転生したら読書家になった件⑰イノセントデイズ の感想 | バイクとCAFEと

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「イノセントデイズ」

を読みました






めちゃくちゃ
心揺さぶられる小説でした




ある30歳の女が、元恋人の家に放火して奥さんと子供2人を殺害。
死刑の判決を受けることから始まる話なんですが、


引き込まれて
いっきに半分読んでしまいました


内容にスマホが出てくる最近の小説で
ここまで引き込まれるとはΣ(゚∀゚)


後半は、僕的に納得いかない部分がありましたし、読みにくい部分もありましたが、全体的にとてもよかったです😆








ここから
細かく感想書きます

結末は書きませんけど
見たくない方はスルーしてください👍️









この話の良いなーと思った所3つ上げるなら

・激しく心を揺さぶられるところ(前半ゾワゾワしっぱなしだった)
・人間の暗部を、いたずらに過激ではなくリアルに描いているところ
・マスコミや、その根拠薄弱な情報を信じちゃう人、多数に流されちゃう人を批判的に描いてるところです








秋、拘置所の単独室

「1204番、出房しなさい」
女性刑務官は毅然と言いながらも、目を赤く潤ませている。-

そう年齢の変わらない彼女に申し訳ないという思いが真っ先にわいて、幸乃は逃げるように視線を逸らした。ー

長かった、あまりに長すぎた生涯にようやく幕を下ろせるのだ。




この話
こんな風に死刑が執行されようとしてるらしい場面から始まるんです。


なんで死刑になったかというと
元恋人の家に放火して、その妻と幼い子供2人の命を奪ったかららしい


こういう事件は、今までニュースやワイドショーなんかで何回も見ていますけど、いつも同じ。
その加害者の過去を調べて、過去にもこんな悪いことをしていた。こんな親のもとで育った。こんな不幸な生い立ちだった。
だからと言ってこの犯行は許されるものではない。
みたいなもの


この小説でも
犯人の過去を調べあげられ、母親は十七歳の若さでこの犯人の女を育てる覚悟もなく生んだとか、子供の時養父から激しい暴力を受けていたとか、中学時代に強盗事件をおこしたとか
報道されるんですねー


まあ死刑になるくらいだし、そんなもんかなとも思うんですけど、各章でこの犯人と過去に実際関わった人達が出てきて、このニュースをみて回想するんです

自分の人生と、そこに登場したこの犯人 田中幸乃を


その関わった人達
それぞれの人生がもうドラマチックで、ものすごく引き込まれました。

とくに前半の四人の人生
産婦人科の医師と、血のつながらない姉、あと中学時代の友達、元恋人の友人

この人達の、犯人と関わった時期の人生が、ドラマチックで、壮絶、それでいて妙にリアルだったんですよね~

なんでだろう?と思ったら、けっこう聞いていられないようなしょうもない事をやってしまったり、やらなければいけない事をやってなかったり、悔いてはみるけど、同じ事を繰り返してしまったり。

登場人物も言ってる「愚かで、だらしなく、おそろしく軽薄な自分」
そんか部分を描いてる

その辺がリアルなんかも

この犯人が、死刑になると聞いてホッとしている人物さえいました





そんな彼らの人生に出てくる、犯人であるはずの田中幸乃。

その人物像が、読んでるうちにどんどん覆って
いくんです。
母親はたしかに水商売してて、17歳でこの幸乃を生んだけど、産婦人科の医師によると、しっかりとした覚悟をもって生んだんだとか


酒をのんで暴力を奮っていたという養父は、一度だけ、暴力を奮ってしまったけど、酒をやめてたし、優しくて幸せな家庭を築いていたとか


中学時代におこしたという強盗事件は、実は優しさからのものだったとか


この辺りまで読むと
これこの人犯人じゃないのかなと
全然いい娘でそんなわけないと思うんです



でも
この娘が、一部の悪意ある人物(身勝手な理由で家族を引き裂くやつ、根拠もないウワサを喜んで吹聴するやつ、我が身可愛さに友人を売るやつ、アメとムチを使い分けて支配するやつ)
や、ちょっとした歯車のズレから、どんどんと不幸になって、その不幸がさらに不幸を呼び込んでしまう


それでもこの娘は
「う、う、生まれてきてすみませんでした」みたいな事をいってしまって
なんだか読んでると泣きそうになりました😭



後半は
昔の友人が出てきて、なんとか幸乃を救おうとするんですけど、奮闘してめでたしめでたしとは行かず、この救おうとしている友人が、別の友人からみると、なんだか白々しかったり、まあ本人は正義感でやってるんですけど、見当違いというか、
前半の堕ちていく話を読んでるときよりも、なぜか気分がわるかったですね


でもまあ
理解者というか、この人物もイジメにあって親の金を盗んだり、親に暴力奮ってしまったり、引きこもったりと清廉潔白ではないんですけど、
この人物が奮闘して、新しい証言者を見つけたり、死を受け入れてしまっていた、いや死を望んだ田中幸乃の心を揺さぶることができたり。


そして最期…




どうなるのか!?





みたい話でした



最期やっぱり
心を揺さぶられましたねー


考えてみると登場人物がだめだめというか、ちゃんとした人があんまりいない

まあ実際の人間だって完璧な人はいないから、この辺からリアルさを感じて引き込まれてしまったのかもしれませんね


とても
おもしろい作品でした



ただ最近
こういう暗部を描いたようなんばっか読んでるなー😅
今度はもっと愛のあるもの読みたいかも




以上



長々見ていただいて
ありがとうございました😉




ではでは