Development of Machine‐Assisted, Human‐Centred Bone Marrow Cell Classification: Feasibility Analysis in Patients With Myelodysplastic Syndromes
コンピュータ解析を用いた新たな骨髄細胞検査:MDS患者への応用
(フランス・オランダ・スエーデン・日本の共同研究)
というような論文が今月中にはeJHaemという英国血液学会のオープンアクセス血液学ジャーナルに掲載されます。
CellaVisionという会社が開発した顕微鏡とコンピュータを組み合わせたCellaVisionDM96が2003年に開発され、2014年にはCellaVision® DM9600が発表されました。これらの機械は自動血液像分類装置で、
300以上の特徴を細胞 から抽出解析することで、従来のパターン分類技術ではなしえなかった芽球や幼若細胞 を含めた12種類の白血球細胞と6種類の非白血球細胞に分類します。分類された細胞 は細胞グループ毎に比較確認ができることが、従来の顕微鏡にない大きな特長です。
緒方先生の工夫により、この血液像の読み込み分類用のCellaVision® DM9600を使用して、世界で初めて骨髄像を読み込み比較確認できるようにできたのです。
従来は、医師が骨髄穿刺して採取した骨髄液で、臨床検査技師が塗抹標本を作製し染色した後に、医師が顕微鏡で細胞の形態を観察(形態検査)し、その後医師の所見をもとに技師が報告書を作成します。
(順番は施設によって違いますし、最近は検査会社に標本作成や形態検査を依頼するところもあるようです。)
今回の論文は、このCellaVision® DM9600を利用して取り込んだ骨髄像の目視の結果と通常通りの顕微鏡による目視の結果を比較することによって、顕微鏡による目視の結果と変わらない精度が期待できることを証明するためのものでした。
セラビジョンの分葉核好中球 顕微鏡の分葉核好中球
セラビジョンの芽球 顕微鏡の芽球
結果、同等の精度を期待できるという結果が得られました。
この結果をもとに、CellaVisionを利用して骨髄像の分類を行えば、別の人がその結果を確認でき、評価することができますし、さらにネットワーク連結した端末からも一枚の骨髄塗抹標本を同時にレビューする ことができます。難しい細胞の判定を遠隔地にいる熟練検査技師や血液専門医に仰ぐこ とが可能です。
実際に、フランス2施設、オランダ1施設、スェーデン1施設、日本2施設で8名の医師、技師の方々にリモートで分類して頂きました。
と、書いてしまうと、なんのこっちゃ??と思われるかもしれませんが、実用化されればとっても画期的なのです!!!
長くなったので、また改めて‥‥。



