クレリックシャツにタイしたサラリーマン
入院中みたいなニットキャプにベルトのバックルは左脇にまで回っちゃって
こっちのサラリーマンはPRADA独特のボックスシルエット
大きなラペルもPRADAらしい
こっちはパープルのニット帽
こっちのサラリーマンはツイードスーツ
その割には足元サンダルに黒ニット帽
チェスターコートに白デニムかと思ったら
ジャカードパンツでパープルニット帽
パープルジャカードパンツには太い蛇腹のベルトに黒ニット帽
ケリーグリーンのジャカードパンツに太白蛇腹ベルトに黒ニット帽
朱赤のジャカードパンツにチェスターコートとパープルニット帽
ミニマルトレンチコートにパープルニット帽
カラーリングアンサンブルの配色が外国人
帽子が鉄道員みたいな制帽
こっちの配色も外国人、ツイードパンツでバナルスタイルに茶色の制帽
マスタードのタートルニットにパープルの制帽
シンプルでミニマルでバナルなデニム
でも、いつもそこに何らかのヒントが隠されてる…
プラダのショー会場に入ると、たくさんのパソコンが置かれたデスクが並んでいる。さらに奥へ進むと、スケルトンの床にビジネス用の椅子を並べた空間にたどり着く。スケルトンの床から下をのぞくと、そこはこけむした庭になっている。秋冬のコンセプトの背景には、自然への憧憬(しょうけい)とビジネススタイルとの関係があることが示唆される。
ショーはいきなりのタイドアップスタイルから始まった。クレリックシャツにネクタイをきりりと締め、スイムキャップのようなぴったりとしたニットキャップをかぶる。スーツにもこのカラフルなニットキャップ。杢グレーのツイードジャケットに、パープルやグリーン、ネイビーやブラウンのニットキャップがアクセントとなる。
もう一つのキーアクセサリーは太いベルトだ。杢グレーのパンツに、レザーをクロシェ編みしたような太いベルトでウエストをマークする。マドラス(船員)がかぶるような帽子を含めて、マリンの要素も少しだけ感じさせる。
テーラードジャケットをシャツへと変容させながら、男性らしさの象徴を流動化させたのが前シーズン。今シーズンは、ネクタイというビジネスのキーアイテムを用いながら、それをオフのスタイルと混ぜていくようなデザインだ。ただ、前シーズンが男性らしさの有り様や現代の重衣料のリアリティーを問題提起したことに比べると、今シーズンのアプローチはコーディネート中心になっている。興味深いアクセサリーはあるのだが、スタイルとしては前シーズンの到達点にまでは至っていない。