、
『日本語はオノマトピアを多用する稚拙な言語だ』
という考えが、今も根強くある、らしい。
『日本語は特に感覚的な印象を残している言葉で、何よりもオノマトぺがその証拠となる』
by養老孟司
感覚的に行動(表現)の中で、擬声語、擬音語のオノマトぺならば、少し幼稚かもしれない。
漫画の中に出てくる日本語オノマトぺは、確かに、これらが多いか。
ただ、擬態語は、感覚が大切。
この感覚を娘に持って欲しかった。
今年(中学3年•year9)、学校の第2言語科目をフランス語から日本語に変えた娘。
(year11からのIB:国際バカロレアのディプロマで、少しでもストレスを軽減する為に、
彼女が家で使っている日本語に科目の変更をした)
今学期は“健康・身体”がテーマの日本語の授業で、
習ったオノマトペは、
『筋肉がパンパン』
『疲れてヘトヘト』
『フムフムと考える』
『しみじみと思う』
等々。
やはり、感覚が無いと、闇雲に覚えなくてはならないので、
他の生徒達には難しかったようだけれど、
娘は分かったとの事。
彼女は1度も現地の日本語学校に通ったりはしていないので、
少し気に掛かっていたけれど
日本語のセンスは分かるようで、
ひとまず、良かった。