帝王のブログ

タミヤの光硬化パテを使ってみた。

説明を読む限りは、硬化が早い、ヒケない、切削性良好と欠点がほとんど無い「未来のパテ」とか「理想のパテ」と言った印象だった。


写真はセット内容だ。上からパッケージ、本体、保存袋である。

開封後は光を通さない保存袋に入れて保存しないと硬化してしまい、持たないそうだ。


「光」とは太陽光や蛍光灯などの可視光線を指し、太陽光で1分、27Wの蛍光灯で2分で硬化するとなっている。

白熱球でも可能だそうだが、その場合熱で気泡が発生するそうで、なるべくなら使わない方がいいそうだ。



では実際に使ってみよう。


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写真はスコープドッグの腰アーマーで面に傷があるのが分かると思う。

接着されたパーツを無理矢理剥がしたので、下地が抉られてしまっている。

これに光硬化パテを盛って、傷を埋めてみる。


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このようにパテを盛ってから、蛍光灯の光にかざした。



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これが硬化した状態だ。

数分後に見た状態だが、とても硬化しているようには見えなかったので、恐る恐る触ってみて驚いた。

本当に硬化していた。これには驚くとともに少し感動した。


硬化後は表面がべトつくので、シンナーで拭いてからヤスリをかけろとある。(もちろん拭かなくてもヤスリがけに大した支障は無い)マニュアルにはラッカーシンナーを使えとあるが、ボークスの店員のアドバイスに従ってアクリル塗料用のシンナーを使った。ヒケや傷をパテで処理する場合、サフェーサーを塗ってからパテを盛ることが多いので、サフを侵さないアクリル用がベストという理由だ。



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400番のサンドペーパーで均した状態。切削性も良好できちんと傷も埋まっている。



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傷が埋まった部分にサフを塗った状態。きちんと処理されたのが分かるはずだ。


使った感想は素晴らしいの一言。これで塗料に浸蝕されないようなら、プラパテを使っていた部分は全てこれを使うことになるだろう。乾燥に一晩置くことなく、すぐに削れるのは魅力だ。「5分で作業完了」とうたわれているが、それは本当だった。


では本当に欠点が無いか、検証してみよう。

硬化してもヒケない上に切削性も良好。数分で硬化してすぐに削れるのも大きな魅力だ。

だが、プラパテと違いシンナーでプラを溶かして食いつく訳ではないので、ポリパテと同じくらいの食いつきだ。

そのため、マニュアルにも「180~400番程度のヤスリで表面を荒らせ」となっている。

いくつか試した結果だが、傷やスジボリはそのままでも埋まってくれるようだが、一番の問題は「面のヒケ」だ。

ヒケとはプラ表面の凹みのことだ。面にヤスリをかけると分かるがヤスリの傷が付かない部分が凹んでいる箇所(ヒケてる箇所)ということになる。なので、この状態でそのまま盛ると、硬化しても食いつかずに簡単に剥がれた。凹んでいる箇所に240番のヤスリで傷を付けた場合やサフを塗った場所などは、食いついているようだ。

現状指でこすって取れない状態なので、ヤスリをかけて余分を削った場合のレポートは後ほど行う。


次は厚みの問題だ。盛り付けた場合の厚さは最大で2mmまでとなっている。これはパテを光が透過する限界の数字だそうだ。これを越えると、光が透過しないので中が硬化しないようだ。ただ重ね盛が可能なので、2mm以上の盛り付けも、硬化後次の盛り付けを繰り返すことで厚みは作ってゆける。数分で硬化し、次の盛り付けが可能なのだから、これも問題とはならないだろう。


こうしてみると、さしたる欠点も無く、良い事ずくめのようだが、このパテには最大の欠点がある。


それは「価格」だ。

そう「高い」のだ。



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上が光硬化パテで、下が定番のタミヤパテである。タミヤパテ32gに対して光硬化パテは34gと2g多い。

タミヤパテは現在250円(税抜き)だが(私が学生の頃は150円で買えたものだ)、光硬化パテは1200円(税抜き)である。5倍近く高いパテなのだ。

しかし、考え方だろう。ヒケや傷の処理だけなら大した量を使うわけではないし、数分で硬化して作業に入れる時間的メリットは値段以上の価値があると思える。

使った感じとしては、今後私は多用すると思っている。