ムスタングの主脚の蓋が閉まるかどうかの確認。
上がハセガワのP-51Dの主翼で、下がアカデミーのP-51Bの主翼だ。
アカデミーは問題なく収まるが、ハセガワは無理だった。収納庫の深さが蓋の厚み分よりも浅いので、蓋を削らないと収まらない。
別に飛行状態で組もうという話ではないのだ。
モデルアート別冊の作例記事を読んでいて、ある記述を見つけたからだ。
この手の飛行機の常で、小さくなるほどプラの厚みがネックとなり、主脚収納庫の奥行が浅くなるのだ。このムスタングのキットも同じで、パッと見でどう見てもタイヤが収まらないよなというレベルの奥行だ。
雑誌作例だと、この部分を作り直して奥行を出すのが通例のようだが、ある記事でムスタングの場合は通常で蓋がしまった状態なので、あまり気にする必要はないと書かれていた。
だが、不思議なことにどの作例もみんな蓋が開いている。
で、上記で紹介した資料本で確認してみた。
世界の傑作機の解説でも、通常は蓋が閉じた状態との記述があった。
戦時中の写真が多数載っているので、確認した。
蓋が開いた状態の写真もあるので、開いた状態でも間違いではないのだろうが、圧倒的に閉じた状態の写真が多く、9割以上が閉じていたので、閉じているのが普通で間違いないようだ。
プラモはというと、タミヤやハセガワなど代表的なキットはみんな開いている。
ハセガワは1/72旧版では閉じた状態で作るようになっている。
アカデミーはD型は新版も旧版も閉じた状態の指定だ。まあ、アカデミーの旧版はハセガワ旧版の進化コピーだから当然とも言えるのだが。
どうしてこうなったのかの理由の推測だが、現用機と違って大戦機はみな戦後のプラモ開発だ。
当然現役で稼働している機体は少なく、取材するとなると博物館の展示品がメインになると思う。展示品の蓋が開いた状態だったので、そのまま再現したのではないだろうか。
上記の資料本でも、博物館展示機体の写真はみな開いた状態だったので、私はそのように解釈した。