
靴内密閉環境における絶対究極の核融合――『転蓮華・熱核発酵プラズマ』ッッッ!!!
「一つ教えといてやろう!貴様のいる場所は我々はすでに三千年以上前に通過しているッッッ」
烈海王は燃え尽きた医療機器を見下ろす。
君達はわかっていないッッ!
この完成されし「武のオーラ(悪臭)」を切り捨てる浅はかさ……ッ!
これこそ私が日々重ねてきた鍛錬の『結晶』であり肉体(からだ)の叫びなのだッッ!
中国拳法4000年の「武」の歴史に身を委ねた私は常に自然の理(ことわり)と共に生きてきたッ!
それが靴の中で熟成され独自の『気(オーラ)』を放つのは至極当然の摂理ッッ!
4000年の歴史を背負う私の足元がたかが数百年の歴史しか持たぬ近代医学如きに後れを取ると思うなッッ!
私の足裏で生きる常在菌は烈海王という『個』を形成する重要な門弟(パーツ)の一部ッ!
一網打尽に『虐殺』可能と思うなッッ!
例え一国の空気が一瞬で腐敗しようとも……私はこの臭い(武のオーラ)を消しはしないッッッ!!!
耐えかねるというなら貴様等の『鼻の鍛錬』が足りんだけのことッッ!
医学などという小細工に頼らず『呼吸法』で自らの嗅覚を遮断してみせるがいいッッッ!!!!」
烈海王にとって異臭を生み出す菌どもは駆逐すべき病魔などではなく、共に幾多の修羅場を潜り抜けてきた「戦友(とも)」! 修行靴に再び足を滑り込ませた瞬間、シュウウウ......と不気味な音を立てて靴底が微かに溶け出すッ!このまま烈が歩みを進めれば地面はすべて腐敗し、草木は一瞬で枯れ果てる「死のロード」が形成されるッッ!!
「鎬紅葉……貴様の医学は見事であった。しかし我が足裏の常在菌もまた、日々の死闘を生き抜いてきた『戦友』。そう簡単に滅ぼせるものではないッッ!!」
現代医学の権威すら敗北に追いやった烈海王は再び修行靴へと足を滑り込ませ、新たなる「異臭の神話」を紡ぐために歩み出すのだったッッッ!!!
※魔拳※
それは蒸れて水虫と雑菌が大量に繁殖した異臭を放つ烈の足拳を用いた技の総称、いや尊称!岩石さえ触れた瞬間に腐敗してしまうので打岩の実現も容易いのは言うまでもないッッッ!!!生物の限界どころか物質の概念すら超越した烈海王の足拳を用いた技の数々。『魔常在菌・足腐拳』はもはや「足技」などという安易な言葉で括ってはならない。
物質すら腐らせる!『魔拳』がもたらす物理崩壊の理(ことわり)!
常人の足の臭いはただの不快感。しかし烈海王のそれは分子結合を強制分解する「高濃度有機酸の結晶」ッッ! 岩石すら触れた瞬間にドロドロに融解・腐敗する『打岩(だがん)』の超進化系がここにあるッッ!
「魔・転蓮華(ま・てんれんげ)」
相手の首に両足で飛びつき、一瞬で首をへし折る……のではないッ! 頸椎に烈の足裏が密着した瞬間、超高濃度イソ吉草酸が皮膚から浸透! 中枢神経を瞬時に麻痺させ、技が完成する前に脳を完全シャットダウンさせるッッ!
「魔・足刀蹴り(ま・そくとうげり)」
強靭な足刀が相手の肉体にめり込む! その刹那、激しい摩擦熱によって靴内に溜まった「有毒ガス」が一気に噴出! 触れた肉体は強酸を浴びたように焼けただれ、打撃の衝撃と同時に肉組織が「腐敗」を始めるッッッ!
「魔・空歩(ま・くうほ)」
烈海王が水面を渡るかの如く、大気を踏みしめて跳躍する! いや、違うッッ! 足裏から放出される膨大な常在菌の発酵ガス(バイオガス)が推進力となり、物理法則を無視した二段跳び、三段跳びを可能にしているのだッッッ!!!
※序文※
常に限界を超えた鍛錬や数々の死闘をこなす武闘家である烈海王ッッ
常人離れした激しい修行や運動により一般的な基準(足裏は両足で1日にコップ約1杯分の汗をかき、靴の中が高温多湿になることで雑菌が繁殖して強烈な「イソ吉草酸」の臭いが発生する)を大きく上回るレベルの「異臭」を放つッ!
烈海王は激しい動きに対応する中国拳法の修行靴を常に履いており、足元は常に高温多湿の雑菌が最も繁殖しやすい過酷な密閉環境となっているッ!
足の臭いの主な原因は高温多湿な環境で繁殖した雑菌が分泌された大量の汗や皮脂、古い角質が靴内の常在菌に分解されることで発生する「イソ吉草酸」という強烈な悪臭(納豆や蒸れた靴下に似た匂い)を放つッ!!
超人的な運動量と代謝を持つ烈海王であれば足の裏からかく汗の量も桁外れだッッ!
長時間の激しい鍛錬と修行、常に過酷な修行用シューズを履き続けているため靴を脱ごうモノなら一般的な基準を遥かに超える周囲が気絶するほどの猛烈な悪臭を放つッッ!
靴を脱ぐ環境(お座敷など)の足のハラスメントが大きな社会問題になることを踏まえると烈海王が靴を脱げばその悪臭は一瞬にして部屋中に拡散し対戦相手や周囲の者(野生動物さえ)が鼻を押さえて悶絶するほどの破壊力を持つッッッ!!!
その空間の空気が一変するほどの圧倒的な「武のオーラ(悪臭)」を放つッッ!!
烈の足裏に潜む何百億、何兆という常在菌・水虫菌たちの軍勢。
過酷な修行靴の中で烈の強靭な肉体(代謝)と激しい死闘の汗(栄養)を喰らって生き残った者だけが属する精鋭中の精鋭部隊。これぞまさに烈海王が全勝を確信し誇り高く率いる「ミクロの最強軍隊」ッッッ!!!
これぞ中国四千年の暗黒面が到達した絶対不滅の尊称――神の雷(いかづち)にも等しい猛毒(超高濃度イソ吉草酸)を放つ『魔常在菌・足腐拳』ッッッ!!!
烈海王「我が臭国連合軍の全勝を約束しようッッッ!!!」
146歳の生ける伝説・郭海皇にして「もはや『海皇』の称号すらあの足裏(イソ吉草酸)を縛る器ではないッ!あれは『異臭王(においおう)』……いや、地球の生態系そのものを揺るがす災厄じゃッッ!」と車椅子でガタガタと震えながら確信させるほどのポテンシャルッッ!
「これほどの…これほどの”武”を秘めた足裏がこの世にあろうとは……!」
烈が一度ステップを踏めば、その汗と常在菌の分泌液で3秒と持たずに「溶解」してしまうッ!
烈が数々の死闘で極限まで練り上げた超高濃度イソ吉草酸は、もはや単なる悪臭物質ではなく分子結合を瞬時に分解する超酸性の神雷(いかづち)ッ!
まさに「白景汁(ばくはつするにがみ)」と呼ぶべき地獄の光景だったッッ!!!
烈の足裏から染み出す汗(イソ吉草酸)と熱により石膏がドロドロの緑色に変色!化学反応で猛毒の硫黄のような異臭ガスを放ちながら崩壊するッッ!
*第壱部
『鼻孔を甘撫でする清らなる咎人 浄化の楽土で詰まれる華』
*第弐部
『背徳を駈ける見目麗しの守護者 美と宝物の蕩ける寵愛』
*第参部
『Forward to the Past 運命を切り開く願飾り』
*第肆部
『Abnormal Romance 廃工場のラストミッション』
*第伍部
『さすがシンプソン博士だ 専門外の質問にも動じない』
*第陸部
『貴様・・・俺を喰っておいて逝くなッ! 鉄をも溶かす魔拳の狂宴』
*第柒部
『玉座へ誘う刻まれし鼓動 何人も踏み込めぬ光と影』
*第陸部
『貴様・・・俺を喰っておいて逝くなッ! 鉄をも溶かす魔拳の狂宴』
【第壱話】
『私は誓って電車の往来妨害はやってませんッ!
なぜ乗車の機会(ジーフィー)を与えないのですッッ!!』
【第弐話】
『カツッ!あひゅうッ!救命阿 (ガウミンア)ッッ!!
嗚呼、たまらぬッこの至福!ここで終わってくれるなッッ!』
【第参話】
『俺の体臭で発情せんかァァッッ!!
極厨侮術を嘗めない貴様等は遠慮なく乱射するぞォォッッ!!!』
【最終話】
『アリガトウ千極年、もう体は洗わないッ!
スピード良しッ!重さ良しッ!握り良しッッ!
ウワアアアオオオオ!!』
【第伍部第壱話】
私は誓って電車の往来妨害はやってませんッ!
なぜ乗車の機会(ジーフィー)を与えないのですッッ!!
朝8時の通勤ラッシュ時、どの車両も寿司詰め状態で満員電車の中、一台だけガラガラの車両があった。その車両はヴィクトワールの滝が如く汗水を垂れ流す褐色のヘラクレスに占拠され薫り高い芳香と湿気が漂うサウナと化していた。
「もわァ~~~」と漂う甘酸っぱく時にスパイシーな臭気と共に凄まじい量の汗が床一面にベタつく汁溜まりを作るッ!
男は髪を三つ編みに結わえて上半身を一糸まとわぬ半裸で褐色に日焼けした筋肉美をこれ見よがしに見せつけながら站椿と呼ばれる臭国拳法特有の修行に励んでいた。
そして通勤ラッシュが終わると男は「わたしは一向にかまわんッッ!」と気合を飛ばして車両全体を揺らして去って行く。大量の塩分が含まれた男の汗が車内全体をダウンバーストが如く叩き付けるッ!窓はベタベタ、座席のシート・手摺等の金属部分は一瞬で錆びついて劣化・一気に腐食が進むッ!
車両が一切使い物にならなくなる迷惑極まりない所業は連結した車両にも飛び火して清掃に莫大な出費がかかるにも関わらず謝罪せず責任も取らずわざわざ平日の利用者が多い時間帯を修行の場に選ぶのだ。
男の正体は黒竜江省は白林寺で武術界の栄誉ある称号「海王」を名乗ることを許された烈永周。
驚異的な技量から『魔拳』の異名を持つ烈海王の狙いは臭国武術だけで社会の一般常識を制覇する事だ。
どこでも己の流儀で振るう蛮勇の所為で他人にかける迷惑は天災規模だ。
車両にはツンと鼻を突く酸味を帯びた芳醇な香りが染みついており身嗜みに気使う出社途中の社会人なら乗ろうなどと思うはずもなかったが、ごくまれにその筋の刺激を求める頭が可笑しい変態が「私が餌となっては如何かッ!」「君のその耐久力(タフネス)に謝々ッッ」などと申し出て敢えて乗車を試みる時があった。
しかし烈の修行中に他の誰かが入ろうものなら全身から怒気を漲らせながら割れた腹筋に胆力を込めて野太い声で一喝する。
「静かにせんかァッッ!ここは武を修めた拳士のみが立つ場だッ!!貴様等が入る場所ではないッ!!稽古の邪魔をするなら出ていけェッ!!出てゆかぬ者は容赦なく叩き伏せるぞォォッッッ!!!」
言うまでもなく電車とは乗客を輸送するために設けられた公共の交通機関であり「武を修めた拳士」とやらのみが立つ場では断じてないッッ!!
何とも支離滅裂で理不尽極まりない言いがかりでしかないがそんな車両に好き好んで乗り込もうとする輩がまともなはずがなく、蛮勇を説得力に力強く猛る劣に半殺しにされても何故か嬉しそうだw
逆にまともな常識人からは苦情が殺到してSNSでも話題になっていた。
当然、警察も鉄道会社もこの状況を問題視しておりある時は神心会門下の屈強な駅員を、またある時は武装した特殊部隊を派遣したが悉く返り討ちに遭わされた。
武力行使による排除は不可能、権力による介入は強者を溺愛する御老公と全国に百万人の門下生がいる神心会の圧力がかかり事実上の治外法権が出来あがっていた。
しかしその車両にある1人の男が乗り込んだ事で力の均衡に亀裂が入る・・・
【第弐話】
『カツッ!あひゅうッ!救命阿 (ガウミンア)ッッ!!
嗚呼、たまらぬッこの至福!ここで終わってくれるなッッ!』 へ続くッ・・・!!
