今回はファントムの水平尾翼(スタビレータ)の話だ。

 

ファントムの水平尾翼にはスロットがあるものとないものがある。

セットの仕方はキットによってマチマチで、エッシー1/72のように両方セットされているものもあるが、大抵のキットは仕様に合わせて1種類となっている。

そしてセットの仕方もメーカーによってマチマチで、ハセガワにように別ランナーで分けるメーカーもあれば、フジミのようにコマの入れ替えというメーカーもある。

そして更にややこしくしているのが、寿命延長のために矢印型のパッチが付いているものがあるので、都合4種類の尾翼が存在するのだ。

 

 

エッシー1/72F-4E/Fの水平尾翼

上がスロットあり(F-4E用)で、下がスロットなし(F-4F用)となる。

赤丸で囲ったのがパッチで上下両面に付いている。左が上面で右が下面となる。

 

 

左からハセガワ1/72F-4EJ改のスロット付き、フジミ1/72RF-4Eスロットなし。イタレリ1/72F-4G/E/Fスロット付きの尾翼だ。

いずれも上が上面で下が下面となるが、3社ともパッチは上面にしかない。

主要メーカー3社がこれなので、正解とも思われがちだが、パッチはエッシーのように上下両面に付くのが正解のため、全部間違いとなる。

1/48も同様なので、パッチの追加工作が雑誌作例の定番工作になっている。

エッシーの他がファインモールドのファントムもパッチは両面に付いている。

 

 

エッシー1/48F-4E/F(上段)はスロットありパッチなしだ。左が上面、右が下面。

イタレリ1/48F-4G/F(上段)はスロットありパッチありだ。左が上面、右が下面。

イタレリは1/72同様にパッチが上面にしか付いていない。

 

アメリカ空軍のファントムは1970年代後半からほとんどの機体にパッチが付けられたそうだ。

海軍型も同様との記述がったのだが、資料写真で見た限り海軍型ではパッチの確認はできなかった。

 

上記の理由により、作る機体や年代により、スロットやパッチの有無が異なるので、場合によっては改修が必要になるということだ。