「ランナー」とは成型されたプラモの部品が付いている棒状の枠だ。そこから部品を切り離していくので、終わってしまえば、「ゴミ」でしかない物だ。

しかし、私にとっては模型製作の必需品となっている。


塗装するときの持ち手にしたり、色の試し塗りにも使っている、肉抜き穴や押し出しピン跡の穴埋めにも使える。

そして一番の用途は関節を改造した時のポリキャップに差し込む軸棒だ。


雑誌の紹介だと色を塗らないで作る際に、ランナーを流し込み接着剤で溶かしてパーツと同色の即席パテを作ってそれでヒケや合わせ目を修正する方法もある。使い道は色々だ。


私はランナーは捨てずに取っておく。

で、ナイフコントロールの練習がてら、余計な部分を削ってプラ棒にしていっている。


帝王のブログ

これがここ最近削ったランナー。キット5個分くらいか。

なんでそんなことをしているかというと、バンダイのキットを作るとPCが余る。数を作ると結構貯まるのだ。何百個もPCが余っていれば当然改造の時に使うことになる。ところがだ、バンダイのPCの軸を差し込む穴は結構径が半端で2.5mmとか2.8mmだったりするのだ。これは市販のプラ棒にはない直径だ。で、試しにランナーを使ったところ、ピッタリ合う物があったので、そこからランナーを軸棒として使うようになったのだ。


今回クラブガンナーではタミヤのプラ棒では径が合わずに何箇所かでランナーを使った。

膝の関節はバンダイの余剰PC(1/144サイズのバイファムやZガンダムシリーズで使われた物)は穴の軸径が2.5mmだったので、前回作ったジェガンのランナーを使用した。

一番難儀したのは砲塔だった。

元の太い軸を切り飛ばして、受け側にPCを仕込んだ。使ったPCはドラグナーやパトレイバーシリーズの余剰PCの外径がぴったり収まったので、それを使用。内径は2.8mmだったが、レッドミラージュのランナーが使えた。

問題は新しい軸を接着するために元の穴を埋めなければならなかったのだが、その穴の径3.5mmが厄介だった。現状に手持ちで3.5mmのランナーが無かったのだ。ウェーブのジュノーンや黒騎士のランナーは太いのだが4mmや3.8mmなのだ。仕方がないので径の違うランナーを削って使ったのだが、合うものを探したり加工したりすのは不便だ。3.5mmがあればそれを差し込むだけで済むのだ。


これが「ランナー箱」を探すことを決めた理由だ。

2~4mmまでなら0.1mm刻みで分類してあるので必要な径を探すのも楽だ。


バンダイのキットの場合、300円キットやBB戦士などが2.5mm径で、HGなどで3mm径のランナーが使われているのだが、結構太さがマチマチで、2.4mmとか2.9mmなど前後した直径が結構あるのだ。だから数を作っていった結果、必然的に0.1mm刻みで揃ってしまったということだ。


蛇足だが、最近ウェーブやコトブキヤのサポートパーツを使い出した。これらは基本タミヤのプラ棒やプラパイプの径に合わせてあるはずなのだが、実際にプラ棒を挿すときつかったり緩かったりマチマチなので、プラ棒だけでは対応できずにランナーを使ったこともある。ロットごとの微妙な誤差は付き物なので、対応が必要だということだ。


面倒くさいのでエコだとも思えないのだが、こういった廃品利用もあると理解してもらえれば幸いだ。